体外受精で最も問題となること

こんな記事を見つけました。

成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態

記事を要約すると、体外受精の出産率は「6.2%」しかなく、不妊治療で生まれた子は自然妊娠で生まれた子に比べ、自閉症スペクトラムになるリスクが2倍になり、先天性異常になるケースが多数報告されている。
また、不妊症の原因は女性の卵子の老化だけでなく、精子の質の悪さ(精子検査ではわからない)が関わっているというような内容です。

体外受精の出産率が6.2%とすると実感が湧きにくいので、逆から見てみましょう。

「日本の体外受精は 93.8% 失敗する」

妊娠陽性反応で見れば、もっと確率は悪くないと思いますが、不妊治療の病院は妊娠の陽性反応には必死になりますが、その後に流産したか、出産したかは知ったこっちゃない!ということです。

まず、これが1つの現実です。

体外受精の問題はいろいろありますが、何が問題って、文中にある

(記事引用)
「顕微授精は安全・安心である」と患者に伝えていたのだ。
(引用終わり)

これです。全然、安全でも安心でもない。
記事では、顕微授精で卵子に穴を開けることなどを安全でも安心でもないと書いておられますが、もちろん、それもあると思いますが、加えて、危険というか有害にもなりかねないのが、治療の過程で使用するホルモン剤です。

これも飲んでも、安心、大丈夫って言ってますが、人間のホルモンというのは、少なくなったのを足せば元気になるというような、単純なものではありません。
ホルモンというのは、複数のホルモンが絡み合い、それぞれのホルモンの分泌量が多くなったり、少なくなったりしながらバランスをとっています。

また、人間のホルモンにはフィードバック機構というものが備わっていて、例えば、ホルモン剤などでホルモン量が急激に増えたりすると、その後、急激に減らしたりして調整することもあります。

これは、治療で、どうまずいかというと、人のホルモン分泌量は、みんな違うわけです。
ところが、ホルモン剤は一定の量なので、その人のホルモン量とは関係なしにたくさん増やすので、それがうまくいく場合もあるし、余計にホルモンのバランスが崩れる場合もあります。

そのためにホルモン検査をしていると考えるかもしれませんが、ホルモンは、不足してたら足せばいいというものではないので、ホルモン検査で不足していれば、足せばいいことはわかりますが、「その人にとって、どれくらいの量をどのタイミングで必要なのか?」が全くわからないし、わかったところで、ホルモン剤は、みんな同じものを使うので、意味がありません。

僕から見ると個人差をみない西洋医学の弱点が最も色濃く出るのがホルモン剤です。
例えばソフィアAのようなピルは昔の使い方のように単純に避妊だけなら、たくさんの量の人工ホルモン(ピル)を体内に放り込めば「避妊・月経が来る」というザックリとした効果は得られるでしょうが、不妊治療は繊細なホルモンリズムを整えることが目的ですので、ある意味、誰が飲んでも月経が来るようになるピルは誰のホルモンバランスでも「崩せる」という証明です。

病院の言い分としては、ホルモンバランスが崩れても、無理矢理にでも採卵、体温上昇させて、ホルモンバランスが崩れても、機械的に受精させるんだからいいんじゃね?と言うかもしれませんが、ここで最も大きな問題が出てきます。

女性のホルモンバランスは、その人自身の体の調整も行なっているということ。当たり前ですが。
妊娠陽性反応は、人工ホルモンで無理矢理にでも活性化させて、機械も駆使して、なんとかできても、受精卵を発育させるのは何でしょう?

それは、あなたの体です。
妊娠した後の出産までの10ヶ月間は、ホルモン剤で調整していけません。
ホルモン剤どころか、薬も飲めません。
自前のあなたの体が健康かどうかだけが、頼りです。

手足が冷えるけど、子宮の中は、あったかポカポカ?
ホルモン剤を使っていない時分の月経は不調で血の巡りが悪かったけど、妊娠したら自動的に子宮の中には新鮮な血液がどんどん流れる?

「体調は悪いけど、子宮と受精卵だけは、超健康なんです」
そんなわけないです!!

