漢方治療はなるべく長い期間で受けたほうがいい

こんなタイトルを書いちゃったら「なんだ、おまえのとこの売上げを安定させたいだけじゃないか!」なんて思われそうですが、そうではありません。

純粋に治療として見た時に長い期間でみないともったいないことにもなるという話しです。

これだけで話をやめちゃったら、「やっぱ、おまえんとこの売上げのためじゃん!」って思われるので、もちろん、長い期間を見なければいけない理由を説明します。

その前に2点のことを覚えておいてもらいたいです。
1つは長い期間で構えたほうがいいとは言っていますが、うちでは体外受精を何度も失敗して1ヶ月とかで妊娠する人はめずらしくありません。
長い期間を考えていても、短い治療期間で終わることもあるということですね。

そういう実績を踏まえてお話します。

一般的に「漢方薬はジワジワ効いてくるから長く飲まないといけない」みたいな説明がありますが、あれは全くのデタラメで、そういう意味で長い期間で治療を考えたほうがいいという意味ではありません。

長く続けた方がいいかもしれない条件は、そこの先生が、

・東洋医学的に体質を判断できること。
・その体質を明確に説明できること。
・体調の細かな変化を聞いて漢方薬を変更できること。
・その変更は適当に試していくのではなく、以前の漢方薬から理論だって変更できてそれが説明できること。

この条件は必須です。
これができないようなツムラのマニュアルを見てテキトーに処方する病院や五行論や五臓六腑の説明と病気の原因がお血、お血と連呼するような先生のところは逆に長く続けちゃダメ!もっといい先生を探したほうがいいです。

漢方薬は初めに選んだ薬を辛抱強く飲んでいたら効くというものではありません!

漢方薬は病院の薬と違って飲まれた結果を処方した先生が検証することによって、体質に合っていたかどうかがわかります。

どの漢方の先生でも初回は推測で処方します。
体質にあっていたと分かるのは飲んだ後。
漢方薬をよく効かせることができるかどうかは、その先生の腕にかかっています。

漢方の腕はセンスと感覚と経験です。
人よりも何倍も勉強して良い点をとったって理論的にいろいろと知っていたって治療にとって最も重要なことではありません。
現場ではそう感じています。

点数で言えば、僕は国際中医師という資格みたいなものをもっていて、
その時に、ものすごく高得点をとっていますが、国際中医師の時に勉強した知識なんて今の現場で1mmも治療に役に立っていません。

横道に逸れましたが、マニュアルで治療できないのが漢方なんですね。
だから本の通りにやったって、1ヶ月後に治っているかどうかなんてわからないのです。

また、全身の調整といっても、全身が一辺に良くなるとは限らないのです。
10の内6位、良くなったとしても後の治療は漢方薬を変えていかないと進まないことが多々あります。

また、毎月、いろいろな漢方薬に変えながら調整、調整を繰り返し、いつか治るのではなく、毎月2、3のことがよくなっていきながら振り返ったらトータルで随分良くなっているというパターンもあります。

だから、患者さんの方も少し期間をみて辛抱強く、お付き合いいただければ、良くなっていくのですね。
最後に良くなるのではなく、飲まれている間中、良くなっていくのです。

ただし、これはあくまで先に書いたような条件を満たしている先生しかできないと思います。

漢方薬自体はマニュアルがあれば、不妊症に使うならコレとコレとアレとソレと。いろいろな漢方薬が書いてあるので、素人でも考えたフリして片っ端にお試しで処方できるようになっています。

しかし本当の漢方治療は処方を変更し調整するためには初回の東洋医学的体質判断が必須で、漢方薬を変更するには、その理由が必要です。
だから変えてもらう場合でもかならず、変更する東洋医学的理論の理由を問い質してください。うちでは聞かれる前に説明しています。

その理由が「マニュアルにもう1個、漢方薬が書いてあったから」
では、目もあてられません。