不妊症の原因を細かく分析してみる。

妊娠を成功させるために絶対に必要な条件は、規則正しい月経です。
月経は月1回、女性に嫌がらせするためのものではなく、妊娠させるための身体のメカニズムですね。

妊娠を望まない時に月経時にいろいろと不快な症状がある人は、なんとも迷惑なものと感じていたかもしれません。

でも、身体は十代の時からせっせと毎月、毎月、元気な子供が授かれるように健気にがんばっていたんですね。

とにかく、月経リズムが一番大事。

月経リズムには大きく分けて3つのステージがあります。
月経が始まってから終わるまでの月経1日目〜7日目くらいの月経期。
つぎが月経8日目〜14日目くらいの卵胞期。この時に排卵がありますね。
卵胞期から後の体温が高温層になる黄体期です。

この3つのステージは全部つながっていて、このつながりがスムーズだと、きれいな基礎体温になるわけです。

ここで一般的に少し勘違いがあるように思います。
多分、不妊治療の病院の説明が誤解させていると思うのですが、よく次の月経のことをリセットと言ってます。

まー妊娠できなかった人にとっては、最初からやり直しみたいな感じだから、リセットとよんでるのでしょうが、このリセットって気分的な考え方であるということです。

リセットって言葉をみると「なんか今週期は排卵誘発剤やHCGを使って、体温が上がったり下がったり、乱れた感じだな〜でもリセットして次の周期がんばろう!」的に思いますが、身体はリセットしません。一度死んで生き返らない限り。
月経リズムはずっと継続しているのです。

今回の月経が体温高いまま突入したりすることがあるじゃないですか。

あれって前の周期の高温期で黄体期をなんとかしなくっちゃってルトラールとか使ったりして、黄体期の自然な月経リズムが人工リズムになって、その人工リズムが次の自然リズムの月経に影響を与えているんだと思います。

リセットというのは言葉の綾であって、身体の月経リズムは閉経まで続いていきます。
今回の月経がおかしくなるのは、前の周期の高温期や卵胞期、排卵の影響だって考えられるのです。

身体はリセットしない。
だから、まず、不妊症克服に必要な大前提は「あなたの体質にとってベストな月経リズム」ですね。

では、この月経リズムってなんで乱れるのでしょう?

年齢?これもありますね。女性は現在の医学では28歳辺りがホルモンのピークだと言われています。
そこからは年々、下がっていきます。
漢方では女性は7の倍数で変化していくと言われていて、2千年前も28歳が最も身体の最盛期であると書かれています。

年齢の問題は言い方を変えれば老化の問題ですね。

次に月経リズムを作り出す女性ホルモンの分泌は視床下部という器官と関わっています。
この器官は血流や呼吸、食べること、睡眠、情動とも関わっています。

ストレスを受けたり、血流や呼吸が悪くなったり、食事や睡眠の乱れは視床下部にも影響します。ひいてはこの乱れは女性ホルモンの分泌に影響します。

無理なダイエットやストレスなどが無月経になったりしますが、こういったことも関係しているのだと思います。

ここでは不妊症の問題はたくさん出てきましたね。
血流や呼吸など運動と関わりのある問題。
食事の問題。
ストレスの問題。

もう一つ、重要な要素があります。
月経リズムは女性ホルモンだけで成り立っているわけではありません。不妊治療の病院だと妊娠に関わっているのはホルモンだけのように錯覚させられますが。
なぜ月経の時に不快な状態になるのか?
そう、子宮内膜の「血」です。
妊娠の成功には卵子や卵胞も必要ですが、なによりも受胎が成功した場合に赤ちゃんを着床したり、育てるための「血」が必要なんですね。

この「血」私たちは輸血で生きているわけではありません。
食べ物から自分の血をつくります。
食べ物からつくるには、食べ物をしっかりと消化して血の原料にできるか、消化機能の問題があります。

そして、出来上がった「血」を子宮内膜が厚くなるようにするための血の循環。
血の巡りの問題があります。

消化器の問題。
血の巡りの問題ですね。

ざっくりですが、不妊症になっているかもしれない原因を挙げると・・・

①老化の問題
②血流や呼吸に関わる運動の問題。
③食事の問題。
④ストレスの問題。
⑤睡眠の問題。
⑥消化器の問題。
⑦血の巡りの問題。

があります。これらの問題がなくなって、うまく連携していれば健康な月経リズムがつくられ、健康な月経リズムはその本来の目的である妊娠へと向かいます。

では、ここで不妊治療の病院がやってる治療の部分って問題のどれにあてはまるのでしょうか?

残念ながらどれにもあてはまりません。
僕は赤ちゃんを授かるという最も原始的かつ原則的な動物の自然の法則から妊娠しない原因を考えてみましたが、病院の治療は、どの要素も治療していません。

では何をやっているかというとホルモンを刺激したりホルモンを物量的に単純に足してるだけ。その人本来の自然の月経リズムなんて関係ありません。

強制的に排卵を促したり、黄体ホルモンの量を増やしたりしてるだけ。
クロミッドなどは、排卵を促すといったら言葉がまだ良いほうですね。
詳しく薬理的に言えば、いろいろなホルモンを人工的に組み替わるようにして排卵を促してます。ちなみにこのホルモンの組み替えは自然では起こりません。その無理が内膜が薄くなるということにつながります。

だから、刺激というよりも人工操作ですね。

ホルモン剤が全面的にダメなのではなく、中には人工操作であっても妊娠のきっかけをつかむことがあるし黄体を物量的に足せばうまくいくこともあります。

ただ、どんな体質の人が人工操作が必要なのかがわかっていないこと。
だって、妊娠しない本質的な問題は人工的な刺激が足りないことでも単純に量が足りないことでもないから。

それに月経リズムって妊娠するためだけのリズムでしょうか?
違います。妊娠し、なおかつ出産まで受精卵を赤ちゃんまで育てることです。

それを成功させるのは妊娠するまでのホルモン剤ではありません。
それを成功させるのは、あなたの身体の強さ、健康です。

不妊症の本質的な原因は上の7つなんですよね。
後からゴチャゴチャと科学的に、こじつけた原因も重要かもしれませんが順番としては生き物、動物としての原理原則から問題解決を考えてみましょう。赤ちゃんを授かるって本当、生き物の基本的なことですから。
ホルモン剤などの人工操作で妊娠をつかむことはできないことはないですが本質的には何一つ、問題を解決していませんので病院に過度な期待はしないほうがいいんじゃないかと数々の不妊症の方の相談経験から思います。