受精卵を子宮内で育てる血は食べ物を原料に臓器からつくられます。
その血を血管が巡らせ、大便や小便は体で不要になった有害なものを捨てています。

全部、つながっています。
ホルモン剤は、ホルモン活動を活性化させる、ただの命令書。
冷えや頭痛を改善するためのものではありません。

ただ、体のホルモンのシステムを騙しているだけ。
出産まで騙し続けることができればいいですが、妊娠後の10ヶ月はホルモン剤も他の薬も飲めません。
もう、騙すことはできないのです。

そこからは、自分の体で真っ向勝負。
今まで騙してきたのに大事な時に素っ裸で真っ向勝負。

体外受精がダメな治療だとは思いません。うちでも漢方薬との併用で出産された方もいらっしゃいます。

ただ、取り組む前にわかっておかないといけないのは、

・お粗末な結果しか出せない割にやたら高額。
・「93.8%失敗する」という異常に低い成功率。
・ホルモンはバランスなので、ホルモン剤は体を良くするわけじゃない。ホルモン剤は体調は整えないが、出産までの10ヶ月は自分の体の健康にかかっている。
・不妊治療の病院の目的は妊娠陽性反応であって出産ではない。

病院はあたかも切り札の体外受精(失敗率93.8%)を使えば妊娠するかのような説明をすることが多いですが、うまくいかなくなってくると途端にシドロモドロな?説明になってきますので、その辺りも最初から覚悟していけば、いいのではないかと思います。
このような確率なので、賭けくらいに思っていればストレスは少なくなると思います。

病院の不妊治療の成功率が高いとは限らない

なんか、変な本の紹介を見つけたので、それ、どうなのかな?と思いました。

記事はこちら
日本は世界一「妊娠できない不妊治療」が行われている!?

先にお断りしておくと昔から医者の本ってポジショントークが多く、そん時代の流行りにのったりした、ぶっちゃけ、結局、何の役にも立たない(ブログの記事のネタとしてはツッコミどころ満載でいいのですが)、ものが多いので、お金がもったいないので買ってないし読んでません。
この記事のみからの感想です。

ついでに僕も「自然治療」というポジションから、この記事を書いてるので、この記事もポジショントークですね(笑)

「日本は世界で最も妊娠できない不妊治療が行われている国」って記事が衝撃的ですね。
そして、記事を読んでみて、なんだこれ?というデータ。

「国際生殖補助医療監視委員会」というところの「各国の体外受精による出産率」
このデータで日本は最下位!

本は読んでないけど、一応、データ元を調べてみようと思ったら「国際生殖補助医療監視委員会」って名前の機関、ここしかないだろ!って感じの名前なのにネット検索でここのホームページが
1ページ目に出てこない。

出てくるのは、僕と同じように、このテーマでブログを書いているものか、この本関連のニュース記事。なんとも怪しげなところからはじまりました。

このデータの何がおかしいっかって「各国の体外受精による出産率」
このデータで「日本は不妊治療してても、出産率が低い!」って言ってるのですが、現場から考えると不思議な点があります。

うちって、全国から不妊症の人が相談にきますが、東京や九州で有名な不妊治療の病院で治療した人、大阪ではテレビなんかで全国的にも有名になっている体外受精の病院でガンガンに治療をしている人などがきます。
そんな、ガチガチに治療していた人の意見や、うちの嫁さんは、不妊治療の病院で働いていたことがあるのですが・・・

体外受精した人が出産したことをその病院に報告したなんて話を聞いたことがないんですよ。
嫁さんが働いていいた時は、ごくごくたまに患者さんが善意で年賀状などで「無事、出産しました」みたいなのが来ることがあるけど、ほとんど、どうなったかわからないとのこと。

もう一度、言います。「体外受精の後、出産したかどうかがわからない」のです。

例えば、紹介状なしで勝手に他の不妊治療の病院に行く人もいるし体外受精をやったけど、あきらめた次の月に妊娠した例だってあって、現場で働いていた経験のある嫁さんの意見や実際に現場で治療されてきた患者さんの意見や様子などから、出産までを追跡したことなんて聞いたこともありません。

日本では体外受精と出産の関係って、データにできるほど、ちゃんと管理されていません。
日本ではこんな状態なのに、日本よりも体外受精による出産率が高く、それでいて体外受精の実施件数が圧倒的に少ないマリやドミニカ共和国の方が、すでに体外受精と出産の関係データがしっかりしているのに驚きです。

