基礎体温からいろいろとわかる漢方的体質

僕のところでは、何カ所かの不妊治療の病院を経験されてから相談に来る方が多いです。

病院での治療を聞いていると、中には基礎体温は提出はさせられるが、
明らかにサッと目と通しているだけか、あるいは全く見ていないそうです。

うちは漢方専門ですが基礎体温はかならず見ます。
それもサッとじゃなく、じっくりと。

実は基礎体温って体質と合わせて見ていくといろいろなことが分かってきます。

西洋医学では、月経周期28日で、排卵日が14日目、低温期14日間、高温期14日間という理想の形があって、それを基準にどうなのか見て行きます。
(見てないかもしれませんが)

この見方は西洋医学なんで体質的に見ているわけではありません。
「理想的な形通りにいっているかどうか」を見ています。
良いか、悪いかの2択ですね。

ところが、僕がたくさんの不妊症相談をしてきた経験では理想の形の人の方がレアです。
(漢方治療で妊娠した方の最後の基礎体温表を参考にしています)

基礎体温も実は皆さん、それぞれの体質が出ています。

漢方薬局のサイトなどに「低温期が長いタイプの原因は黄体機能不全が考えられ・・・」など何パターンかに分けていることがありますが、血液型じゃないですが、はっきり言って、あんな共通のパターンなんかありませんし治療していたら、いろいろと形が変わってきます。

僕のところでは、判断した体質に対して、どんな基礎体温なのか?
つまり「このパターンなら、あなたはこういった原因」というのではなく、治療していきながら、本来のリズムを探していくといった感じですね。

だから、ほんとに人それぞれ違いますし、理想の形にならないと妊娠しないわけじゃない。

重要なのは「本来のあなたらしい基礎体温」

だから、普通と逆ですね。
「基礎体温の形がこうだから、これこれが原因です」
ではなく、
「原因や体質がこうだから、今の基礎体温はこうなってる」
「だから、体質がこう変化していくと基礎体温はこう変わってきます」
ってなります。

だって基礎体温は身体の中の「現在の状態」をそれなりに数値化しているだけなので。

うちでは、可能であれば過去3ヶ月以上の基礎体温を見せてもらいます。
また、ホルモン治療をされている方はホルモン治療をしていない自然な状態の時の基礎体温も見せてもらいます。

だって、ホルモン剤は基礎体温を時には無理矢理にねじ曲げてますから。
ホルモン剤ありなのか、ナシなのかを知っておかないと正しい判断はできません。

また、たくさんの方の基礎体温表をみてきて分かったのですが、低温期が長いとか、高温期に移行しないとかといった単純な形ではなく、細かく見ていくと、ある特定の時にピンッと上がったり、または下がった後に2日間同じだったりと、非常に個性的な形があったりするのですね。

その形が特に関係ない時もあるし、体質と並行してみていくと密接な関係があるのです。

それともう1つ重要なのは、うちで漢方治療していると、結構、早くから不快な症状なんかがなくなったりします。
表面上は、健康な感じになるのですね。

しかし、身体の深い部分ではアンバランスがあるはずです。

漢方は、主に自覚症状から体質を分析しますが、その症状がなくなってるので、今度は、基礎体温の微妙な形で体内のホルモンの状態を推測するのです。

それを1つの参考情報として、漢方薬をあわせていくこともあります。

とにかく標準的な人はあまりいないと言う事ですね。
標準的じゃないからといって悲観しないでください。
うちでは妊娠するひと月前の高温期が11日あるかないかの人なんて、めずらしくありません。

それよりも、あなた本来のあなただけの基礎体温を探しだすことが重要ですよ。