サプリメントは不妊症に効果があるのか?

不妊症で悩まれている方々は病院の治療だけでなく、いろいろなことをされていることが多いようです。

うちの漢方相談でも、よくある質問が、いろいろなサプリメントの不妊に対する効果に関して。
「タンポポ茶は不妊症に効果があるのか?」「マカは不妊症に効果があるのか?」

先に結論から言っちゃうとサプリメントは必要ないです。

「自分が漢方薬やってるから、サプリメントを敵対視して言ってんじゃないの〜」
いえいえ、そんなんじゃありません。ちゃんと根拠があります。

こんな結論言っちゃうともう一つ、疑問がありますよね。

「サプリメントってひとくくりにしてるけど、中には良いものもあったり悪いものもあったりだから”サプリメント”全般で必要ないって言うのはちょっと違うんじゃないの?」

いえいえ、サプリメント全般的に必要ないです。

なぜでしょうか?

お話する前に先に僕のサプリに対する経験を紹介をしておくと、昔にサプリメント関連の仕事をしていました。販売もしたことがあります。一からサプリメントの商品開発もしたことがあります。
ついでに僕の父親は薬局をやっててサプリメントをいろいろと組み合わせて、病気に対応する方法を全国の薬局さんに向けて講演していました。しかも結構、その筋では結構、有名な先生でした。

そのほか、僕は儲けではなく勉強のつもりでアメリカのネットワークビジネウスのアムウェイやニュースキンのサプリメントを使ったり(僕と家族が使っただけで他人には売ってません)勉強会にも何度か出ています。

さらに20代の時は自分自身がサプリオタクでその時はいろいろなサプリ飲んでて、僕自身もサプリの組み合わせで病気が治せるんじゃないかとメルヘンでファンタジーなことを考えていた時期もあります。若気の至りですね。

要するにサプリのことは18年前から知っていて、サプリのエキスパートといっても過言じゃないのではないかと勝手に思っています。

そんな僕ですが、不妊症にサプリは有効的ではないです。
いくつか有効でないポイントがあります。

なぜなら、サプリメントは基本的にはなんらかの成分を補充するものだからです。
何かの成分が足りていないから、それを補充する。

だから、どのサプリメントも疲れには効果があります。
しかし、これも持続感がありません。

不足していた成分などを加えるので、最初の3ヶ月位までは、サプリですごい変わった感じがあります。
カップラーメンばっかり食べてた人が手の込んだ和食やイイ食べ物を食べ始めるようなものです。

そのサプリに大した効果がなくとも、身体がそんな経験がないので、最初の3ヶ月は良くなる?ような感じになります。

でも、3ヶ月もすると慣れます。
だから良くなってるかどうかわからなくなります。

根本的な問題は、人間の身体の不調は何かの成分が足りなくなるだけが原因ではないのです。車じゃないんだからオイル交換だけしてりゃいいのではありません。

何かの成分が不足して不調になるのは病気になる原因のほんの一部にしかすぎないのです。
それに何かの成分が不足して病気になるなら、なんで栄養状態の悪かった戦後世代の人のほうが元気で長生きな人が多いんでしょ。

それに不妊症の原因は何かの成分が不足しているから不妊症になってるわけじゃありません。ほんの一部の影響があるかもしれませんが、微々たるものそれが全てではありません。

不妊症に関わっている大きな問題はホルモンですが、ホルモンの不足だけが原因じゃないのです。不足の人もいるし、全く不足はないけど、うまく連携して働いていないこともあるのです。
大体、身体に良い成分を補充して妊娠するなら、病院のホルモン剤で即妊娠ですよ。
病院のホルモン剤なんてサプリに比べたらホルモンの結晶みたいなものですから。

なによりも問題なのは、サプリメントの根拠。
18年前なんて、不妊症に効くサプリメントなんて1つもありませんでした。
でも、今、不妊症にいいとか言ってる酵素やルイボスティーなどは昔からあったんですよ。

なぜ、昔からあったものがココにきて不妊症に効くなんて言い出してるのか?

それはサプリメントの効果の根拠は常に社会や時代の流行に合わせているからです。

もともと、サプリメントなんて薬じゃありません。
食べ物に近いものだから、何にでも効くと言えば効くし、何にでも効かないと言えば効かない。

玉ねぎとかきゅうりみたいなものですよ。
何がしか細かく分析していけば、どんな食べ物にも良い成分はあります。

分析して発見した成分や働きを今度は、不妊症にこじつけるのです。
これ、推測でもなんでもなく、商品開発するとき僕がやってました。(今は治療を必死でやってるので時効にしてください)

もしくは、不妊症がトレンドなら不妊症に関連してそうなサプリメント探してきて、効果をこじつけて宣伝方法をつくりだします。

どんなサプリメントにもいろいろな成分があるので、何かはこじつけられます。
そもそも、ホルモンって人間が生きていくためにあるものですから、食べ物なんて、どれにもホルモンに役立つことにつながるものは含まれているんですよ。

それを引っ張り出して伸ばして、色塗りたくって宣伝します。
「この成分の何々が女性ホルモンに働きかけ、妊娠に導きます」
みなさん、こういった論理的につながってる説明に弱いんですよね。

これだけじゃまだ弱いので、これに「体験者の声」を追加しましょう。
「ずっと妊娠できなかったけど、1瓶飲んだだけで妊娠できました!」
これも自分の家族の誰かに直筆で書かせて、それをお客さんが感謝の手紙で送ってきたことにしましょう。

これでサプリメントの出来上がりです。
7割位が演出。
本当に役立つものもあるかもしれませんが、業界の裏の裏まで知ってる僕でも本当に良いサプリメントを探し出す自信がありません。

おまけにサプリメントの根拠にしているデータとか分析って病院のホルモン剤などに比べたら、投資された金額も人員も時間も桁違いに低いです。
大人と赤ちゃんのどちらの言うことを信じるのか?くらいのレベル。もちろん、サプリが赤ちゃんですよ。

サプリの根拠やデータって専門的に見たら不安になるくらい頼りないのです。
ようするに根拠やデータに関しては、病院のホルモン剤の劣化版です。

だから、そんな、いいのか?悪いのか?よくわからないものだったら、やらないほうがマシ。

じゃあ、漢方って根拠がしっかりしてるの?
成分などは、いろいろ謎ですよ。
だって、漢方って西洋医学と何の関係もないですから。

漢方は、2千年間の人体実験の事実と結果の集大成なのです。
過去に事実としって合ったことを医学的にまとめて、体質とそれに合う漢方薬という形で学問としそれを根拠に僕らは治療しています。

だから、漢方薬も病院がやってるみたいな西洋医学の病名や症状で選んでたら、サプリメントと同じ運命で劣化版漢方薬です。

漢方は理論を学ぶのが誰にでもできませんが、2千年間のたまりにたまった理論を読み解いていけば、病院のホルモン剤やサプリメントにも負けないのです。