このデータだけでもポジショントーク炸裂で胡散臭さがプンプンしてきます。

そもそも、体外受精で実際に通っておられた、数々の患者さんの話では、体外受精の病院の医者は妊娠陽性反応は、気にしていますが、その後に出産するかどうかなんて気にしている人なんて、会ったこともないといった感じ。

そりゃ、そこは触れたくないと思います。
だって、確かに、ホルモン剤で擬似っぽい排卵、擬似っぽい高温期をつくれば、妊娠はするかもしれないですが、いざ、妊娠すると出産までの10ヶ月、今度は、打って変って、ホルモン剤使いまくって、体を騙すことはできません。それどころか、薬は何一つ使えません。
つまり不妊治療の病院では、妊娠後は、病院としては何もできないので、むしろ体外受精の後に出産まで管理するのは鬼門ですよ。

出産できるかどうかは、母体の自前の健康にかかっているのです。

このデータ、まだ不思議な部分があります。
右の「各国の体外受精の実施件数」です。

左の「各国の体外受精による出産率」の1位の台湾とか3位のカナダが右側の体外受精の実施件数では、上の方にないのです。
分母や統計処理をどういう風にしたのか、わかりませんが、このデータからいくと、全世界、みんな台湾で体外外受精すればいいと思います。

だって、ほとんど実施しないのに出産率が高いということは、めっちゃ成功率が高いってことですよ。
ちなみに、ざっと調べただけですが、台湾を中国大陸の方とみなしているのか?台湾単体なのか、よくわかりませんが、カナダに至っては、少子化ランキングで低いほうで20位以内にも入ってきません。

少子化や人口減少は日本だけの問題じゃない!!

これはカナダは少子化でもないし、体外受精もそれほど活発に実施しないけど、出産率はナンバー3だぜ!って感じが推測できます。
って、このデータ大丈夫?
ポジショントークを裏づけようとしている医者の本によくあるパターン!?

アメリカのデータもどうなんだろう・・・
「うちではアメリカで不妊治療してきた。でもダメだった」という方を何人か知ってますが、日本のやり方と対して変わらないし、しかも料金も日本の3倍位するんですよ。
体外受精で300万円くらいって普通ですから。アメリカ人って金持ち〜〜〜

で、この本では、

<ここから記事を引用>

日本の文化には「できるだけ自然にしているのがよい」という無為自然を尊ぶ考え方がありますが、そのためか、まず治療の開始年齢が遅いという傾向があります。(中略)不妊治療を始めた場合も、「薬の使用はできるだけ控えたい」と望む人が多いのも特徴です。こうした自然志向の結果、自然療法や薬を控えた治療に時間をかけすぎて、いざ本格的な不妊治療に切り替えることにしたときには、妊娠できる卵子がすでに少なすぎる人が目立ちます。

<引用ここまで>

これによると、できるだけ自然でって考えている間に歳をとったり、ホルモン剤を控えたりで治療に時間がかかって妊娠しないってことを言いたい見たいですが、これは、いかにも医者の上から目線で「ホルモン剤最高!」って前提から話してるんじゃないの?と思います。

まず、日本は、古来より、漢方もそうだし、民間療法や養生など、いろいろあるのはしょうがないですよね。それが日本の文化です。そして、怪しいのもあるけど、実際にいいものもあります。例えば漢方とか(自分擁護)ちなみにアメリカではガンの治療に和食をすすめる位です。
正しいとか正しくないとかではなく、逆に西洋かぶれしていなければ、自然に備わってしまっているともいえる感覚です。

外国は、そもそも、文化的に漢方やら養生やらの、第2の選択肢が、ないんじゃないでしょうか。
治療=西洋医学。西洋医学だけに。

だから、西洋に比べて「人工化合物のホルモン剤、使ったら即、妊娠!」なんてイメージが持てないんでしょうね。

それに実際に、治療でホルモン剤をガンガンに使っても、逆に月経周期や体調が悪くなったりして、医者自体に不信感を持つのですよ。無為自然を尊ぶ考え方というよりも医者自身が信用できない。

外国の医師は、僕は師匠しか知りませんが師匠は確かに話していて天才だと思います。が、日本の医者で「頼れる!」とか「すごい!」なんて思ったこと一度もありません。
「検査」は、いろいろしてもらいましたが、もちろん、治してもらったことなんて記憶にありません。
治ったのは、対症療法の製薬会社が開発した薬で一時的に治っただけで、その薬の処方も素人でも選べるレベルのマニュアル処方。

