不妊治療の病院に長く通っていても、なかなか妊娠しない人はいます。
何度、妊娠しても流産する人がいます。
次こそはと何度もチャレンジし、時には治療の病院を何度も変えて再チャレンジすることもあるかと思いますが、ちょっとここで立ちどまって考えてみましょう。
「不妊治療」を何か「病気」を治すかのように言われていますが、ほとんどの人にとって治療ではありません。
なぜなら、赤ちゃんができない病気ではないからです。
「精子がつくれない」
「両方の卵管が詰まっている」
「ミカン大の筋腫がある」
など、はっきりとした原因がある人は、これらの病気自体の治療になりますが、その治療は不妊症を治す治療ではなく不妊症につながっているかもしれない病気の治療です。
誤解してはいけないのは病気が治ったからといって、即妊娠ではないのです。
要は不妊症は病気の治療ではない。
別物と考えなくてはいけません。
次に何度も流産する方がいらっしゃいます。
何度も流産していると習慣性流産とか病名みたいな、なんとか流産でよばれます。
でもこれって本当に病気なのでしょうか?
病院の不妊治療はホルモン治療が中心です。
このホルモン治療は妊娠のキッカケをつくるものです。
体調を整えたり、体を元気にするものではありません。
ただ単に妊娠のきっかけをつくるだけ。
ホルモンは体に対しての命令書みたいなものです。
「卵包を大きくせよ」「子宮内膜を厚くせよ」という命令書。
体はホルモンの命令を受けて、そうなるようにがんばります。
でも卵包を育てるとか、内膜を厚くするって命令書さえあればうまくいくのでしょうか?
きっと卵胞を育てたり、子宮内膜を厚くするのも血の巡りや血の質。
栄養状態や代謝、根本的なその人の元気さが関わっていることでしょう。
だって、人間は機械じゃないから。
命令されたら、言われた通りにやると思いますが、体全体のバランスがついてきているかは別問題。
ただの空回りだってあるわけです。
血が少なければ内膜を厚くするモトになるものがないですね。
冷えていれば血の流れが悪くなり各臓器の力も弱くなるでしょう。
そしたら更に状況は悪くなると思います。
病院の治療はあくまで命令書で妊娠のきっかけをつくろうとするだけです。
いくらホルモンで命令されたって疲れて、できない時はできないのです。
そして、このホルモンの命令で強制的に妊娠のきっかけをつくるという考え方は残念ながら、どこの病院に行っても変わりません。
前の不妊治療の病院で妊娠しなかったから、違う病院に変えて、また妊娠しなかったから違う病院に変えて。
流産の場合も同じですね。
病院の不妊治療で妊娠したけど流産して、また病院の不妊治療で妊娠したけど流産して。
病院を変えても実は本質的には失敗した考え方の治療をただ繰りかえしているだけなんですね。
何度もチャレンジする行動力は良いことだと思うのですが、何かの問題を解決するのに同じことばっかりしてもうまくいきません。
おまけに病院の治療は長く積み重ねればだんだん良くなっていくものではないです。
その時、その時にうまくいくかどうか。
それどころか、体に対して強制的命令を繰りかえしているわけですから、体にとったらだんだんとアンバランスな負担が溜まっていきます。
血が少ないのに子宮内膜を厚くしろ!厚くしろ!と強制されるわけです。
元の体質の血は増えていないのに。
病院の治療なら半年位もすれば、ある程度、その治療に関しては結果が出てるんじゃないかと思います。
西洋医学の病院から西洋医学の病院に治療を変更するのは、高度治療のステップアップでなければ、同じ失敗を繰り返しているかもしれませんよ。
漢方が最もいい治療だとは言いませんが、病院の治療で失敗したなら、西洋医学から西洋医学に変えないで何か違う方向から問題を考えたほうがいいのかもしれません。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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Twitter:henjaku
2014年1月29日 7:01 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について
漢方薬をどれくらい飲めば妊娠するのでしょう?
3ヶ月?
6ヶ月?
残念ながら一般的に言われている「漢方薬が3ヶ月〜6ヶ月くらいでだんだんと効いてくる」というのは全くのデタラメです。
「でも、やっぱり、めちゃくちゃ時間がかかるんでしょ?」
う〜ん、それは、かかるとも言えるし、かからないとも言えます。
人それぞれ。おしまい。
って、これじゃあ、一般論すぎてブログを読む意味がない!
