病院の不妊治療はマニュアル治療?

病院の不妊治療では、よく「?」なことがおこります。

例えば、精子の運動率が悪い結果が出ているのに、
そのまま人工授精にトライしたり、クロミッドを飲み始めてから、
明らかに子宮内膜が薄くなっているのに、また排卵誘発のためにクロミッドを処方する。

後、今回の話には 直接、関係ないですが、プロラクチン値が高いからといって処方された薬を飲み始めた後、
その数値が下がったどうかを検査せずにダラダラと薬を処方しているのも「?」な感じです。
どこでやめるかを調べなくてもいいの?

医学知識のない人でも
「現在、ダメな状況なのに、またダメになるかもしれない治療やってどうなるの?やっちゃダメなんじゃないの?」
って思いますよね。

これには西洋医学の問題があります。

1つは西洋医学のもっている根本的な性質。

西洋医学は、一人一人の体質にあわせた治療はしません。
年齢、体質、取り巻く環境、過去の病気など関係なく、
現時点で「不妊症」の条件にあてはまれば、一定の決まった治療をします。

不妊症の条件が、あなたの体質を現していません。
あなたの一部が不妊症にあてはまるというだけです。

それで、不妊症というグループにあてはまれば、
不妊症の人に対する治療というものがマニュアル的に決まっているので、
ある種、平等にみんなに同じ治療をします。

年齢や今までの病院での不妊治療の経験によって、始まるステージは変わりますが、
一連の治療の流れは全国共通で誰に対しても同じ治療です。

① タイミングのアドバイス(厳密には治療とは呼べないですね)
② クロミッドの服用
③ クロミッド+HCGの注射
④ 「③」に+ルトラールや黄体系ホルモンの注射
⑤ 時期は異なるが、大体半年から1年ないし高齢であればAIH(人工授精)のステップアップをすすめる。
⑥ AIH(人工授精)を6回以上、失敗する頃からIVF(体外受精)をすすめる。

使用するホルモン剤は、メーカーさんによって、
若干、名前は変わりますが、効果は同じものを使います。

西洋医学は、同じような条件の人に同じ治療をして、
安全で効果のある薬で治療していくという前提があります。

その人の体質や状況によって薬や治療方法自体を変えていくことはありません。

逆に言えば、一連のマニュアルに当てはまらずに効果がない場合は、
実は「打つ手なし!」ってことです。

だから、冒頭で書いたような、クロミッドで子宮内膜が薄くなってて医者自身もよくないことを分かっていても、
それしか手がないので、同じことを繰りかえします。

簡単に言えば、高度技術以外では、排卵誘発剤、エストロゲン系ホルモン剤、黄体系ホルモン剤、エストロゲンと黄体が混ざったホルモン剤で妊娠できなかったら、それ以上は特に手はありません。

また、最近の病院は、よりマニュアル的でなおかつルーティンワークになっていて、同じ作業を単純に続けていく傾向があります。

これは不妊治療に限らず、病院全体の治療に言えると思っています。

そういった方法が、身体の状態が悪くても、同じ治療を続けるという、
誰でもできそうな単純作業的な治療につながっているように思います。

治療は、理屈が通用しません。
もちろん理屈を参考にするべきですが、
一人一人の抱えている問題が違うのです。

それを「不妊症」とか「●●病」とかの一定の条件みたしたからといって、
そのグループにあてはめても、現実は、みんな複雑な状態になっているので、
よくなる人とダメな人に別れてしまうのですね。

それが、病院の不妊治療の成功確率30%。
70%が失敗する治療になります。