逆に医者に治療の独自の見通しを聞いても、おりこうさんなガイドラインのマニュアルの答えしか返ってきませんでした。悲しー。

ある人は、クロミッドやHCG、スプレキュアなどで、とんとんと採卵、移植といってるのに、ある人は、クロミッドで吐き気などの副作用、採卵はできないなんて事態になったりするのです。
それも何度も。

副作用が起こるのはしょうがないです。
でも、問題は、副作用が起こったことではなく、AさんとBさんが同じ治療をして、Aさんはうまくいったのに、Bさんが、うまくいかなかった「根拠」を説明しないからですよ。

治療する前は、いいことばかり言って「このホルモン剤には、こんなしっかりしたエビデンスがあるんだよー」って言っておいて、いざ、副作用が出たり、無反応だと、「なんでだろう・・・」「たまたまダメだったのかな」「おかしいな・・・」って、いきなりエビデンスがなくなっちゃうの。
悪くなると今度はいきなり個人差でウニャウニャ・・・・まるで2枚舌。

そこは、Bさんがなぜダメだったか、「僕が得意のエビエンスでバシッと説明しますね。」
「そして、今度は、その悪かったエビデンスを元に再検証して、あなたに合わせた、こーんな違った方法でやります」ってやれば不信感ないのに。
輪をかけて、たまに違った方法をしたかと思ったら、漢方薬の処方。しかも体質も見ないで不妊症には当帰芍薬散や温経湯がいいですよって、素人でもできそうな頼りない方法。

悪かったら、途端に歯切れが悪くなる。
そりゃ、みーんな、ほぼ、同じ治療しかしないし、個人差なんて西洋医学の世界にないですから、ダメだった人のエビデンスなんて説明できないですよね。

でも、みんなが素直に病院の治療を受けるようにするのは簡単!
「Aさんがなぜ、うまくいって、Bさんがなぜ、ダメだったか。次はこれを踏まえて、次は、こういう風にすれば、大丈夫です!!」と、
それをビシッーーーと科学的かつ生理学的かつ薬理的に説明すれば、病院の治療も悪くないなと考えるのではないでしょうか。

不妊症に限らず、反応なし、もしくは悪くなっちゃった時に途端にエビデンスをかなぐり捨てて、逃げ腰になるのをやめれば不信感がなくなると思います。

僕はこんな感じで、病院に行ったら、専門的にどんどん質問していきますので、どこの病院に行っても、最後は、医者がギブアップして対症療法で、その場しのぎしかできない。根本的的には治せないということをエビデンスを交えて説明してくれます・・・

医者は治療の説明もシナリオもない!?

かなりの月経不順の方で、漢方での治療も難航しているので、一度、ホルモン剤の力を借りてみて、体がどんな反応を示すか、その反応によって、今後の治療を一緒に考えましょう。
ということになりました。

いつもは「病院の治療なんて、急性病以外、行くだけ時間とお金の無駄!!」と言ってますが、一度、ホルモン治療にトライしてもらいます。

こう書くと、よくある勘違い漢方医のように西洋医学嫌いだと思われそうですが、僕は、別に西洋医学自体が嫌いなわけではありません。
むしろ、パソコンを自作したり、簡単なプログラムだったら自分で作るので、西洋医学のような理論的で科学的なものは大好きです。

ただ、世の中の西洋医学の認識は、ちょっと誤解されてるなーと思うのです。
西洋医学の薬は、対症療法で、人工化合物である外部の成分で効かせるわけで、科学的に根本治療にならないのです。
つまり、西洋医学の治療として必要な分野は「時間単位などで症状が進んで行く急性病もしくは急激に治療の必要があるもの」、「外科的手術」、「出産」、「ワクチン位」で、慢性病に対しては、根本的に治るエビデンスがありません。

なので、今回もホルモン剤を使って治療するつもりではなく、自力での月経周期安定が難しい状態が続いているので、西洋医学のホルモン剤はある種の刺激になると思い、その刺激の結果、生体がどんな反応がするかを見るために病院に行ってもらいました。

