不妊治療 病院と漢方の違い(漢方編)

漢方薬は扱っているけど、漢方医学の事は知らない不妊治療の病院(実は大半の病院がこの状態)では、西洋医学の発想で、当帰芍薬散や温経湯を天然のホルモン剤的な位置づけで使います。

もちろん、これは大間違い。
漢方薬は、黄体ホルモンを活性化するとか、FSHの数値を下げるとか、そんな新薬みたいな1つの作用ではありませんので、こういった方法で処方をしている病院や漢方薬局は、漢方治療をしているとは言えません。

自分勝手に 「漢方風」 の治療をしているといった感じでしょうか。

病院の治療と漢方は考え方に大きな違いがあります。

病院が目指しているのは、妊娠です。
もちろん、漢方でも妊娠を目指していますが、病院は健康な赤ちゃんの出産ではなく、「妊娠」を目指しているのです。

つまり、妊娠したら、産婦人科に変わってもらって自分のところの不妊治療は終了です。
ところが、皆さん、ご存知のように妊娠は4ヶ月までは不安定で誰でも流産の危険性があるのです。

病院の不妊治療で8週目まで流産する人は普通にたくさんいらっしゃいます。

なぜ、そうなるか?

それは、「妊娠」だけを目指してるからです。
だから、本来のバランスを崩すかもしれないホルモン剤だってバンバン使います。

「妊娠できさえすれば」といったら言いすぎかもしれませんが、実際、不妊治療の病院は妊娠さえすればokですから。

漢方が目指しているのは「健康な赤ちゃんを出産するための妊娠」です。

とりあえず、薬で刺激でも、なんでもして妊娠すればいい!ということではありません。

健康な赤ちゃんを出産しようと思ったら、排卵さえすれば、ホルモン数値さえ整えばいいという問題ではないのです。

足の冷えや頭痛、肩こり、身体の不調を整え、赤ちゃんがスクスク育つ母体をつくらないといけないのですから。

だから、漢方では、「この漢方薬は黄体ホルモンに効く」とか「あの漢方薬はホルモンの視床下部を刺激する」など、そんな西洋医学理論的な役割ではないのです。

病気でなくとも、どんな方も少なからず身体の不調があります。
身体の不調は月経の乱れやホルモンの乱れにもつながります。

だって、身体は全てつながっていますからね。

だから、身体全部を整えるのです。
普段から自分の身体に不調を抱えている人が病院のホルモン刺激で、たまたま妊娠した場合、赤ちゃんがスクスク元気に育つイメージがアリアリとわきます?

そんな都合いいわけがないです。
母体の調子が悪ければ、同じ身体の中で育つ赤ちゃんだって不調です。
おまけに、まだ身体が自然妊娠できるような状態でなければ、とてもじゃないですが、10ヶ月は、もちません。

それが流産につながるのです。

漢方では、不妊症に直接、効く薬はありません。
不妊治療といっても、治療するのは、その方の身体の不調を整えることなんですね。

身体の不調は人それぞれ違います。
だから、漢方薬もひとり、ひとり違うのです。

また、漢方では、お薬を飲んで整えることだけが目的ではありません。

体質にあわせた食事、体質にあわせた生活方法が必要です。
そうして、トータルで自然妊娠できる身体づくりをします。

こうやって、体質を全体的に整えながら、赤ちゃんが授かりやすい身体をつくっていくのです。

病院と漢方の治療の違いは根元の考え方から違います。
病院のホルモン刺激やAIHやIVFなどの高度治療が必要な方もいらっしゃいます。
両者の違いをしっかりと把握して、適切なタイミングで病院、漢方の治療をうまく使い分けてください。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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