漢方の不妊治療の期間はどれくらい?
漢方薬をどれくらい飲めば妊娠するのでしょう?
3ヶ月?
6ヶ月?
残念ながら一般的に言われている「漢方薬が3ヶ月〜6ヶ月くらいでだんだんと効いてくる」というのは全くのデタラメです。
「でも、やっぱり、めちゃくちゃ時間がかかるんでしょ?」
う〜ん、それは、かかるとも言えるし、かからないとも言えます。
人それぞれ。おしまい。
って、これじゃあ、一般論すぎてブログを読む意味がない!
なぜ人それぞれなのかを医学理論的に説明しましょう。
当たり前の話しですが病院の不妊治療と漢方の不妊治療は全くの別物です。
不妊治療の病院で、なおかつ漢方薬を処方しているところは、大半が漢方のことをあまり知らずに、ただマニュアルにしたがって処方してるところが多いので、漢方薬を病院の治療の補助みたいに考えていますが、あれも大間違い。
そもそも、両者は治療の目的が違います。
西洋医学は年齢や体質やその人の状況に合わせて治療しません。
使うお薬は全員一緒です。
どんな状況の不妊症の人だろうが排卵誘発やホルモン注射は全部一緒。
効果の強い。弱い。の違いはありますが、基本、全員に同じ治療を行います。
漢方は違います。
そもそも西洋医学のホルモン剤のようにホルモンを操作することが漢方の治療目的ではありません。
逆に直接的にホルモンを高めたり、排卵を誘発したり、内膜を厚くする効果なんて漢方薬にはありません。
漢方の治療目的は、その人の体質を整えて、月経リズムを健康で正常な状態に整えることです。
体質は人それぞれ。ほんとうに人それぞれです。
みんなバラバラなんでその人の体質に合わせて調整するのが漢方薬の目的です。
体質を調整するというのは漢方薬を使って健康な頃の身体に戻していくことです。
現在の年齢。体質。現在の状況。
不妊症で悩んでいる人はみんな同じ年齢、同じ体質、同じ状況なわけがありません。
全員、バラバラ。
健康で正常な月経リズムに戻す方法はみんなバラバラなんです。
漢方は体質に合わせて選ぶというのはこういうことですね。
極端に言えば漢方では不妊症であるかどうかなんて、関係ないです。
「最高に良い月経リズムをもっていて不快な症状のない健康な体質かどうか?」
漢方治療でみていくのはココです。
例えば、うちの実例でいくと41歳で体外受精を何度も失敗。
病院にもサジを投げられた人が漢方薬のみにして1ヶ月半で妊娠しました。
逆に32歳で病院の不妊知慮の経験はほとんどなく、特に悪いところが見当たらなかった人が妊娠までに2年かかりました。
こんな感じで期間なんてバラバラなんです。
顔や体型が違うのと一緒。
みんなそれぞれ、自分の持っている自然治癒力があるのです。
ただ、誰も期間がわからないのか?
そんなことはないですよ。
漢方治療を始める際にどこから始まっているかが期間を知るヒントになります。
例えば、現在、月経周期すら一定でないのか?
月経周期は一定の感覚でくるけど、低温のままなのか?
月経周期も月経期間も普通だけど排卵反応がない状態なのか?
その人の現在の体質の状態がドコにあるのかで期間がわかります。
漢方は健康方向に調整していくものなので順番に整っていきます。
月経周期が一定周期になって基礎体温は2層にわかれ、排卵反応もキレイにでる。
ステップアップで徐々に整っていきます。
だから、どれくらいの期間がかかるかは、自分の状態がどこから始まるのか?にかかっています。
それと忘れてはいけないのは、不妊症は病気ではないということ。
人間の身体の持っている全てを使って赤ちゃんを育てるのです。
漢方薬で体質を変えていくことはできますが日々の食事や運動をどれだけ整えるかも治療期間にふかーーく関わっています。
だってそもそも体質をつくってるのって日々の食事や身体の動かし方ですから。
それにまだありますよ。
それはパートナーの方の健康状態や精力。
妊娠は1人ではできません。
奥さんが100%健康でもご主人が健康で元気な状態でなければ、うまくいきません。
これ男性はよく誤解しますが、病気でないからOK!ではないですよ。
ポイントは健康で元気に溢れているかどうかです。
妊娠はそんな甘いものじゃないですから、病気じゃなかったらOK!なわけないですよ。
大プロジェクトです。
そんな感じで漢方の治療期間は、まず自分の体質の状態の位置ですね。
そして日々の養生をどれだけ実践できるか。最後にパートーナーも同じように協力できるか。
この3つの要素で決まりますよ。
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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2014年1月24日 6:47 PM | カテゴリー:不妊治療と漢方について