いわば、ホルモン剤を飲むことによって、生体能力の検査をし、分析にかける感じです。

さて、ここで病院で悩ましいことが起こりました。
それは、医者がホルモン剤を飲んでいく場合、4パターンほどの方法があると言ったことについてなのですが、
①ピルを飲んで月経を起こす。
②低温期のホルモン剤(プレマリンなど)、高温期のホルモン剤(ルトラールなど)を飲んでいく。
③高温期のホルモン剤(ルトラール)だけを飲む。
④ ②の治療をしながらクロミッドを飲めば妊娠できる。

おー、いろいろな治療方法があって、いいじゃないと一見、思いますが、問題はこの後。

「あなたは、どの方法にしますか?」と医者が言いました。

「わ、わたしが決める・・・医者でも専門家でもない私が・・・薬の薬理や体への影響など何一つ知らないものだらけなのに・・・」

このへんてこな状況、うちでは患者さんからよく聞かされます。

難病系の湿疹の人が、うちの近くでアホで有名な皮膚科(うちの周辺の人が言ってます)に行った時に、抗菌剤〜ステロイドを全部、提示して「好きなのを選んで」みたいなことがありました。

難しい状態になっている人ほど、この場面に遭遇することが多く、おそらく、医学マニュアル的な線からズれると、対応できないのでしょうね。
ひょっとしたら、後でクレームになるのが嫌で逃げてるんでしょうか?
そんなニオイもします。

こういう医者って不思議なのですが、病院には「診察費」を払っているのです。
そして、診察というのは、検査やらなんやらして考察し、診断し、治療する方法を見つける方法なわけです。

患者さんが自分で治療方法を決めて薬を貰うだけなら、それは、処方箋を仲介で出してる、ただの書類仕事です。「だったら、もう、ネットで売ってくれよ」って感じ。
それだと副作用が・・・なんて言う人がいますが、ステロイド塗ってる人なんて、かえって悪くなってるので、副作用があっても、最早、医者から率先して薬使わせ続けてますから。

昔、うちのチビにものもらいができた時に抗菌剤を出してもらい、1本まるまる使っても変わらないので、2本目をもらいに行った時に「先生の見解では、何本目で根治しますか?」と聞きました。

そうしたら、半ギレ気味に「いつ、治るかなんて誰にも分からないし、治る保証なんてできない!」とのこと。

もう一度、「治る保証をしてくれなんて、こちらは一言も言ってない。治るか治らないかなんて、誰にもわからないのは重々に承知している。うちの子の年齢、状況、状態、薬の使った後の変化等々をみて、治療の見通し、あなた自身の見解を聞きたいだけ」と言いましたが、また半ギレで「治るかもしれないし、これから、ずっと薬を使い続けなければいけない」ですって。

治る時は治るし、治らなかったら薬を使い続けるって・・・それが専門家の治療見解!?
薬を使えば症状が治まることなんて、このネット時代、小学生でも知ってるんだから、そんな嫌韓?だったらド素人でも同じことを言えます。

今回はもっとひどいですね。
4つの治療方法のどれにするかを患者さんに丸投げ!

それぞれの治療方法自体の説明も曖昧というか、ほぼない状態で、どの治療方法が良いかの医者の見解もなし!
ただ単に「あなたが決めて」と。

こんな重大なことを医学知識がないのに丸投げされたので、患者さんは悩みに悩みました。

しょうがないので、うちで、
「患者さん自身の目標はどこか?」(④の方法があるので、妊娠に関する意思の確認が必要)
「各治療法で使用する薬の薬理と利点と欠点」(この薬は月経が整うよ〜、みたいなどこかの怪しいサプリメント売りの説明ではないですよ)
「治療の目的、今の体質を勘案して、僕なりの優先順位に割り振る」

うちのスタンスは、目標を明確にして、それぞれの、リターンとリスクを明確にし、自分自身が治療する場合のランク付けを説明し、最後に最終的に自分だったらどの治療を選び、その根拠は何かを説明。
情報をここまで明確にして、そして最後に決めてもらうのは患者さん自身です。

ちなみに、よく医者の3分診療なんかで、医者側の言い分として、医学は難しいから説明しても無駄という意見があったりしますが、ここまでの説明で7,8分です。しかもここまでの説明に漢方は関係なく、西洋医学の知識だけの話なので病院でも十分にできたはずなので、次回から「診察代」をとってるんだから、説明はうちでなく、そっちでちゃんとしてください。

ちなみに東洋医学の角度から見た場合、今回のホルモン治療を生体のホルモン能力の検査とみて、「どうなったら、どう捉えて、どんな治療を選択するのか?」という想定をします。

(仮説A) ホルモン剤によって、月経が安定した場合、どの周期で外すべきか?何周期かは続ける方が良いのか?続けるのは何周期なのか?
(仮説B) ホルモン剤によって出血が続く場合は、次の高温期的な日数が来た場合、高温期バージョンで飲む予定のホルモン剤は、どうするのか?

