大げさなで曖昧な精子検査

最近、ご夫婦で相談に来られた時にご主人側に「精子の問題があるので体外受精しかないと言われています」という話をよく聞くようになりました。

不妊治療はかれこれ、10年ほどやっていますが、この1年位で急にこういった話を聞くようになりました。

最初は男性も年々、問題が大きくなってきて、ついに体外受精を半ば強制しないとうまくいかない時代になってきたのかな?と思っていたのですが、最近、相談に来られる男性がことごとく「精子の問題があるから体外受精しかない」みたいなに話されるので「そんな急に男の方の問題が大きくなるのか!?」と不思議に思いました。

どうも相談で詳しく聞いてみると、ただ単に精子の検査で精子数が低いとか、精子の運動率が悪い、精子の奇形率が高いなど、昔っからよくある男性側の問題のようです。

以前は、病院側もこういった検査の低さなんて誰でもあることなんで「精子が悪い→男性不妊だから体外受精しかない」みたいな話の展開になっていなかったように思います。
大体がツムラの41番、補中益気湯をマニュアルで自動処方して後は、ほったらかし!という感じでした。

うちも以前は「絶対に体外受精しかない」なんて言われる人は精巣軸索静脈瘤とか、専門の大学病院まで行って精子を手術で取り出さないといけないとか、本当に病的な状態の人に、こういったことを言っていたのに、いつのまにか、昔なら「ご主人、検査の数値はあまり良くないですね」程度で済んでいたのが、今は「体外受精をしないといけない」という大げさなものに変わっているようです。

男性に限らず、不妊症で悩まれているご夫婦に対して最近はすぐに体外受精を奨める傾向は年々、強くなってきていますね。

それがお金儲けのためなのか、結局、体外受精でしか結果が出せないと考え始めたのか、何かはわかりません。

どちらにせよ、最近の病院は大げさに「男性不妊だから大変ですよ」と騒ぎ立てるようです。
10年間、不妊治療を見てきた僕にとっては、病院側のこういった変遷はおもしろいですね。

ところでこういった精子検査の結果は鵜呑みにしないほうがいいですよ。
良いも悪いも。

なぜなら、精子の状態というは生活やストレスなどの影響でかなり変わってくるのです。
こちらのサイトでもそのことが書かれています。

「精液の検査、ここに注意を:朝日新聞デジタル http://bit.ly/1O7bKXg」

サイトでは精子の状態は、状況によって変わるので、1度良かったとしてもダメな場合もありますので、何度か受けてくださいと言われていますが、逆に言えば状況によって検査がブレブレになるということは、検査自体、条件によって良いも悪いもアテにならないとも言えます。

だからといって「精子の状態が悪かったけど、関係ないんだ!」とはなりませんが「男性不妊症だから→体外受精」と考える必要はないんじゃないでしょうか。

大体、精子の状態が悪いから体外受精といっても精子の状態に対する治療になるとは思えません。
妊娠というのは超自然的なものです。
体外受精の成功率がこの何年か30%程度で留まっているのがその証拠で、医学的に分析しても、どうにもこうにもわからない部分が多すぎて成功率が低すぎると思うのです。

妊娠自体が超自然のことなので、それを成功させるのも自然の行いで成功させるのが良いのです。

だから、弱いままの精子を取り出して体外受精なんて、より精子を弱めているようなものです。
精子は自然の法則からいけば外界で元気に生きるようにはつくられていないからです。
では、どう強くすればよいか?

それはあなた自身が体力をつけて元気になることです。
仕事などで身体がヘトヘトで精子もヘトヘト。
そのヘトヘトグダグダ精子を体外受精で使っても、とりあえずの体裁を整えているようにしか見えません。

精子を強くするのはあなた自身の根本的な健康と体力です。
それとそれらを邪魔するものを排除すること。
それに漢方薬も健康と精子を強くするのに役立ちますよ。とちょっと宣伝。

精子の元気を邪魔するのはアルコール、タバコです。
「でも、やめるとストレスが・・・」

それも大丈夫。
うちで今まで不妊治療してくる中で男性不妊症の治療をしてきたところ、男性の場合は、ストレスよりも体力のほうが重要のようです。

心身ともに元気に越したことはないですが、お酒やタバコをされている場合は、お酒やタバコをやめて、少しストレスが増えても、それらをやめた時の効果の方が高いように感じます。

噂レベルですが、男性は命の危険を感じるほど性欲が増すなんて言われていますが、案外、本当なのかもしれません。

ただし、女性はストレスはダメです。
少しのストレスでも月経周期や基礎体温が乱れることがあります。

長年、なかなか赤ちゃんを授からないと悩んでいる人は、女性側の問題ばかりを探し回らないで男性側が本当に健康で元気かを見直してみてください。結局、妊娠は男性と女性の2人の力で成功するものですから。

男性の場合は、不妊症において◯◯病といったものがないので、それが男性側が油断をすることにつながっているのかもしれません。