出生前診断と病院の不妊治療の問題

出生前診断が始まりました。

出生前診断とは、出産前の妊娠期に検査をして、
赤ちゃんがダウン症などかどうかを調べる検査です。

妊娠10週から検査ができて2週間ほどで結果が出ます。

ネットでは、命の選別じゃないかとか倫理的なことで論争になっています。

僕は、どっちがどうかはわかりません。
それは、その方の考え方だと思うので、
ご夫婦でその事も含めて話し合われるのがいいかと思います。

で、僕は倫理的な問題よりも、
もっと広く知ってもらわないといえkないことがあるんじゃないかと思ったことを書きます。

ダウン症や発達障害は、遺伝的な問題も絡んでいるので、
一般的には突然変異的に捉えられることが多いかなと思います。

もちろん、それもあると思います。

でも、高齢の妊娠になるほど、ダウン症の確率って、だんだんと上がっていくのです。
じゃあ、これって突然変異だけではなさそうですね。

実はこれには、卵子と精子の老化が、深く関わっています。

卵子と精子の役割は、受胎し、なおかつ、1つの受精卵から3兆個の細胞まで成長することです。
妊娠すること、陽性反応が出る事も大事ですが、
それよりも、たった1個の細胞が3兆個までミスなく正常に成長してくかが重要です。

卵子も精子も僕たちの身体の一部、同じ生命体です。
僕たちが老化すると疲れやすかったり、病気になりやすかったりするように、
卵子や精子だって、元気一杯ではなくなります。

そりゃそうですね。
「身体はめっちゃ疲れてるけど、卵子や精子は元気なんです」
ってことなんてあるわけないです。

卵子や精子なんて、ちっちゃな、ちっちゃな命なので、
自分が疲れを感じてるなら、もっと疲れてると思いませんか?

ちょっとハズれてしまいましたが、何が言いたいかって言うと、
命の選別がどうたらこうたらよりも「健康な赤ちゃんを生むためには健康じゃないといけないよ!」
って事を先に言わないといけないのではないかと思います。

現在、病院が行っている不妊治療は「身体を健康にする要素」は一切ありません。

◎タイミングのアドバイスは、ただ排卵をみて、タイミングのことをアドバイスしてるだけ。

◎クロミッドやHCGやルトラールなどは、妊娠するための刺激ボタンを押してるだけ。
その方の自然のリズムは無視して外側から無理矢理刺激するのです。

◎AIH(人工授精)やIVF(体外受精)に関しては言うまでもなく、
人工的に妊娠させるための科学技術です。
お母さんになる方の身体をよくする要素はゼロですね。

現在の病院の治療では、なに1つ精子、卵子、赤ちゃんを育てていく母体を健康にすることは何もありません。

ちなみに病院の不妊症って病名だけで女性に当帰芍薬散、男性に補中益気湯を出しているのは、
あれは漢方治療ではありません。漢方を知らない先生が、わけがわからずに漢方薬を出しているだけ。
だから、ラッキーで健康になれるかどうかになります。

誤解されるといけないので、言っておくと、僕は病院の治療否定派ではありません。
うちの患者さんでも病院の不妊治療と併用されている方はたくさんいます。

ただ、今の病院の不妊治療って、なんか「順番」がおかしい。

健康でない人の身体を無理矢理、ホルモン剤で刺激して、
冷えや頭痛、PMSなどは、そのままで妊娠の陽性反応だけを急ぐ。

これに新たに加わった、健康じゃなかったら、
その可能性が高くなるダウン症や発達障害の出生前検査。

まず、不妊治療は健康にすることからじゃないでしょうか?

病院は体調をよくするところや、その方の自然でベストな月経リズムになることから始めないと、
「治療」ではないような気がします。

これは、不妊治療をされている患者さん側にも言えることですが、
別に漢方でなくってもいいですが、健康に自信がないのであれば、
まずは「体調を整える」ことから始めることをおすすめします。

不健康な身体から超元気な卵子や精子がつくられるはずがありません。
ホルモン剤は、卵子や精子を元気にするものではなく、刺激して無理矢理、働かせるものです。
排卵や高温期へのきっかけづくりには役立ちますが、健康になんかしません。
場合によっては、より自分自身のリズムが乱れるだけ。

受精卵を大事に大事に成長させることと、刺激(ホルモン剤)や技術(AIH・IVF)によって、
妊娠のきっかけをつかむ(病院の治療)は別々に考え、
どちらも取り組むようにされたほうがよいかと思います。

でないと、妊娠で「陽性反応」が出ても、悲しい結果になる可能性もありますよ。