それぞれの仮説にプラス、現状の体調、ホルモン剤の体に対する影響。つまりホルモン剤が体質を変えるかもしれないという要素を加味して、漢方薬は何を選ぶのかも考えます。
これが今回の僕の具体的な治療方針ですね。

ネットで薬の添付文書から薬理などを簡単に調べられる現在、西洋医学も漢方も、その薬の効果がどうたら、こうたらではなく、その効果をどう使っていくかの治療方針を考えることこそが専門家の仕事ではないのかと思います。

ホルモン剤と老化の関係!?

先日、少し年齢が高めの方が不妊治療の病院との併用治療を始め、病院に通い始めました。
体外受精をされていますので、当然、ホルモン剤も飲んでいたのですが、一度、うまくいかず、その後に「お腹を休ませて、次は良い状態へ持っていくため」にピルを飲まれました。
僕には、この「お腹を休ませて、次は良い状態へ持っていくためにピルを飲む」というのが、イマイチよくわかりません。

ピルは、別に細胞の修復効果を持っているわけでもなく、ただのエストロゲン系と黄体ホルモンの合成のものです。
主な働きは、排卵抑制と2つのホルモンを補充することにより高温期的な状態をつくることです。

人間の体は朝起きて、お昼ご飯を食べて・・・夜は寝るという一定のリズムがあります。
そのリズムが一定であるほど、体の中の自律神経や消化機能等々の乱れもないため、体はゆったりとすごせると思うのです。

例えば、

A.昨日は朝から昼まで寝て、今日は夜から寝て朝に起きて、食べる時間もバラバラ。

B.朝起きて、食べる時間も朝昼晩と一定、その同じリスムが続いている。

というAパターンとBパターンのとどちらが、体にとって楽だと思いますか?
こんなの聞くまでもなく、Bの一定のリズムで生活しているほうが、体は休めるに決まっています。
月経は28日周期と1日の生活時間からすると長いリズムですが、月経だってマクロに見ればミクロの1日の朝〜晩というリズムと同じように基本的には28日間ずつ一定でくるようになっています。
このリズム感は1日と同じです。一定のリズムで繰り返される方がいいのです。

前々月は26日周期、前月は28日周期、今月は35日周期・・・なんて、ずっとバラバラな月経周期と毎月28日周期。
どちらが、体にとって良さそうでしょうか?
こんなの専門知識がない人でも常識でわかりますよね。

人間の健康を支えているのはリズムが一定であるかどうかです。

さて、先ほどの話に戻りますが、「お腹を休ませて、次はいい状態へ持っていくためにピルを飲む」
ピルを飲むということは、自前のホルモンではなく外部から人工的なホルモンを無理やり加えるわけです。

これって、自分の持っている心地良いリズムでしょうか?

しかも、この方は体質全体を長く見させてもらっていますが、ホルモン剤を飲まなくても基礎体温に問題がないどころか、ほぼ一定のリズムを刻める優秀な月経リズムを持っておられる方。

ホルモンというのは、体の機能を切り替える命令書です。
「あーしなさい」「こーしなさい」と命令するわけです。
例えば、子宮内膜というのは血が必要ですが、ホルモン剤は血を増やすわけではなく、例えば、全体的に血が不足している人がホルモン剤を飲んだ場合、内膜はホルモンの命令書によって血によって厚くなりますが、別に体全体で不足している血を増やしてくれるわけではありません。
相変わらず全身をみていけば、血が不足していることに変わりはないわけです。

ホルモンはあくまで命令書なんです。
バシバシ、お尻を叩いて走らそうとしても、体力がなく走れる状態でなければ、体はよりダメージを受けます。

人間の体は一定のリズムであるほど健康なのですが、ピルで月経リズムを変えることのどこにお腹を休ませて、次は良い状態へ持っていく効果があるのでしょうか?
ましてや普段から自然で月経リズムが整っている人にとって。