なぜ人それぞれなのかを医学理論的に説明しましょう。
当たり前の話しですが病院の不妊治療と漢方の不妊治療は全くの別物です。
不妊治療の病院で、なおかつ漢方薬を処方しているところは、大半が漢方のことをあまり知らずに、ただマニュアルにしたがって処方してるところが多いので、漢方薬を病院の治療の補助みたいに考えていますが、あれも大間違い。
そもそも、両者は治療の目的が違います。
西洋医学は年齢や体質やその人の状況に合わせて治療しません。
使うお薬は全員一緒です。
どんな状況の不妊症の人だろうが排卵誘発やホルモン注射は全部一緒。
効果の強い。弱い。の違いはありますが、基本、全員に同じ治療を行います。
漢方は違います。
そもそも西洋医学のホルモン剤のようにホルモンを操作することが漢方の治療目的ではありません。
逆に直接的にホルモンを高めたり、排卵を誘発したり、内膜を厚くする効果なんて漢方薬にはありません。
漢方の治療目的は、その人の体質を整えて、月経リズムを健康で正常な状態に整えることです。
体質は人それぞれ。ほんとうに人それぞれです。
みんなバラバラなんでその人の体質に合わせて調整するのが漢方薬の目的です。
体質を調整するというのは漢方薬を使って健康な頃の身体に戻していくことです。
現在の年齢。体質。現在の状況。
不妊症で悩んでいる人はみんな同じ年齢、同じ体質、同じ状況なわけがありません。
全員、バラバラ。
健康で正常な月経リズムに戻す方法はみんなバラバラなんです。
漢方は体質に合わせて選ぶというのはこういうことですね。
極端に言えば漢方では不妊症であるかどうかなんて、関係ないです。
「最高に良い月経リズムをもっていて不快な症状のない健康な体質かどうか?」
漢方治療でみていくのはココです。
例えば、うちの実例でいくと41歳で体外受精を何度も失敗。
病院にもサジを投げられた人が漢方薬のみにして1ヶ月半で妊娠しました。
逆に32歳で病院の不妊知慮の経験はほとんどなく、特に悪いところが見当たらなかった人が妊娠までに2年かかりました。
こんな感じで期間なんてバラバラなんです。
顔や体型が違うのと一緒。
みんなそれぞれ、自分の持っている自然治癒力があるのです。
ただ、誰も期間がわからないのか?
そんなことはないですよ。
漢方治療を始める際にどこから始まっているかが期間を知るヒントになります。
例えば、現在、月経周期すら一定でないのか?
月経周期は一定の感覚でくるけど、低温のままなのか?
月経周期も月経期間も普通だけど排卵反応がない状態なのか?
その人の現在の体質の状態がドコにあるのかで期間がわかります。
漢方は健康方向に調整していくものなので順番に整っていきます。
月経周期が一定周期になって基礎体温は2層にわかれ、排卵反応もキレイにでる。
ステップアップで徐々に整っていきます。
だから、どれくらいの期間がかかるかは、自分の状態がどこから始まるのか?にかかっています。
それと忘れてはいけないのは、不妊症は病気ではないということ。
人間の身体の持っている全てを使って赤ちゃんを育てるのです。
漢方薬で体質を変えていくことはできますが日々の食事や運動をどれだけ整えるかも治療期間にふかーーく関わっています。
だってそもそも体質をつくってるのって日々の食事や身体の動かし方ですから。
それにまだありますよ。
それはパートナーの方の健康状態や精力。
妊娠は1人ではできません。
奥さんが100%健康でもご主人が健康で元気な状態でなければ、うまくいきません。
これ男性はよく誤解しますが、病気でないからOK!ではないですよ。
ポイントは健康で元気に溢れているかどうかです。
妊娠はそんな甘いものじゃないですから、病気じゃなかったらOK!なわけないですよ。
大プロジェクトです。
そんな感じで漢方の治療期間は、まず自分の体質の状態の位置ですね。
そして日々の養生をどれだけ実践できるか。最後にパートーナーも同じように協力できるか。
この3つの要素で決まりますよ。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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2014年1月24日 6:47 PM |
カテゴリー:不妊治療と漢方について
体外受精のような高度治療をしているのであれば、「わざわざ別で漢方の治療なんかしなくてもいいんじゃないか」と思われる人もいます。
でも、この考えはちょっと違います。
大半の病院は漢方の治療目的を勘違いしていることが多く、病院の漢方薬の場合「ホルモン剤の補助」や「子宮内膜を厚くする」と説明していたりします。
でも漢方はこんな目的で処方はしません。
というか、そんな効果は漢方薬にありません。
こんな間違った方法が一般的になっちゃってるので、高度治療しているんなら、特に意識して漢方薬は飲まなくてもいいかなと考えてしまうかもしれません。
あっこれ、別に僕が漢方をやってるからって「漢方治療はいいですよー!」って宣伝じゃないですよ。
一般的に漢方って誤解されている部分が多いのでそれを冷静に捉えてもらえたらと思ったものですから。
むしろ、高度治療をしなくてはいけない状況であれば、漢方治療は必須と言ってもいいのではないかと思います。
「また、また〜そんなこと言っちゃっていいの?」
いいんです!それをこれから説明してみたいと思います。
体外受精のステップは、まずは採卵に向かって排卵誘発剤や注射やらで排卵を促します。
そして採卵ですが、ここで1つ、自然から考えると奇妙なことが起こります。
採卵日は自分の通常の排卵予定日よりも早くにすることが多いのですね。
なぜか?
