実際の漢方薬を使った不妊治療とはどんなもの?
うちは漢方薬を使って自然妊娠することを目的にしています。
過去に体外受精で何回か失敗していようが、病院で高齢だから無理ッ!って言われていようが、基本は自然妊娠を一緒に目指します。
ただし両方の卵管が閉塞しているとか、ご主人の精子は取り出さないといけない状態などの器質的な問題がある場合は、体外受精との併用です。
自然妊娠を目指すといっても「うちの治療をするのなら、不妊治療の病院はやめてくれ」というわけではありません。
基本併用はOK!
ただ僕自身としは、病院の治療がなくても自然でうまくいくような状態を目指すということですね。
そこで漢方の不妊治療と西洋医学の不妊治療はどう違うのかを詳しく説明してみたいと思います。
ちなみに不妊治療の病院でも漢方薬は処方されていますが、実際は、漢方薬を選ぶために必要な体質を調べないで「不妊症だったら、はいコレッ」って感じで当帰芍薬散や温経湯をマニュアル処方しています。
残念ながら、あれは漢方じゃないです。
ただ、漢方薬を販売しているだけ。
漢方の医学理論をわかっていない無知な人がやってるものです。
大事だからもう一度、病院で漢方的な問診とらずに処方しているのは、漢方じゃないです!
さて、西洋医学の病院においての不妊治療とはどんなものでしょうか。
皆さん、頭でわかっていてもなんとなーく、病院にさえ行けば妊娠すると思っちゃってるかもしれませんが、先に言っておくと妊娠する薬はありません。
何をするかっていうと、ホルモン剤を使うのです。
ホルモン剤はピルって昔は呼ばれていたものです。
ひどい月経不順の人や避妊したい人などに処方するものです。
それを不妊で使います。
大きく分けて3種類。
排卵誘発剤とそれのもっと強いレベルのもの、高温期に上げる注射、それに高温期を保つもの。
プラス低温期が延々続くとか、月経リズムがかなり難儀な人に使う混合ピルなどです。
高度治療といわれている人工授精と体外受精以外はこれだけ。
どれだけ有名なとこだろうが、基本の治療はこれだけです。
大体、ホルモン剤の服用を繰り返して、何ヶ月かして、それでダメなら精子を人工的に子宮内に入れる人工授精を行い。
それでもダメなら、卵子と精子を取り出して外で受精、培養し再び、子宮内に戻す体外受精です。
ホルモン剤は病院によって効果の強弱はありますが、この治療方法は、ほぼ全国変わりません。
よほど最新の情報をとりいれている高額な治療費のかかるところ以外は、ほぼ、どこにいってもやることは一緒です。
漢方は逆にお店というか、その先生によって治療方法が変わります。
先ほどもチラッと触れましたが、たまに無知な先生が当帰芍薬散か温経湯が不妊症の人に処方する薬だからといって、それを延々と飲ませるところがありますが、これは漢方じゃないです。
漢方は不妊症だとか関係なく、その人の「現時点の体質」に合わせた漢方薬を選びます。
ここであえて言っておかないといけないのは、漢方薬でも妊娠しやすい薬があるわけではないですよ。
基本的にはその人の体質を分析して、健康な状態に調整します。
血が不足している体質なら血を補い。
冷えが強ければ温めて。
逆に不要な熱がこもっていれば、冷やします。
健康な身体になれば、健全な月経リズムになり、健全な月経リズムは妊娠できるホルモンバランスになるということですね。
これに年齢やら、なんやらと健康になっても不利な点があれば、それを補助的に補って強化します。
そして健康で良好な体質を保ちつつ、タイミングをとって、赤ちゃんを授かるのを待つわけです。
妊娠自体はパートナーや運も大きく関わっているので、漢方が果たす役割はあくまでタイミングが合った時にそのタイミングを逃さない体質をつくること。
妊娠準備OKの身体づくりですね。
だから、漢方薬を何ヶ月か飲んでたら、ある日妊娠するというわけではないですね。
体調がよくなって、いつでも妊娠できる身体になってもパートナーが非協力的であったり、運がなければ、いつまで経っても妊娠しないこともあります。
ま、目的は病院でも一緒で、病院は、その人の健康はガン無視で人工ホルモン剤を使って、無理やり、整えた風にします。
人工授精と体外受精を除けば、不妊治療の病院も漢方薬も妊娠させる薬があるのではなく、月経を整えようとするわけです。
漢方の場合は、体全体を整えて、病院は人工的に無理やりに。といった感じです。
病院の場合は、使用するホルモン剤は、誰でも一緒のものを使いますが、漢方の場合は、それとは違って「不妊症だったら、この漢方薬」というものは決まっていません。
不妊症という状態は体質の一部のことであって、あなたの全てではないです。
不妊症といっても、年齢も併発している病気も症状も生活環境も違いますので、みんな違う体質です。
なので漢方の場合は、不妊症であっても、一人一人の体質を分析して漢方薬を合わせます。
西洋医学の病院の場合は、ほぼ、どこに行っても治療方法は変わらないと言いましたが、漢方の場合は「体質をどう見るか?」「どの漢方薬を選ぶか?」はその先生の考え方で、かなり違ってきます。
漢方ではマニュアルがありません。
だから、お店によって治療方法が変わります。
選び出す漢方薬だけでなく、治療戦略もバラバラ。
うちみたいに2週間〜4週間で体質をチェックして、どんどん漢方薬を変えていきながら体質を調整するところもあるし、初めに選んだ漢方薬をずっと通すところもあります。
どっちがあってるとか間違っているというのはありません。
漢方は医学理論をおさえていれば治療の戦略は自由です。
(ちなみに医者は、この漢方の医学理論を知りませんので、理論は無視してマニュアルだけで処方しています。悪い意味でフリーな状態でやっています)
西洋医学の病院はホルモン剤で強制的に機能を変えて妊娠するように仕向けます。
漢方は基礎の体質を健康な状態に調整し良い状態を保ちつつ、授かるのを待ちます。
どっちも最後の「運」は必要ですが、治療の方向性が違うのですね。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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2013年11月15日 6:23 PM | カテゴリー:不妊治療と漢方について