漢方にたいする以外な誤解「体質は変わらない?」

西洋医学では生まれつきの体質は変わらない。
だから、漢方薬を飲んでも体質は変わらない。

これは、合っているような間違っているような・・・。

実際に体質は漢方薬で変わるのかどうかを考えるよりも、先に体質自体が何なのかを考える必要があります。

一般的に言われている体質には東洋医学的に考えると2種類あります。

1つは、一般的に考えられる体質です。
親から受け継いだ生まれつきの体質。

完全な健康体で生まれてくることはありません。
かならず親や家系に身体のクセがあります。

そのクセが体質ですね。
アレルギー体質、高血圧になりやすい体質、胃の弱い体質、肝臓の弱い体質など。

これは持って生まれたもの。
持って生まれたものだから、治らない?

そんなことはないです。
確かに親から受け継いだ体質は存在すると思います。

でも、僕の考えでは、35歳位からなんとなく、親と同じ体質なのかなと思いはじめ、40歳位から、親とよく似た症状などがやや出始め、60歳位で具体的に症状や病気が発現するといった感じ。

しかし、これは、健康に気を使わずにやりたい放題のまま生活した場合です。
35歳あたりから健康に気を使えば、親と似たような体質だなと思いつつも60歳になっても、病気になることはないと思います。

この親や家系から受け継ぐ体質は、変わりません。
でも気をつければ、その体質に関連する病気にもなりません。

これは、西洋医学でも言ってる「体質」です。

もう一つは、常に変化している体質。
東洋医学が考える「体質」です。

これは、生活環境の中で常に変わっています。

簡単にいえば、季節でも変わっている体質です。

春の気候に合わせた体質。
夏の気候に合わせた体質。
秋の気候に合わせた体質。
冬の気候に合わせた体質。

夏の体質と冬の体質は全然違いますよね。
夏に汗ダラダラかいてた人が冬でもダラダラ汗をかいてることなんてありません。
例えば同じような温かいところにいたとしても汗のかき方が違うのですね。

この体質は病気になる体質でもあります。

アレルギーをもっている体質の人が、甘いものをバカバカと食べていれば、アトピーやニキビに悩まされることになります。

でも、同じようにアレルギーをもっている体質の人が食生活に気をつけていれば、アトピーになりません。

また、アトピーになっちゃった人でも、甘いものをやめて、元の体質に戻す調整をしてくれる漢方薬を飲めば元の体質には戻ります。

漢方薬は体質を変えるのではなく、元のアトピーも何もなかった健康なバランスのとれた状態に戻してくれるのですね。

そこから、更に体質の弱点を補うような調整をしてくれる漢方薬を飲み続ければ、やがて、漢方薬をやめても、何も悪い状態にならない体質になります。

ただし、体質から変わるためには2つの条件があります。

この体質をつくっているのは、環境です。
季節、食生活、住んでる環境、仕事環境、ストレス環境。

現時点の環境に適応しようとした結果が現在の体質。

漢方薬は中から正しい体内環境に調整してくれますが、元々の原因はご自身の生活環境の中にあります。

不妊症なら添加物の多い簡単で便利なものばかりを食べて運動していなかったり、アトピーやニキビなら甘いものばかりを食べていたり。

そういった環境自体も変えていかないと体質は変わりません。

漢方薬の体内環境をつくりかえる力と外部環境を変える養生。

この2つの条件が揃って体質が変わります。

なので、漢方治療では、2つのことをしていかなければいけません。

1つはその人独自の正しい体質判断をしてその体内環境にあわせた漢方薬を選ぶこと。
病院の体質を判断しないで病名で選ぶ漢方薬が効かないのはこういった理由からです。

もう一つは、体質に合わせた生活方法を指導すること。
この生活方法は、一般論的に健康に良いとされることをアドバイスすることではありません。

その人の体質にあわせた、その人独自の生活方法をアドバイスするのです。

例えば、女性で足が冷えるけど、身体の上部は熱いという上熱下寒という体質の人には、一般論的に「緑黄色野菜をたくさん食べましょう」なんて標語みたいなこと言うのではなく「余分な熱をとり、夏に最適なピーマンやセロリを意識して摂ってください」とアドバイスするのですね。

ちなみに最初の親や家系から受け継いだ体質ですが、変わりませんとお話しましたが、自分の体質がわかれば、変えていくことができます。

体質の弱点を分析し、その弱点を克服するような養生を行い、時には漢方薬を飲んだりすれば、少しずつですが、変えていくことはできますよ。

●不妊症、二人目不妊症など、漢方相談ご希望の方は、こちらのまごころ漢方の「無料漢方相談」から送信してください。

●お問い合わせなどは、こちらから送信してください。

【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

FaceBook:まごころ漢方薬店

Twitter:henjaku