サプリメントと漢方薬の違い。

「マカは不妊にいいのでしょうか?」

「葉酸は不妊にいいのでしょうか?」

うちで相談をしているとよく質問されます。

マカとか、いろいろなサプリメントのことを順番に書いていこうかなと思ったのですが、その前にそもそもサプリメントと漢方薬の違いを説明したほうがいいんじゃないかと思ったので、そこから説明します。

漢方薬は生薬という食べ物に近いものを何種類も合わせて1つの処方をつくります。

食べ物に近いものというのは生薬も自然からできるものなので、そう書いたのですが大きく見れば食べ物です。

生薬の中には生姜とかゴマ、くずなどの食べ物でおなじみのものもあるので、厳密には生薬も食べ物です。

ただ普段、僕らが食べているものと一線を画すのは生薬は薬効が強い事

実は食べ物1つ1つにも漢方的に見ると薬効があるのですが、生薬ほどは効果がありません。

生薬も普段食べているものも、どちらも食べ物ですが、その中で効果の強いものが薬になったといった感じですね。

サプリメントも食べ物由来のものが多いのですが、サプリメントはいくつかの種類に別れますので、まずはその種類から。

現在、サプリメントと呼ばれるものの中には3つのカテゴリーがあります。

1つはビタミン、ミネラル系です。

ビタミンCから始まって不妊症でよく必要だといわれている葉酸もこのビタミン系ですね。

2つ目は何かの食べ物のエキス

セサミンは要はゴマ。後、青汁なんかもこのカテゴリーです。

一般的に広く知られているサプリというのはこの2つのカテゴリーのどちらかであることが多いです。

もしくは、2つ合わせて、何かの食べ物エキスに「ビタミン・ミネラル」が豊富に含まれている。というパータンです。

3つ目は漢方薬の生薬の1つか、いくつかをサプリメントとしているもの。

こういったサプリは勝手に漢方薬と説明していたりします。

タンポポ茶などがそうですね。

生薬使っているなら、「漢方薬じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は決定的な違いがあります。

ビタミン系のサプリメントはアメリカの最先端の研究では「ビタミンは単体のビタミンのみで働くわけではないので、飲んでも意味がない。それどころか害になる場合もあるので、飲まないほうがいい」とか言われ始めました。

例えばレモンにビタミンCは多いですが、ビタミンのみで身体の中で有効に使われるわけではありません。

他のミネラルなどのいろいろな成分が合わさって効果的に働きます。

つまり、ビタミンCを有効的に身体で使おうと思ったらビタミンC以外も必要になり、その他の必要なものを集めたら「レモンになる」ということですね。

「だったらレモンでいいじゃないか」という振り出しに戻る話しですね。

ビタミンCをとった後にオシッコの黄色くなるのは、明らかにちゃんと吸収されていません。

それが更に他の材料が足りないからビタミンCとして有効的に働かないよといわれたら、サプリメントってもはや自己満足のなにものでもないわけですね。

漢方薬は漢方薬の中の何かの成分が効果を発揮するわけじゃないので、ビタミン系サプリと漢方薬は全くの別物です。

次に2つ目の何かの食べ物のエキス。

漢方薬の中の生薬も食べ物の仲間なので、これは違いが少なそうですが、これも全くの別物。

そもそも、ゴマとかお酢って普段、そんなバカバカ食べません。

これもさっきのビタミンの成分的な考えと同じでゴマの中のセサミンという成分がなんたらかんたらと説明してても身体の中では、その成分だけで有効的に働くわけじゃないのですね。

それにさっきのビタミンと違って今度は生薬に近い漢方です。

食べ物には食性があります。

例えば砂糖は身体を動かすエネルギーですが、有効的な成分だからといって、サプリメントのように砂糖のエキスをたーーーくさんとったらどうなるでしょう。

逆に身体は疲れます。

そして砂糖の副作用である吐き気に襲われます。

長く続けたら糖尿病です。

砂糖はわかりやすい例ですが、砂糖だけが例外ではありません。

ゴマやお酢も同じ。

当然、ゴマやお酢にも食性があるので、成分が良いからってたくさん摂るものではありません。

もし、ゴマやお酢をたくさんとったほうがいいと思っているなら、砂糖や塩だってたくさんとってもいいと思います。

ちなみにゴマの副作用は余分な熱がこもること。

胸焼けなども起こします。

つまり、漢方的には、普段から熱がこもる熱証タイプにはになります。

お酢の副作用は胃痛です。

要するに簡単に言えば「バランスを崩しているから身体にかえってよくない」ということですね。

サプリメントと漢方薬との違いはここ。

この手のサプリメントは漢方薬と正反対でバランスを崩しているので、毒になりかねないということです。

最後の生薬を使っているサプリメント。

タンポポ茶などですね。

これは、非常に漢方薬によく似ています。

原料はなんだったら一緒です。

生薬系サプリメントと漢方薬の違いは、先の2つのサプリメントとは全く違う理由があります。

それは漢方薬の配合は、古来より決まっているもので、この配合とバランスによって、「どんな体質の人に合うのか」が厳格に決められています。

漢方薬と体質が合っていなければ、ちっとも効かないのは、こういった漢方の治療の大原則に基づいています。

一方、生薬を使った漢方風サプリは古来の大原則を無視して、サプリのメーカーが自分勝手に配合しているので、どんな体質の人に合うのかがわかりません。

実際は、漢方薬的な説明をしておいて、「ビタミンやミネラル、なんちゃら成分が、体によい!」と結局、よくあるサプリメントみたいな感じになっていて、生薬を使っていながら、漢方とは何も関係がない状態になっています。

サプリメントは要は、ただの栄養補給です。

しかも、本当にその成分が不足しているかどうかもわかりません。

漢方薬は、薬の成分がすごいのではなく、体質に合わせるノウハウがあることがすごいのです。

しかし、医者や大半の漢方薬局の先生は、体質と漢方薬を合わせるノウハウを無視して、病名や症状だけ見て、マニュアルで選んでいるので、漢方薬が、どうでもいいサプリメントに成り下がっています。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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