ホルモン剤が効かなかった人のほうが幸せかも・・・
不妊治療は「治療」という名前がついているので、病気の治療みたいなイメージがあります。
「なんらかの原因があって、それを病院で治療すると晴れて赤ちゃんを授かることができる」
というような感じですが、ほとんどの人の不妊の原因が治療をしようとしている当の病院もわかっていないので、
厳密には治療とはいえません。
今の病院の不妊治療は、どの病院でも原因不明のものを常に手探りで治療しているというのが現状だと思います。
不妊治療という呼び方なので、その治療で使うホルモン剤は、何か病気を治してくれる薬のようなイメージがありますが、
ホルモン剤自体は、通常の病気を治す薬とは、全く位置づけが違うものです。
薬で治すとなるとホルモン剤を飲んでいるうちに基礎体温が整っていき、
やがて、きれいな基礎体温になるように思いますが、
ホルモン剤は治療薬ではなく、ホルモンに似たものを補充して、
その役割に応じた形をつくりだすだけなのです。
どういうことかというと、例えば、排卵誘発剤は、排卵を促す成分で刺激して、
卵包を大きくしますが、卵子自体を健康に育てているわけではないのです。
だから、中には卵包が大きくはなりますが、排卵はしないということも起こるようです。
プラノバールやルトラールなども同じようにホルモンを物理的に補充すれば、
そのホルモンの強制的な働きに従って高温期に移行したり、高温期の期間が延びたりしますが、
これって治っていってそうなってるんじゃなく、外部のホルモンの強い刺激によって、
一時的に、そういう形になってるだけです。
漢方は自然の流れに逆らわない治療なので、
その人を取り巻く環境自体も気にしておかないといけません。
例えば手足の冷えの状態を知りたいなら、その人の周りの環境も同時に知る必要があります。
冬に足が冷えている人も、夏は、周囲が暑くて冷えないかもしれない。
逆に働きながら不妊治療している人は、休日は自宅にいると足は冷えないが、
仕事場のクーラーで冷えていることがあります。
この場合は、夏は冷えないのではなく、ほとんどは冷えていることになります。
自然環境だけでなく、飲んでいるものも身体に影響しています。
当然、ホルモン剤は、今まで自然になかったようなリズムをつくりだすので、
何のホルモン剤を飲んでいるかは、漢方治療で絶対に知らないといけないことなのですね。
そうやって、うちで自然治療をしながら、併用している病院の治療をみてきて、
ホルモン剤の本当の働きみたいなことが見えてきたのです。
不妊症の人が誰しも、体内ホルモンが極端に不足して、
基礎体温の形が悪くなったり、排卵しずらくなっているわけではありません。
若い頃から、3ヶ月に1度しか月経がなければ、
ホルモンが足りていないのかもって考えたりしますが、不妊症の大半の人は、それなりに月経周期も期間もある人です。
それらの人も全部、ひっくるめて、病院では、物理的にホルモンが足りていない設定で治療されます。
そもそも、うちで自然妊娠している人の中には、
排卵日が11日だった人や月経周期が33日の人など、個人差がありました。
基礎体温の形だって、妊娠した人でもそれほどキレイな形でなかった人も結構いました。
なので、基礎体温やホルモン値を整えることだけをやってる病院の物理的補充だけの治療ってどうなの?って疑問に思います。
要するに、ホルモン剤は、強制的に卵包を大きくしたり、高温期に押し上げたり、
高温期を延ばしたりしますが、それって外部から強制的に変えているのです。
だから、ホルモン剤を飲んで「高温期が延びましたね」って言われても「当たり前ですね。
ホルモン剤飲みましたら」って話。
確かに基礎体温やホルモン値を強制的に妊娠しやすい形にすれば、妊娠の確率は上がると思います。
言葉は悪いですが、ホルモン剤で身体をだまして妊娠しやすい錯覚を起こさせたからって、
流産しないで、元気な赤ちゃんを出産できるの?ってことです。
元々、妊娠しずらいのは、人工ホルモンが物理的に足りていないからではないのです。
体調、体質のアンバランスがあったから、それが不妊につながっているのです。
無理なダイエットした後に月経が止まったりすること聞いた事があると思います。
体質のバランスが崩れた結果、月経が止まったのです。
ホルモン剤を飲んでなかったから、ホルモン剤が物理的に足りなくなったわけではありません。
なので、うちではホルモン剤を飲んで、初回で副作用が出たりして、合わなかったほうがよかったんですよって話をします。
身体はちゃんと人工的で強制的なものに対して抵抗してくれたんですから。
大変なのは、人工ホルモンに耐えられた人。
徐々に身体のバランスが崩れていってても、気づきにくいのですね。
気づいた時には、病院に行く前よりも悪くなっていることもあります。
ホルモン剤は、強制的な刺激で妊娠しやすいきっかけはつくってくれるかもしれませんが、
流産せずに受精卵を赤ちゃんにスクスクと育ててくれる身体をつくってくれるわけではありません。
ここんとこは重要です。
結局、1つの受精卵が健康な赤ちゃんになるのは、お母さんになる人の健康にかかっているのですね。
病院の治療も不妊治療の1つの方法だと思いますが、病院の治療とは、
役割とは、どういうものかを冷静に理解して治療に望まれるのがよいかと思います
ちなみに僕は超自然療法派ではありません。うちでは結構、病院の治療と併用している人が多いです。
ただ、病院の治療の役割を誤解している人が多いなと思って・・・。
うまく病院を利用されるといいと思います。
2013年5月17日 7:37 PM | カテゴリー:病院の不妊治療について