なぜなら、体外受精は自然妊娠が目的じゃないから。
すみません。これじゃわからないですね。
人工的に採卵しないといけないので、採卵日よりも前に勝手に排卵しちゃったら困るからです。
自然周期で「大体、丁度に」なんてやってたら、勝手に排卵しちゃって、ほぼ採卵のスケジュールに合いません。
つまり、予約とか病院が開いている日とか、妊娠とは何の関係もない「事務的」なことが治療に横入りしてくるわけです。
この当たりから自然のリズムとは違ってきます。
そして、内膜がある程度充実していれば、移植日です。
受精卵を外から戻すので、これも自然なタイミングではなく、検査上の良い日を選んで戻します。
簡単に言えば、こういうステップで体外受精が行われます。
自然のままでは妊娠が難しい人が、ホルモン剤の強制的な力でコントロールして、自然のリズムではなく人工治療のタイミングで「採卵→受精→移植」を行うのですね。
さて、体外受精に臨む人は大概、それまでにホルモン剤などでさんざん、治療をしてきた人だと思います。
なかなか、初回から体外受精でいきます!って人はいないでしょう。
つまり、ホルモン剤で散々、治療してきたけど、妊娠しなかった人が体外受精に臨むのです。
普通で考えればホルモン剤の種類を増やしたりキツイものに変えたところで、綺麗に排卵したり、内膜が厚く充実したりしないと思います。
だって、それだったら、体外受精をするまでのホルモン治療で妊娠しているはずですから。
大抵の人の過去の治療経験から得られたことは「ホルモン剤は理屈通りに自分の身体には効かなかった」という結果です。
だから卵をとったり、受精させたり、受精卵を戻すことはできても、肝心の育てる部分。
自分の身体はなんら変わっていないのです。
そもそも排卵のためのホルモンバランスや子宮内膜を厚くするのはホルモンさえ身体に入ればいいというものではありません。
ホルモンバランスはストレスなどとも関わっているし、子宮内膜を厚くするのも身体の温かさや血の量、血の巡りなども関わっているのです。
病院でやっているのは、最終的なホルモンによる刺激の部分だけです。
その刺激にも自分の体が反応するのかどうかもわかりません。
つまり、その人の根本的な体調は、体外受精を何回やったって何も変わらないのです。
身体が悪かったら悪いまま。
そこで漢方の登場です。
漢方治療の目的は子宮内膜を厚くするとか高温期に上げるとか、そんな部分的な働きではありません。
一人一人の体質に合わせて漢方薬を選び、その人の最も良い状態にもっていってあげるのです。
血が少なければ血を増やし、冷えていれば温める。
血が巡っていなければ血を巡らせ、ストレスなどでホルモンバランスが乱れていれば気を整えます。
人によって状態が変わりますが、漢方は何百種類とあるので、それぞれの人のそれぞれの状態に合わせられます。
体質は人それぞれ、違うので、登る道は違いますが、頂上は皆同じところを目指します。
冷えがなく、子宮内膜がホルモン剤なしで充実し、ストレスを感じていない状態。
不快に思うような症状が一切ない状態を目指します。
そしてこの健康な状態は、当たり前ですが自然な排卵や自然な高温期などを生みだしていきます。
体外受精は妊娠のきっかけを与えてくれる技術ですが、受精卵をちゃんと着床させてじっくりと育てていく治療ではありません。
漢方は漢方の役割があり、体外受精には体外受精の役割があるのです。
役割はそれぞれ別なので、併用する意味があります。
むしろ、着床以降の受精卵を育てていく段階になると病院の治療手段は何もありません。
出産できるかどうかの後10ヶ月は自分の身体の問題です。
そんな時に冷えて、疲れがある人が受精卵を育てていけるのでしょうか?
