食品機能性表示。サプリメントは治療の言い訳か?

「機能性」表示、市場に効くか 食品新制度スタート http://s.nikkei.com/1I6EroY

本質的な健康から考えたら、すごく無意味な制度がスタートです。
ただ騙される人が増えるだけなんじゃないかと思う次第です。

健康食品やサプリメントって実は厳密には「効果がない」ことになっています。

「効果がないですけど、イイものなので買ってください」って「誰が買うんだよ!」って話。
この方がよっぽど詐欺臭いですよね。

でも、その詐欺臭いほうが正しい法律だったりしたのです。
今まで健康食品の効果を宣伝しちゃだめだったのなら、そもそも「そんなもの売るな!」って法律にすべきですよね。
法律のすごいところです。
それが、今回、公式に効果を宣伝できるようになりました。

これは大企業にとっては得です。
大企業はコンプライアンスのなんたらかんたらで、大手を振って健康食品の効果を宣伝できなかったので、これでテレビや雑誌などで堂々と医薬品のように宣伝できます。

現実感と照らし合わせたら、おもしろいな〜と思うのが、健康食品って医薬品にくらべたら、その効果の研究や臨床は、はるかにレベルが低いものです。
「どこどこ大学の病院で効果のデータをとった」って言ったって、医薬品にくらべたら素人がノリで調べたデータみたいなもの。

そんな仕事を実際にやってた当時「中の人」の僕が言うんだから間違いないです。

今の風潮って、健康食品よりもはるかに高度なデータのある病院の薬じゃ治らないから、そんなイマイチなデータな健康食品の方を好き好んでとろうとしている感じがあります。

「自然のものだから身体にやさしい」をキーワードに。

だったら、漢方にすればいいのにと僕は思います。

健康食品も漢方薬もどちらも同じ自然のものですが、両者の間には決定的な違いがあります。
それは健康食品には医学的な理論や学問が全くないですが、漢方には2千年の専門的な医学理論、学問があります。

健康食品やサプリメントには医薬品と比べてレベルの低い真似事みたいな成分効果くらいの理論しかないですが、漢方は漢方としての診断方法や体質に合わせた漢方薬の選別方法があるわけです。

ところで、この健康食品、サプリメント関連の効果表示と似た様なことで医者もサプリメントのアドバイスや販売が解禁になりました。
不妊治療の病院で最近、サプリメントを売られたりしてませんか?

これって「今更、だからどうしたの?」って感じです。

さっきの話に戻ります。
サプリメントのデータって病院の新薬に比べて研究費や研究時間などが天地の差です。
もちろん、健康食品、サプリメントが天地の地ですよ。

病院って、元々、そのとんでもないお金と時間がかかっている医薬品を使っているわけですよ。
それを使っているのにサプリメント。

なんか、それって、医薬品が効かないからモヤモヤっとした自然で副作用がないですよ的なサプリメントに逃げてんじゃないの?って思います。

これは病院の漢方薬の処方にもいえると思います。

最近、病院でよく漢方薬を処方しますよね。
これ不思議なことに医者本人は気づいてないかもしれないですが、処方してもらった患者さんは素人丸出しの適当処方してるって知っています。
当帰芍薬散とか温経湯とかですよ。

ああいう漢方の医学理論(東洋医学理論)全く無視!のマニュアル漢方処方も、サプリメントのように本来のホルモン治療などがうまくいかない「逃げ」にしてるんじゃないのかな。

うちの近所の医院も最近、ちょっとマニアックな漢方薬の処方をしていたのですが、そこで処方してもらった人がうちに来た時に聞いたら、方法としては全くのマニュアル処方!
処方した漢方薬自体はちょっと勉強している人じゃないと処方しない感じの処方。

でも、処方までの経緯を聞いていたら以前からの小青竜湯しか処方しない時と同じやり方。
東洋医学的な問診もとらないし体質も判断しないし相談もしない。
多分、新薬の今の風潮の「逃げ」でやってるから、こんなことになるんじゃないかな。

漢方薬っていろいろな種類があるから、変わったものを出そうと思ったら誰でも出せます。
もちろん、本来の方法を使って変わった処方を出そうとおもったら大変ですが、病院の場合はただ、変わった処方を処方箋に書けばいいだけですから。

健康食品、サプリメントは悪いものじゃないです。
でも、支える医学理論がないから、適当にしか考えることができないのです。
健康食品やサプリメントはその理論がないゆえに、どんな体質の人はダメなのかがわからないことが大きな弱点です。
このことをそのメーカーさんに聞いたら「誰にでもいいですよ」そしてレベルの低いデータのプリントの数々。
そんないいかげんな答えしか返ってきません。

体質によっては、いいかもしれないけど、悪いかもしれないものは「治療」では使えません。これからいろいろなデータを宣伝しまくってくると思いますが良くなったらラッキーくらいで考えといたほうがいいと思います。