病院の不妊治療の成功率が高いとは限らない

なんか、変な本の紹介を見つけたので、それ、どうなのかな?と思いました。

記事はこちら
日本は世界一「妊娠できない不妊治療」が行われている!?

先にお断りしておくと昔から医者の本ってポジショントークが多く、そん時代の流行りにのったりした、ぶっちゃけ、結局、何の役にも立たない(ブログの記事のネタとしてはツッコミどころ満載でいいのですが)、ものが多いので、お金がもったいないので買ってないし読んでません。
この記事のみからの感想です。

ついでに僕も「自然治療」というポジションから、この記事を書いてるので、この記事もポジショントークですね(笑)

「日本は世界で最も妊娠できない不妊治療が行われている国」って記事が衝撃的ですね。
そして、記事を読んでみて、なんだこれ?というデータ。

「国際生殖補助医療監視委員会」というところの「各国の体外受精による出産率」
このデータで日本は最下位!

本は読んでないけど、一応、データ元を調べてみようと思ったら「国際生殖補助医療監視委員会」って名前の機関、ここしかないだろ!って感じの名前なのにネット検索でここのホームページが
1ページ目に出てこない。

出てくるのは、僕と同じように、このテーマでブログを書いているものか、この本関連のニュース記事。なんとも怪しげなところからはじまりました。

このデータの何がおかしいっかって「各国の体外受精による出産率」
このデータで「日本は不妊治療してても、出産率が低い!」って言ってるのですが、現場から考えると不思議な点があります。

うちって、全国から不妊症の人が相談にきますが、東京や九州で有名な不妊治療の病院で治療した人、大阪ではテレビなんかで全国的にも有名になっている体外受精の病院でガンガンに治療をしている人などがきます。
そんな、ガチガチに治療していた人の意見や、うちの嫁さんは、不妊治療の病院で働いていたことがあるのですが・・・

体外受精した人が出産したことをその病院に報告したなんて話を聞いたことがないんですよ。
嫁さんが働いていいた時は、ごくごくたまに患者さんが善意で年賀状などで「無事、出産しました」みたいなのが来ることがあるけど、ほとんど、どうなったかわからないとのこと。

もう一度、言います。「体外受精の後、出産したかどうかがわからない」のです。

例えば、紹介状なしで勝手に他の不妊治療の病院に行く人もいるし体外受精をやったけど、あきらめた次の月に妊娠した例だってあって、現場で働いていた経験のある嫁さんの意見や実際に現場で治療されてきた患者さんの意見や様子などから、出産までを追跡したことなんて聞いたこともありません。

日本では体外受精と出産の関係って、データにできるほど、ちゃんと管理されていません。
日本ではこんな状態なのに、日本よりも体外受精による出産率が高く、それでいて体外受精の実施件数が圧倒的に少ないマリやドミニカ共和国の方が、すでに体外受精と出産の関係データがしっかりしているのに驚きです。

このデータだけでもポジショントーク炸裂で胡散臭さがプンプンしてきます。

そもそも、体外受精で実際に通っておられた、数々の患者さんの話では、体外受精の病院の医者は妊娠陽性反応は、気にしていますが、その後に出産するかどうかなんて気にしている人なんて、会ったこともないといった感じ。

そりゃ、そこは触れたくないと思います。
だって、確かに、ホルモン剤で擬似っぽい排卵、擬似っぽい高温期をつくれば、妊娠はするかもしれないですが、いざ、妊娠すると出産までの10ヶ月、今度は、打って変って、ホルモン剤使いまくって、体を騙すことはできません。それどころか、薬は何一つ使えません。
つまり不妊治療の病院では、妊娠後は、病院としては何もできないので、むしろ体外受精の後に出産まで管理するのは鬼門ですよ。

出産できるかどうかは、母体の自前の健康にかかっているのです。

このデータ、まだ不思議な部分があります。
右の「各国の体外受精の実施件数」です。

左の「各国の体外受精による出産率」の1位の台湾とか3位のカナダが右側の体外受精の実施件数では、上の方にないのです。
分母や統計処理をどういう風にしたのか、わかりませんが、このデータからいくと、全世界、みんな台湾で体外外受精すればいいと思います。

だって、ほとんど実施しないのに出産率が高いということは、めっちゃ成功率が高いってことですよ。
ちなみに、ざっと調べただけですが、台湾を中国大陸の方とみなしているのか?台湾単体なのか、よくわかりませんが、カナダに至っては、少子化ランキングで低いほうで20位以内にも入ってきません。

少子化や人口減少は日本だけの問題じゃない!!

これはカナダは少子化でもないし、体外受精もそれほど活発に実施しないけど、出産率はナンバー3だぜ!って感じが推測できます。
って、このデータ大丈夫?
ポジショントークを裏づけようとしている医者の本によくあるパターン!?