それは無理だと思います。
「自分の体調は快調だ!」と思われない方は、ちょっと一休みして体質を整えるのも妊娠を成功させる1つの方法かもしれません。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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2014年1月22日 6:02 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について
うちでは不妊症の漢方治療をやっていますが妊娠した後も「はい、終わり!」じゃなく、その後のケアもさせてもらっています。
不妊治療をしていると、どうしてもゴールが妊娠のようなイメージになりがちです。
なぜなら西洋医学の不妊専門の病院だと妊娠の陽性反応が出たらゴーーール!!だからです。
その後、即流産しても不妊専門の病院には関係のないこと。
不妊専門の病院は健康な赤ちゃんを生むための安全な出産が目的ではなく「妊娠陽性反応」が目的です。
でも不妊治療の本当の目的は妊娠陽性反応ではなく「出産」なんですね。
漢方の不妊治療は西洋医学のように強制的にホルモンを操作することではありません。
授かりやすい体質をつくりだすのです。
だからうちでは出産まで、お付き合いさせてもらっています。
妊婦になってからもいろいろな困難が待ち受けています。
つわりが初めにあらわれる代表的な症状だと思われがちですが、実はそれよりも早くに現れる症状があります。
それは便秘。
身体は赤ちゃんを育てるため血をとどめ溜めていくのです。
この身体の方向性は子宮内だけにとどまりません。
当たり前ですが子宮にとどめる血は全身の血を使っているのです。
西洋医学的な感覚になっていると忘れてしまいがちですが身体は全部つながっているのですね。
この留めていこうとする身体の方向性は身体全体の方向性なので体質によっては便秘につながっていくのですね。
先日、うちで妊娠した妊婦さんから「便秘が強くなってきたので病院に相談したら薬を出されたけど、飲んでいいものですか?」と質問がありました。
うちではよく病院で出された薬を飲んでいいのかどうかの質問があります。
僕は、病院のお薬の指示をすることはできませんが、最近の病院はマニュアル処方が板についていて、あまり相手の状態を考えずにマニュアルをみて机上の理論だけで考えて出している感じなので「僕ならこうします」と参考のお話をさせてもらっています。
そして今回の便秘の薬のことを聞いてみると、どうも生薬系っぽい。
詳しいことが知りたいので内容を送ってくださいとお願いしました。
そしたらやっぱり生薬系。
そしてその内容にビックリ!!
中の生薬はセンナ、ダイオウ、オウレンと酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム。
漢方的にはオウレン以外は妊婦さんに禁忌。
つまり妊娠中は使っちゃいけないものです。
ダイオウは時期によって使えますが、それでもかなり慎重に考えて出すかどうかを考えるものだし、できれば使わないに越した事ないものです。
後、センナと酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムは最悪です。
まず3つに共通する働きは子宮の収縮。
つまり子宮を縮めて何かを押し出すのです。
硫酸マグネシウムに関しては生薬の名前では芒硝というのですが、これは昔は肢胎の娩出に使われていました。
要するに流産した人で死んだ赤ちゃんがお腹に残ってしまったのを昔は、この薬を使ってかき出していたのですね。
センナは持っている性質が瀉下と大寒。
瀉下とは簡単に言えば押し出すということです。
便などを押し出す。大寒はとてもお腹を冷やす性質をもっているということ。
僕はこの薬を処方した医者と直接話したわけではないので、なんで堕胎的な処方を出したのか理解に苦しみますが、医者は、そもそも、漢方の医学理論は全く知らないので、マニュアルだけみて出しているのでしょう。
そして便秘は「便や腸の問題だけ」と身体とは切り離して考えているのでしょう。
人間の生身の身体を部品単位でしか考えられない西洋医学の典型的な特徴ですね。
この方は過去に流産の経験があります。
通常の妊娠よりもより深く、処方を選んでいかないといけない体質なのです。
「体質なんて、くそっくらえ!マニュアルに書いてあるじゃん」的な狭い考え方が、なんとも西洋医学らしいですね。
ということで中の成分はどんなものかを詳しく説明させていただき「できるだけ自然に便が出るようにできることをまずはやってみた方がいいんじゃないですか」とお話しました。
ただし、どうしても便秘がキツイ場合は、大黄にその瀉下の力を調整する生薬を混ぜた処方にすれば妊婦さんでも安全に使えます。
漢方薬の良いところはココですね。
なにかしらいろいろな体質にあわせてくれるところ。
いつでもそれを調整しながらお渡しできますので。とお話しました。
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2014年1月15日 6:45 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について