この状況はみなさん、よくあると思います。
月経周期や基礎体温は悪くないのにホルモン剤が処方される。
排卵してるっぽいのに、排卵誘発剤を処方される。

毎日、朝起きて、朝昼晩と同じ時間にご飯を食べて、夜も同じ時間に寝て、調子が悪くない人が、わざわざ、リズムを変えて(ホルモン剤)不規則な生活リズムにして、何か得があるのでしょうか?
体調が悪くなりそうなことをしたほうが、妊娠率って上がるのかな。

体を休めるというには、薬などの人工化学物で無理やり変えることではないです。
西洋医学は、考えがぶっ飛びすぎのように思います。

皿に問題はここからで、案の定、その方、ピルによって、高温のまま月経がきて、体調もいろいろな症状がジャンジャン出てきて、月経周期も基礎体温も、この何年かでなかったくらい急激に悪くなりました。

状態が悪くなったことがピルの影響かを医者に聞いて見たら・・・
「ピルの影響はありません。急激な老化です」

でたー医者の伝家の宝刀!!
キラキラ輝いている医者の必殺技。

飲む前のまだ良くなるか、どうかわからない時は、意気揚々と「お腹を休ませて、次は良い状態へ持っていきましょう!」といいことづくめの説明。
治療の結果、体調が悪くなり自分自身が困ったら、「それは老化です」の言い訳。
この必殺技は、不妊治療の病院に限らないですね。
皮膚科のステロイド、心療内科の向精神薬などなど。慢性病の治療の時はいつでも使います!

結果が悪くなり、こじれてきたら「それは老化です」ついでに「それはストレス(精神的な問題)です」
いや〜病院はこれ、言うの禁止したほうがいいですよ。
かなり高齢の老人以外で、これ使うんだったら、「だったら医者いらねーよ」ですよね。

体外受精を迷っている方へ

前回のブログでも書きましたが、僕は、かれこれ10年ほど不妊治療をしています。
この記事なんかも参考で読んでみてください 不妊治療の現実を知るために不妊病院の歴史を知る
その10年の中で不妊治療の病院の治療方法もいろいろと変わってきているのですが、最近の不妊治療の病院の傾向として「これって、’どうなの?」と思うところがあります。

それは体外受精のこと。

僕が相談を始めた頃は、まだ体外受精をする人は、めずらしい感じでした。
うちに漢方相談に来る人も病院で排卵誘発剤を飲んでいる位の感じで、ステップアップ?(この言葉には違和感を感じる)していくペースも遅かったです。
ところが、年々、タイミング指導 → ホルモン治療 → 体外受精というステップアップの期間が早くなってきています。

世相を考えれば、人口の多い段階の世代の子供達が、どんどん年をとり、そろそろ妊娠の難しい年に差しかかっているので、体外受精までの期間が短くなっていくのは、わからないでもないのですが、最近はなぜか、30歳とか32歳など35歳位までの人が「そろそろ、体外受精を勧められていてどうしようか迷っています」という相談が増えています。

つまり、以前は、30歳代前半なら、もう少し治療の段階の進む期間が長かったのですが、体外受精を勧められるまでの期間が短くなっているのです。
この現象は、まだ、若い人が今の社会の流れに巻き込まれているように思います。

この現象は、不妊治療の病院側が昔よりも手っ取り早く、体外受精を勧めているのか?
本人達が、社会の流れ等の影響で焦って、そうなってしまっているのか?
どちらかはわかりません。
でも、ここで一つ冷静に考えてみてもらえたらと思うのです。

不妊症は病気ではありません。
便宜上、治療とよんでいますが、両方の卵管閉塞や無月経以外は、病気ではありません。
なので、厳密には治療でなんとかなる問題ではありません。
例えば、抗菌剤などは、体内で悪さをしている菌を殺したり、弱らせたりするものなので、菌が死ねば、不快な症状はなくなり、「治った」という状態になります。