アメリカのデータもどうなんだろう・・・
「うちではアメリカで不妊治療してきた。でもダメだった」という方を何人か知ってますが、日本のやり方と対して変わらないし、しかも料金も日本の3倍位するんですよ。
体外受精で300万円くらいって普通ですから。アメリカ人って金持ち〜〜〜

で、この本では、

<ここから記事を引用>

日本の文化には「できるだけ自然にしているのがよい」という無為自然を尊ぶ考え方がありますが、そのためか、まず治療の開始年齢が遅いという傾向があります。(中略)不妊治療を始めた場合も、「薬の使用はできるだけ控えたい」と望む人が多いのも特徴です。こうした自然志向の結果、自然療法や薬を控えた治療に時間をかけすぎて、いざ本格的な不妊治療に切り替えることにしたときには、妊娠できる卵子がすでに少なすぎる人が目立ちます。

<引用ここまで>

これによると、できるだけ自然でって考えている間に歳をとったり、ホルモン剤を控えたりで治療に時間がかかって妊娠しないってことを言いたい見たいですが、これは、いかにも医者の上から目線で「ホルモン剤最高!」って前提から話してるんじゃないの?と思います。

まず、日本は、古来より、漢方もそうだし、民間療法や養生など、いろいろあるのはしょうがないですよね。それが日本の文化です。そして、怪しいのもあるけど、実際にいいものもあります。例えば漢方とか(自分擁護)ちなみにアメリカではガンの治療に和食をすすめる位です。
正しいとか正しくないとかではなく、逆に西洋かぶれしていなければ、自然に備わってしまっているともいえる感覚です。

外国は、そもそも、文化的に漢方やら養生やらの、第2の選択肢が、ないんじゃないでしょうか。
治療=西洋医学。西洋医学だけに。

だから、西洋に比べて「人工化合物のホルモン剤、使ったら即、妊娠!」なんてイメージが持てないんでしょうね。

それに実際に、治療でホルモン剤をガンガンに使っても、逆に月経周期や体調が悪くなったりして、医者自体に不信感を持つのですよ。無為自然を尊ぶ考え方というよりも医者自身が信用できない。

外国の医師は、僕は師匠しか知りませんが師匠は確かに話していて天才だと思います。が、日本の医者で「頼れる!」とか「すごい!」なんて思ったこと一度もありません。
「検査」は、いろいろしてもらいましたが、もちろん、治してもらったことなんて記憶にありません。
治ったのは、対症療法の製薬会社が開発した薬で一時的に治っただけで、その薬の処方も素人でも選べるレベルのマニュアル処方。

逆に医者に治療の独自の見通しを聞いても、おりこうさんなガイドラインのマニュアルの答えしか返ってきませんでした。悲しー。

ある人は、クロミッドやHCG、スプレキュアなどで、とんとんと採卵、移植といってるのに、ある人は、クロミッドで吐き気などの副作用、採卵はできないなんて事態になったりするのです。
それも何度も。

副作用が起こるのはしょうがないです。
でも、問題は、副作用が起こったことではなく、AさんとBさんが同じ治療をして、Aさんはうまくいったのに、Bさんが、うまくいかなかった「根拠」を説明しないからですよ。

治療する前は、いいことばかり言って「このホルモン剤には、こんなしっかりしたエビデンスがあるんだよー」って言っておいて、いざ、副作用が出たり、無反応だと、「なんでだろう・・・」「たまたまダメだったのかな」「おかしいな・・・」って、いきなりエビデンスがなくなっちゃうの。
悪くなると今度はいきなり個人差でウニャウニャ・・・・まるで2枚舌。

そこは、Bさんがなぜダメだったか、「僕が得意のエビエンスでバシッと説明しますね。」
「そして、今度は、その悪かったエビデンスを元に再検証して、あなたに合わせた、こーんな違った方法でやります」ってやれば不信感ないのに。
輪をかけて、たまに違った方法をしたかと思ったら、漢方薬の処方。しかも体質も見ないで不妊症には当帰芍薬散や温経湯がいいですよって、素人でもできそうな頼りない方法。

悪かったら、途端に歯切れが悪くなる。
そりゃ、みーんな、ほぼ、同じ治療しかしないし、個人差なんて西洋医学の世界にないですから、ダメだった人のエビデンスなんて説明できないですよね。

でも、みんなが素直に病院の治療を受けるようにするのは簡単!
「Aさんがなぜ、うまくいって、Bさんがなぜ、ダメだったか。次はこれを踏まえて、次は、こういう風にすれば、大丈夫です!!」と、
それをビシッーーーと科学的かつ生理学的かつ薬理的に説明すれば、病院の治療も悪くないなと考えるのではないでしょうか。

不妊症に限らず、反応なし、もしくは悪くなっちゃった時に途端にエビデンスをかなぐり捨てて、逃げ腰になるのをやめれば不信感がなくなると思います。

僕はこんな感じで、病院に行ったら、専門的にどんどん質問していきますので、どこの病院に行っても、最後は、医者がギブアップして対症療法で、その場しのぎしかできない。根本的的には治せないということをエビデンスを交えて説明してくれます・・・