漢方薬が効いていない時の対処方法

漢方薬の処方って実は、初回は誰でもできるのですよね。
販売資格的なことを除けば、能力的には一般の素人の人にだって、簡単に処方できます!
だって、何出したって相手には合っているかどうかわからないですから。

一般的にも漢方薬って「何ヶ月かで徐々に効いてくるとか」「自然のものだから効果が穏やか」など思われてるので、そんな都市伝説みたいな嘘っぱちに乗っかって、そう言っとけばOK!
なんか効果がわからなくても、ダラダラ飲んでおけばいいのです。「いつか治ると信じて!」

また漢方薬は、体質と合っていなければ、副作用になります。
時には激烈な症状になることもありますが、よくあるのは、ジワジワと副作用が出るパターン。
当帰芍薬散の胃痛、胃もたれなどのような感じですね。

漢方薬の副作用は普段にありがちな症状として現れます。
胃痛なんて、出たら珍しいって症状でもないですから。
だから、漢方薬の副作用に至っては、こちらから言わなければ「それ、漢方薬の副作用じゃないよ」って知らんふりもできます。

実際、病院で処方されている漢方薬で、その漢方薬の副作用が出ている人が結構いる感じですが、当の医者も患者さんもわかっていません。
医者は悪気があって、副作用を知らんふりしているというよりも、自分自身も何が漢方薬の副作用かわかってない感じです。
新薬みたいに事前にわかっている決まった副作用「吐き気、嘔吐、頭痛があれば・・・」みたいに漢方薬にも、そういったものがあると思ってるみたいですね。
こんな風に漢方薬自体を処方するのは難しくないですね。

実際に不妊治療の病院なんかの話でよく聞くのは患者さんの方から「漢方薬も不妊治療には良いものですよね?」って聞いたら「あなたに言われたから漢方薬を出した」みたいなパターンが多いようで、こんな処方の方法は、一般素人と同じですね。

ただし、初回にこういった処方をする場合は元から「漢方薬で治す気のない場合」です。

漢方薬で治療する気で処方する場合は、初回に何を選んで処方するかも、もちろん重要ですが、2回目や何かあった場合からが難しくなります。

初回は漢方はなんとでも誤魔化せます。
しかし、初回が終わって、2回目に体質をじっくり観察した場合に、いろいろな問題が起こります。

「良い変化があったのか?」「悪い変化があったのか?」もしくは漢方薬を飲んでも「何も変化がなかったのか?」漢方薬で治療するつもりなら「そのまま半年飲んでればいいじゃね?」みたいなファンタジーは通用しません。

ちなみにこの時に実際によくある反応は、「よくなったところもあるが、悪くなったところもあり、全然変化のないところもあった」という状態。
これが結構スタンダードで漢方家泣かせなのですよ。
細かく見ていったら単純に「良い」とか「悪い」の○×ではないのです。

この場合は、次の展開を考えていく必要があります。

漢方ではこういうときは「加減」とか「転方」といった方法で漢方薬の変更などを検討します。
加減は今の既存の漢方薬にある生薬を足したり、もとの漢方薬からある生薬を引いたりすることです。引くのは煎じ薬でしかできませんが。

転方とは、今の漢方薬から違う種類の漢方薬に変更すること。
なにせ、漢方薬って何百種類もありますから、1つの漢方薬で全然、結果が出ないなら、どんどん、変更していったほうがいいです。
3ヶ月で効くとか半年で効いてくるなんて全部嘘っぱちですから。
そんなのちょっと本格的な漢方の本だと、どこにも書いてません。

この転方(漢方薬を違う種類に変更する)の時にとってもダサいことになっていることがあります。

それはマニュアルに書いてあるものを順番に試していくこと。
例えば不妊症なら、当帰芍薬散ともうひとつマニュアルに温経湯が書いてあるわけですよ。

そうして、当帰芍薬散で結果が出ない(体質判断せずに処方しているところが何をもって良い悪いの結果とするのかはわかりませんが)となると次は、マニュアルに書いてある温経湯にするわけです。自動的に。

ただ単に次のを試していくだけ。
これは、もう悲しいし残念すぎますね。
マニュアルを順番にって、素人以下の方法です。
ダサいというより、やっちゃいけないです。

漢方では種類を変更する場合も理論的な理屈があります。
本来はその理屈に基づいて、変更します。
当帰芍薬散から温経湯に変わるときは「なぜ変更したほうがいいのか?」
東洋医学的な理由を先生に聞いてください。体験でなく治療のつもりで飲むのならば。

ただし変更するのはリターンとリスクがあります。

1ヶ月間、漢方薬を飲む。飲んだけど何も変化がなかった。
そして漢方薬は何百種類もある。
だったら、いろいろ変えた方が得に見えるわけです。

でも、次に変更したのが、いくら理論的に選んでいたって実際の結果的には体質に合っていなくて、副作用がバンバン出る処方かもしれない。

「漢方薬を変更する=次は良くなる」ではないのです。

そもそも、処方日数に1ヶ月分とか2週間分とか、一定の区切りがありますが、これは治療的にだけで考えられた区切りではありません。

漢方はどこまでいっても個人差があるのです。
だから、1ヶ月分飲んで何も変化がなかったけど、1ヶ月と半月で何か良い変化が出るタイプだったかもしれない。

この場合は、初回を飲み終わった時に漢方薬を変更しちゃいけないのです。
でも長く飲んだからって、延々と結果が出ない人もいます。

どっちなんだよ!

そう漢方はどっちでもないのです。
常にマニュアルが通用しない。
その人独自の体質、状態を考えて漢方家が決めなければいけない。
ここがとても難しい決断なのですね。

漢方薬が効いてなさそうな時は、漢方薬の種類を変更しないといけないし、変更しちゃいけない。

「その人の体質的にはどうなのか?」これに尽きます。