本当に卵巣嚢腫?

うちの相談では、よく不妊治療の病院で卵巣嚢腫とか内膜症だと診断された人が来られます。
その他にも卵巣機能が著しく低下しているから妊娠が難しいとか、黄体機能不全で妊娠できないなど、いろいろな診断を病院でされています。

ところがこういった診断をされた方々が違う不妊治療の病院にいって再度、検査してもらうと、何も異常がないと言われたり、その病院で卵巣嚢腫とは言われなかったけど、卵巣嚢腫でなく卵巣が腫れているんだと言われたり、卵巣嚢腫どころか特に問題ナシだったり。
前の病院から次の病院に行くまでに特に卵巣嚢腫の治療をしてないのに、勝手に治ったり、勝手に次の卵巣が腫れているという状態になっていたりで、なんか診断に胡散臭さが漂っている感じなんですよね。

この時にうちの嫁さんの昔の話を思い出しました。
ひょっとして不妊症?と悩んで病院で検査した時のこと。
(ちなみに検査だけで治療は漢方でしています)

どうも右の卵巣嚢腫が腫れているとの診断。
だからといって特に治療するわけではなかったのですが・・・
それからしばらくして、全く違う病院に行ったら、腫れているのは右ではなく左だと診断されました。

その時に「ちょっと前には違う病院では右が腫れていると診断されたのですが、左が腫れているのですか?」って聞いたら「ノーコメント」だったらしいです。
前の病院での「右が腫れている」というような診断なんてないとと思っていたのでフイを突かれたのでしょうか?
右、左になっちゃってどうしたらいいのかわからなくなったのでしょうか?

とにかくノーコメント。
現実の会話だったらあり得ないですが、今まで話してた内容が何の言い訳も話しもナシになかったことになったそうです。

これって、病院ではよくある場面のような気もするのですが・・・
で、結局、右の卵巣が腫れているのか、左の卵巣が腫れているのかがわからないまま会話は、うやむや。

次に同じ病院で妊娠した時の検診で、すっかり検査が終わった後に「子宮内膜症かも」と言われたそうです。
肝心の検査をしている時は「順調ですね」としか言わなかったのに、嫁さんの印象ではカルテに何かしら書かないといけないような感じの時に内膜症って言われたとのことです。
これも謎の幻想診断ですね。

出産の後に「そう言えば、検診の時におっしゃってた内膜症ってどうなってます?」って聞いたら、今度は検査など一切せずに即答で「治ってますよ」

???検査もせずに治っていることがわかる・・・
もう、超能力レベルで僕らはついていけません。
そう言えば、うちの患者さんが、ひどい咳で耳鼻科に行ったら本人を見もしないうちに「アレルギーでしょう」って言われたのには笑えたとおっしゃってました。

こんな具合で、前の病院では卵巣嚢腫、今度の病院で黄体機能不全で今度は卵巣嚢腫がない。など幻想のような診断をしょっちゅう耳にします。

そもそも、卵巣嚢腫とか多嚢胞卵巣とかって、エコーで見たりするから、その病気だと診断するのはわかるのですが、黄体機能不全って何?って思います。

数値が低かったから?
でも、黄体機能がなかったら、そもそも次の月経来ないんじゃないの?
それだと「黄体機能不全=無月経」ですよね。

そもそも、月経って、月経→排卵→高温期→次の月経・・・って延々と続いていくのだから、毎回、高温期で黄体機能不全起こしてるのも不思議です。

それって、西洋医学的にはどんな病気でどんな原因があるのでしょう。
それよりも、なんで黄体機能が不全なのに次の月経が来るの?

僕の勉強不足なのかもしれませんが、月経周期のある一部分に問題があるけど、月経周期は順調にくるって、なんか理屈的に(漢方的ではなく西洋医学にも)通ってない感じがします。

診断がブレブレな感じの人がいるという不思議感もありますが、なんか元の病名の設定自体がとってつけたような感じがしないでもないですね。

僕は漢方修行時代に師匠に漢方相談の方法の第一歩として教えられたのは「まずは、どこかの病院がつけた診断が自分として、どう思うかを自分で判断しなさい」と教えられました。

別にこれは、医者の代わりをするわけじゃありません。
漢方は体質をみるので、身体の中の状況をレントゲンなどでみた西洋医学の分析も合わせて考えるということです。

これによって、より体質全体で、どう動いているのかが考えることができるからです。

そのためには、漢方相談だからって西洋医学をおろそかにせずにその病気の西洋医学的メカニズムや治療する新薬の化学的薬理も一緒に勉強するように教えられました。

卵巣嚢腫や多嚢胞卵巣は、エコーや検査数値など西洋医学的にみないとわからないことですが、病院ごとにこんなに食い違うのは、ちょっとどうなのかな?と思います。