漢方は西洋医学の治療とは考え方が全く違います。
大半の病院は漢方治療の考え方自体を勘違いして西洋医学の治療の考え方のままで漢方薬を処方しています。
要は漢方治療ではなく漢方薬という薬を見よう見マネで「販売しているだけ」ですね。
でもこれでは漢方薬の効果は1mmも発揮できません。
当たり前ですよね。ツムラさんとかからのマニュアルに書いてある通りに漢方薬を出して治ってるなら、そもそも漢方治療の方が当たり前なスタンダードな治療になってるはずですから。
漢方治療で最も大事なことがあります。
それはとにかく続けること。
休まないこと。
これが西洋医学と決定的に違うところ。
西洋医学のお薬は対症療法とよばれるもので、いわば、その場をしのぐもの。
医者が「ある症状が出ないようにするためには1週間は飲み続けたほうがいいですよ。飲まないと再発します」とか言ってたりしますが、薬の設計上や医学理論的に一定時間しか効かないエビデンスしかないので、科学的、理論的には、病院の薬は飲み続けても治りません。
エラいお医者さん、なぜ効果時間の決まっている対症療法の薬を飲み続けたら再発しない体質になるのかメカニズムを教えてください。(そんなメカニズムはないことを西洋医学的に確認していますが)
話しがちょっとそれましたが、漢方薬は西洋薬と違って続けないとダメなのです。
ただし漢方薬は急性病に対応したり、慢性病に対応したりするので、急性病の場合なんかは続ける必要なんかないです。
慢性的な病的な体質を変えていく場合は続ける必要があります。
ここが西洋薬と決定的に違う部分なんですね。
漢方の場合は西洋薬と違って、なんちゃら成分が、どっかの細胞とかに効いて治すわけではないです。
それは西洋医学の理屈。
漢方は東洋医学の理屈で動いています。
漢方薬は食べ物に近い薬用植物などを続けることによって、身体の中を少しずつ整えていくのです。
簡単に説明すれば甘いものを毎日、毎日食べ続ければアトピーになったり、胃がおかしくなったりしますね。
身体がおかしくなるというのは、身体の中が変化したということです。
甘い食べ物で身体が変化したのです。
そしてこの甘いものを身体が悪くなっても、しつこく、しつこく続けてみます。
それから甘いものをやめます。
やめた次の日から身体は元にもどるでしょうか?
もし湿疹がひどくなってたら、やめた次の日から良くなってると思います?
良くなりません。
甘いものやめたら、ちょっとは湿疹が減るかもしれませんが、ある程度、身体が悪くなったら元に戻らないのです。
漢方薬はこの逆。
身体のバランスを調整するものを続けて、続けて、続けることによって良い変化を起こします。
そして、漢方薬をやめる。
さっきの反対でやめても悪かった状態には戻らないのですね。
だから続けないといけないのです。
飲んだら薬が効いて良くなって、薬の成分がなくなったら元の病気状態に戻って再発して、また飲んだら薬が効いて良くなって、薬の成分がなくなったら元の病気状態に戻って・・・を繰り返す西洋薬と違うところですね。
「そっかじゃあ、続ければいいのですね。わかりました」
「はい、そうですね。続けてください」
これで忘れずに飲み続けることができるでしょうか?
答えはできません。
理屈でわかっていもできないのが人間です。
「わかっちゃいるけどやめられない」→「わかっちゃいるけどできない」ですね。
だって漢方相談していて、漢方大好きな僕でも飲むの忘れますもん。
だったら、どうすれば続けられるのか?
それは患者さんと先生が一緒に漢方治療というものに取り組んでいくことがポイントです。
漢方でいきなり治るということはないです。
だから、どうしても飲むテンションが下がっちゃうこともあるのです。
でも何かが変わっていることを感じられたら。
実際の症状だったり、どういう風に進んでいるかがわかれば。飲むテンションも上がります。
だからうちでは、定期的に細かく症状を聞いて、どんな風に治っていくことを目的としているか、どんな風に変わったら良いのか、又は悪いのかを毎回、説明しています。
で、お互いに「楽しく」というと語弊があるかもしれませんが「次はどうやっていこう」と話し合います。
なので「とりあえず続けてください」だけ言って終わりなんて漢方治療ではありません!
なんかよくわからずに漢方薬を飲んでいて悩んでいる人は、処方してもらった先生に現在の体質はどんな状態で、それを今後その漢方薬でどうしていくのか、ワクワクしながら先生と一緒に話し合ってあってみてください。(医者は体質を分析できないので無理ですが)
漢方薬は断じて、ただ漠然と続けないといけないものではないですから。
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まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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2014年1月8日 6:37 PM |
カテゴリー:漢方の事あれこれ