不妊治療に基礎体温の記入は必要なのか?

不妊症の治療で基礎体温の記入は必要なのでしょうか?

これ、不妊治療している人は結構、気になるところですね。
うちでもよく質問があります。

結論から言おうと、どっちが正解とも言えないです。
でもこれだと答えになっていませんね。

不妊治療の病院では全く記入しなくてもいいと言っているところもあるし、記入しておいてほしいと言っておきながら4回目位は、ほぼ見てないみたいなところも結構あります。

ところで全くの余談ですが、不妊治療の病院で紙の基礎体温表を売っているところあるじゃないですか「えっ無料でくれるよ」って思った方、まー大体は無料なんですが、たまに売ってるところがあるのですよ。

基礎体温表をもらった時の治療明細を見てください。
値段がついているかもしれません。

あれって単純に「どこまでセコイねんッ!」って思いますね。
今やiPhoneで無料の基礎体温アプリなんていくらでもある時代に紙媒体という化石感と守銭奴感には関心します。
やっぱりお医者さんって、なんか僕らと次元が違うところにいるんでしょうね。

ちょっと話がそれましたが、病院の基礎体温の対応を見ていると、ちょっと適当感があったりして、実際のところどうなのかがわかりにくいですよね。

あれ、1つは、ホルモン剤って強制的な人口操作なので、基礎体温を見てもしょうがないというのがあると思います。

特に体外受精なんかになると、排卵誘発剤で排卵促して、スプレキュアで排卵止めて、採卵日数を調節。
移植後は黄体ホルモン、じゃんじゃん入れて大忙し!

女性の場合は、ホルモン剤と体温は密接な関係がありますので、強制的かつ人工的にいろいろな薬を入れていたら、その薬の影響で基礎体温も変わっていきます。

なので「基礎体温のリズムを見たからどうなんだ」という状況になってくるんだと思います。
だから、多分、最初は基礎体温を記入してってお願いしといて、3回目位までは基礎体温を見てるけど、その後は、見てるフリで実は見てないみたいな状態になっているのだと思います。

病院においては、ホルモン剤をジャンジャン、使っていれば、基礎体温を記入することはあまり意味がないかもしれませんね。

一方、自然妊娠を目指す場合は?
これは必要だと思います。

漢方関係だとよく、基礎体温の形で瘀血型だとか、気滞型など血液型タイプみたいな見方をしている先生がいらっしゃいますが、僕はあれは関係ないと思ってます。

あれって東洋医学の治療理論の気・血・水のどれかのタイプに分けて、勝手に◯◯型とかやってますが、そもそも、体質のタイプを厳密に分析すると気だけのタイプとか、血だけのタイプなんていません。

こんな診断はしませんが、イメージ的に言えば、血の要素が55%、気の要素が35%、水の要素が10%みたいに個人でパーセントが変わるし、大概、「気・血・水」全部が絡んでいます。

だから、気・血・水と基礎体温の形のパターンみたいなやつって、お遊びレベルだと思います。少なくともプロがやることじゃありません。

うちでは基本、漢方薬で健康体質になってもらい自然妊娠を目指します。
基礎体温は体調やらホルモンの移り変わりやらを反映しているので、その細かな変化で漢方薬を調整していくこともあります。

そして不妊症って実は治療じゃないのです。
健康な状態をつくりだし健康な月経リズムやホルモンリズムをつくりだします。

うちなんかの例でいくと3ヶ月もするといろいろな症状なんかは、なくなっちゃうこともあります。

ここからが問題。
もともと、不妊症は病気ではないので、症状が治ったので、来月妊娠かというと、そうはいきません。

症状がなくなって体調が良くなったということは「自然妊娠の参加資格を得た!」ということで「これで妊娠できる」わけではないのです。

こういう状態になった時に力になるのが、基礎体温。
僕はたくさんの人の基礎体温表も見てきたので、目立った症状はないけど、なんとなく基礎体温表が微妙・・・みたいな感じだったら、その微妙なところから、次の妊娠するための治療方針を探ります。

なので、うち的には「あなたの基礎体温を見ると瘀血型ですよ〜」とエセ占い師のようなことを言うために基礎体温を記入してもらっているのではなく、今後の細かな治療方針を立てるために記入してもらっています。

ただ、基礎体温もずっとつけていると義務みたくなっちゃって、ストレスになる場合もあります。
この場合は、場合によっては一旦、記入するのをやめてみてもいいかもしれません。
妊娠するということは治療でも作業でもないですから。
必要なのは愛と思いやりなのです。

うちではストレスがどうしても強かったら排卵から高温期初期までと、月経前だけつけてもらって分析するという飛び道具的な方法をとることもあります。(できれば記入してもらいたですが)

どちらにしろ、うちの漢方においては治療方針を決める参考情報になります。
病院では・・・どうせ、ホルモン剤と基礎体温の微妙な変化の関係性を診ることなんてできないので、どっちでもいいように思います。
西洋医学にある全周期で28日。低温期14日。高温期14日。になんとかしていこうとしたって、月経周期も個人差があるので、無理やり教科書的基礎体温にする意味もないですから。