薬の種類が増えても妊娠率が高くなるわけじゃない。
最近、処方されるお薬の種類というものがドンドン増えているようです。
悩んでいる症状を訴えれば訴えるほど、その訴え分だけお薬が増えていきます。
ついこの間も病院に行きたくないと言っておられた患者さんの理由が、病院で話しをする度に薬が増えていくから、病院に行くのが嫌だと言っておられました。
これって一般的な病気だけでなく不妊治療でもやってますね。
クロミッドから始まって、HCG、HMG、ルトラールやプラノバール体外受精などになってくるとそこにスプレキュアやエストラーナなどなど、まさに薬漬け。
西洋医学ではどうも、大は小を兼ねると考えているようです。
本来は、漢方だろうが、西洋医学だろうが、薬はその時の状態に対して適切なものが必要です。
頭痛がしているのに、一応、抗生物質を飲むなんて意味がないです。
しかし、不妊治療になると、病院側も「頭痛」みたいに原因がわかっていません。
治療しようとしている人が、あなたの不妊症の原因を全くわかっていないのですよ。
両方の卵管が閉塞しているとか、子宮筋腫が子宮と同じ位の大きさ。
だったら「これが不妊の原因だ!」ってわかりますが(これだったら医者でなくともわかりそうですが)そんな「素人でもわかるだろ!」という状態以外は、なぜその人が不妊症なのか、西洋医学ではわからないわけですよ。
だから、とりあえず、クロミッドやセキソビットを処方します。
この時点で不思議に思った人って多いと思います。
「排卵はきている感じなんだけど」なんで排卵誘発剤?
排卵は来ている感じで、排卵障害とはっきりと診断していないけど、クロミッドなんですよ。
なんでそんなことになるかというと、それは、医者が、あなたの不妊症の原因を全くわかっていないから。
居酒屋のお通しみたいなものですね。
その人の好みの食べ物はわからないけど、とりあえず出しとけ!みたいな。
その後、不妊治療の期間が長くなればなるほど、薬は増えていきます。
その薬がどんどん増えていく状態をある患者さんは「自分の身体はそんなに薬の効かない悪い身体だったんだ」と思われていたみたいです。
しかし、それは違います!
元々、一人一人の原因がわかっていないから年齢が高かったり、治療期間が長くなれば、だんだんと薬が多くなるのは当たり前なんです。
「これでダメだったから、次にコレ!そしてコレでダメだったから、コレにコレ足して・・・」のゴリ押し。
自分のとこのある程度決まった投薬パターンを回していくだけ。
なぜなら、お一人、お一人の不妊症の原因なんてわかっていないから。
治療をするというよりは、薬をマニュアル的に試してくって感じではないでしょうか。
ところが、不妊症なんて、飲めば飲む程、よくなるわけじゃないんですね。
そもそも、一般的な病気だって、その場しのぎの対症療法のお薬を増やしたからって、個々の症状が一時的に誤摩化せるだけで、根本的な問題は何も解決しません。
人間の身体ってたくさんの薬を飲んだからって、それだけ治りやすくなるわけじゃないのですね。
それどころか、不妊症の場合はホルモン剤をたくさん使えば使う程、強い刺激を受けて、自分本来の月経リズムは乱れていきます。
いわば、不妊病院につくられた人工月経周期の誕生です。
人工月経周期は、なんとか受胎のタイミングを合わせることはできると思いますが、その後の10ヶ月間の赤ちゃんを育てていく環境としての身体はどうなんでしょうね。
病院で「ちょっとホルモン剤などをやめて身体を一旦お休みさせてあげましょう」なんて言うことがあるじゃないですか。
アレって逆からみたら「病院の不妊治療はあなたの身体にいつも無理させてるんですよ」と言ってるということですよ。
不妊治療は薬の物量作戦でゴリ押しでなんとかなるものではありません。
その人、その人、それぞれのうまくいかない弱点があるのです。
だから、それにうまく合わせていってあげないといけません。
漢方薬で不妊治療する場合もお一人、お一人、体質が違うので、漢方薬の種類も違ってきます。
これも病院はお得意の勘違いで誰でも当帰芍薬散や温経湯を出しますが。
例え、西洋医学であっても、大は小を兼ねるとばかりにどんどんお薬を増やしたからって、なんとかなるものではありません。
結局、どっちの医学にしたって、全員同じ薬でやろうとせずに、一人一人の原因をじっくりと考えていく必要があると思います。
2014年9月3日 7:02 PM | カテゴリー:病院の不妊治療について