西洋医学の治療だったら個人差を考えなくてもよいのか?

病院では漢方薬は不妊症だったらツムラの23番か106番。
ちょっと捻りを加えて24番を処方します。

いずれも東洋医学的な問診はとらずにメーカーからもらったマニュアルもしくはメーカー主催の勉強会で聞きかじった話しを元に自動的に処方です。

こういった処方しかできない先生やそんな病院からしか処方されたことがない人には、
「漢方薬ってそんな感じで素人がネットで調べて処方するみたいな方法でOKなんだ」
って誤解されそうで恐いです。

しかし、東洋医学の法則にそんな方法は一切、ありません。
本来、漢方では体質を判断して、その体質に合わせてお薬を選びます。

ようするに病気(不妊症は病気ではないですが)が一緒だったら体質が一緒とは考えません。

当たり前ですよね。
うちでは不妊症の相談に一番、若い人で23歳。
一番高齢の方で47歳の人がいらっしゃっています。

ここで考えてみましょう。
23歳の女性。47歳の女性。
住んでいるところも違います。
ちなみに47歳の方は関東です。

漢方では症状や環境や今の状況などを聞いて、総合的に体質を判断するのですが、この2人の人は不妊症以外の全身の症状、月経周期、経血の状態などなど、全く一緒だと思います?

こんなの聞くまでもなく違いますよね。
そもそも身体の状態が全く一緒だったら、ロボットですよ。

年齢だけでなく、住んでいる環境、受けるストレス(仕事や家庭環境)、食事、運動、あらゆる要素が重なって、みんな体質が変わってきます。

なによりも持って生まれた体質。
持って生まれた体質と考えると分かりにくいですが、身長や運動能力や体力、視力、精神力、どの要素も違いますね。
これら、身体の要素は当然、病気とも関わってきます。

ところが西洋医学はさっきのような漢方薬の処方方法だけでなく、ホルモン剤でも同じみんなにほぼ同じ治療を施します。

個々の体質の違いだけでなく、ホルモン剤によったら、月経が毎月ある人も、月経が来ない人も同じ治療。

いくら西洋医学が体質にあわせて治療できない治療だとしても、おかしいと思いませんか?

自分は不妊で悩んではいるけど、月経は一応30日位できて、2層っぽくもなってる。
でも、治療は月経が来ない人と同じ薬。

漢方って病名であったり、皮膚科、眼科みたいな身体をバラバラに分けて治療するような考え方がないです。
体質に対して治療をしますので、外科的、急性すぎる病態以外は、全部みます。
だから、うちでは、不妊症の相談をしていますが、後縦靭帯骨化症という10万人に1人の難病の方も相談に来られています。

不妊相談を受けながら、同時にあらゆる病気の相談をしてますが、最近、思うのは西洋医学でも、もっと個人差を考えて治療するべきではないかということ。

もちろん、現実には西洋医学は「個人の体質」ではなく「人間」というジャンルに合わせた治療なので「人間」以上に細かく分けて治療する薬はありませんが、それでも薬の飲み方や個々の生活習慣への取り組み方の指導などで、その辺りの西洋医学の「弱点」は少しはフォローできるのではないかと考えます。

この間も普段は不妊症の相談をさせてもらっている方が元々、喘息持ちで急激にひどくなったので、やむを得ず病院に行きました。

そこで処方されたのが、「抗アレルギー剤」「気管支拡張剤」「ステロイド剤」「気管支拡張吸入剤」「ステロイド性抗炎症急乳剤」
プラス、点滴していきなよ〜。
点滴は断ったそうですが、要するに考えられる治療、全部みたいな感じ。

その時に2人で医者の仕事って楽でいいですよね〜全部出しときゃどれか当たるだろって仕事でいいんだから。
って話してました。
この例に限らず、最近の医者ってどこも数打ちゃあたる的な処方が多いように思います。

で、当たり前ですが、これタダじゃないです。
保険が効いていますが、それでもびっくりする金額。
値段だけの問題だけでなく、飲む事や対処療法の化学物を続ける不安など、いろいろ他の問題もあります。

だから、僕は西洋医学でも体質というか状況をみて、漢方のようにその人に合わせるべきではないかと思います。

この方、急激に喘息がひどくなっていますが、実は病院に行ったときには、それほど酷くなかった。そして、夜以外は喘息が出なくて最大の悩みは「喘息」ではなく「夜になると眠れないこと」更に秋には毎年、喘息になるが短い期間ですぐに治まるのです。
他の人の喘息と症状、状況が全然違ってそうですね。

もちろん、この事は医者に全部、話したそうですが「聞く気がないのか」「マニュアルで決まっているのか」わかりませんが、オールスルーで「数、打ちゃ当たるでしょ!の高額処方!!」

僕から薬の指示はできませんが、一応、生理学、病態生理学、薬理学を理解している僕なら西洋医学の理論で考えたとして「夕ご飯の後に気管支拡張剤」そして、寝る時に横になって、ちょっと咳が出て来たら軽い方の吸入。予備で夜中に咳で目が覚めたら、ステロイド性抗炎症急乳剤を使うかな。という話しをさせてもらいました。

なので、西洋医学でも僕個人としては、個々の体質や状況をよーく、よーく考えて、薬を選ぶべきではないのかなと勝手に思う次第です。

不妊治療でも誰でもクロミッド(セキソビット・セロフェン)、排卵周辺でHCG注射、高温期が短かったらルトラールっていう、マニュアル治療、やめませんか。
西洋医学でも、もっと、細かく話しをお聞きして、一人ずつに治療を考えてあげてほしいなと思います。