頭痛などに使う鎮痛剤は、痛みを体内で発する物質を薬の力で働けなくして、頭痛を治します。
これらの薬は、症状の原因や薬の役割が、はっきりとしているので、治るのです。
ただ、残念ながら西洋医学の薬は皆さん、ご存知のようにその症状や病気が慢性的なものだと根本的には治してくれません。
西洋医学の薬は対症療法といって、薬を飲んでいる間だけ効くように作られているものなので、薬をやめれば、症状や病気は元どおりに戻ります。

そして、不妊治療で使われているホルモン剤の目的はなんでしょう?
「排卵を促す」「高温期に上げる」「高温期の期間を延ばす」「月経を来させる」「月経期間をなるべく30日周辺にする」
これらはすべて、月経のリズムを整えようとしているのです。
なぜなら、妊娠のためには、
①月経期:月経で必要のなくなった内膜を排出し、
②排卵期:卵包を育てて、排卵期に排卵させ、
③高温期:タイミングがあって受精卵が着床したら、体温を高め、内膜をより充実させて受精卵を育てる。
この3つの条件が必須だからです。

ところが、ホルモン剤は、抗菌剤や鎮痛剤と決定的に違うところがあります。
ほとんどのホルモン剤は、物量的に擬似ホルモンを加えるだけなのです。

ここでの問題は、排卵していないとか、低温期が長い、高温期が短いなどの原因がホルモン量が少ないから起こっていると、ちゃんとわかっていれば、あるいは、物量的に人工的にホルモンを与えれば、よくなるかもしれないですが、別にホルモンの栄養失調で問題が起こっているわけではないのです。

女性ホルモンというのは、量が多いとか少ないとかで、月経リズムや基礎体温を作っているのではなく、FSHやLH、エストロゲン(E)や黄体ホルモン(P)のトータルのバランスで成り立っています。
そして、このバランスには個人差があり、しかも、どのホルモンをどれくらい足せば正常なホルモンバランスになるのか、全くわかっていないのです。

「排卵が確認できているのに、とりあえずクロミッドを処方された」
「ホルモン数値が悪いとのことでホルモン剤を飲んだが一向に良くならない」
「ホルモン剤を飲み始めてからの方が月経周期がおかしくなってきた」
「ホルモン剤を飲んでから月経の2,3日目まで体温が下がらなくなった」

ひどいとホルモン剤を飲んで吐いたり、微熱や高熱が出たりする人もいますが、そこまでいかなくても、上記のような「本当にホルモンが整ってるの?」というよう状態になっている人は、たくさんいます。

これは何を示しているかというと、ホルモン剤は沈痛剤など他の薬と違って、個人によってどんな風に効くか実は全くわかっていない。ということなのです。
なんなら、担当の先生に聞いてみてください
「確実に排卵するのか?」「高温期は何日間になるのか?」「体温は何度まで上がるのか?」「ホルモン数値はいつ基準値になるのか?」どれも答えられないと思います。

答えられるのは、昔は避妊に使っていたピル(ソフィアAなど)だけです。
これは、飲み終わったら月経がきますが、皮肉なことに病院でホルモン剤の効果をはっきりと断言できるのは、ゼロ地点に戻すピルだけなんですね。

要は、ホルモン剤の効果は「個人によってどうなるかわかってないけれど、なんらかの刺激にはなる感じ」なのです。
そして、このホルモン剤の刺激は、自然治療をしている僕の経験からいくと正常に近いほど、元のホルモンバランスをおかしくします。

体外受精にはホルモン剤が付きものです。
それも通常のホルモン治療の時よりも強い効果の注射を使ったりします。
まだ若く、正常に近い基礎体温の人ほど、この影響を受けて、場合によったら、治療を受ける前よりも月経リズムや基礎体温が乱れるのです。
そして、妊娠するための条件は、正常な月経リズムと基礎体温なのです。

だから、30歳代前半で、以上な位、月経リズムやホルモンがおかしくないなら、体外受精をするまえに、自分自身の体調を振り返ってみてください。

不妊症は病気ではありません。
赤ちゃんを授かるまでの力が不足しているのです。
その中にホルモンも含まれますが、ホルモンは薬では整えることはできません。
また、不妊症を克服するためには「月経リズム」「基礎体温」だけでなく「自分自身が元気か?」ということが一番重要です。
病院がやっているのは、ホルモンを物量的に足しているだけです。
ホルモンをよくわからないのに刺激するまえに、ご自身の状態をトータルで判断し、体外受精をするかどうかを考えてみてください。