不妊治療 病院の治療と漢方治療の違い(病院編)

不妊治療の病院と漢方の治療は全く違うものです。

大きな違いは、身体に対する考え方です。

不妊治療の病院では、治療は何段階かに別れています。
第一段階は、タイミング療法。

療法といってもただ単にエコーやら、排卵検査薬で排卵日を調べ、排卵予定日っぽいからタイミングとってみたらと教えてくれる療法というかアドバイス。

第二段階は、ホルモン療法
西洋医学は、身体を機械の部品のように考えるので、
「不妊なのは、ホルモンが足りないからだろう」って考え、ホルモンを薬によってつけ足します。

ここが漢方と大きく異なります。
漢方では「あなたが不妊なのはホルモンが足りないから」って単純な考え方はしません。

もちろん、足りない人もいるでしょうが、全員が全員、ホルモン量が足りないわけではありません。

ホルモンの分量だけの問題ではないのです。
ホルモンをつくる力が弱いだけであったり、それをうまく使うことができなかったり、身体の中でいろいろな問題があるはずです。
人それぞれですね。

でも、西洋医学では全員、「不妊症の人はホルモンが足りてない」といった考えの元でホルモン剤の投与を行います。

初めは、スタンダードに排卵誘発剤(セキソビット、セロフェン、クロミッドなど)の服用から始め、黄体ホルモンが足りないと思えば、黄体ホルモン剤(ルトラール、プラノバールなどを服用してもらい、「いろいろホルモン足りなkてよくわからないっ」となれば混合ピル(ソフィアなど)を服用してもらいます。

漢方的というか自然的に見ると、このホルモン剤ですが厳密にはホルモン様作用で、あなた自身の体内でつくられる自然のホルモンとは違います。

あくまで人工ホルモンです。
この当たりの事も理論上でうまくいくはずなのに現実ではうまくいかない理由なんでしょう。

第三段階は、人工授精(AIH)です。
外に取り出された精子を注射でとって、膣内へ送り込みます。

第四段階は、体外受精。
卵子を外に取り出し、外で精子と受胎させて再び戻します。

体外受精は、更に何通りかに別れます。
どこまで受精卵を分割させるのかとか、単純に受精卵を戻すだけとか、病院によって方法が微妙に変わることもあります。

要は、採卵して、受精させて子宮に戻すってことです。

まとめると病院の不妊治療は、

①タイミングをアドバイスしてもらう
②ホルモン剤を飲む
③人工授精(AIH)
④体外受精(IVF)

この方法は、全国どの病院に行っても変わりません。

大体の方は、②のホルモン剤を飲んで治療みたいなパターンが多いです。
ただ、ホルモン療法は化学的に作り出した人工ホルモンを足しているだけなので、ホルモン剤で結果が出ない場合などは苦しまぎれに漢方薬を出すところがあります。

当帰芍薬散や温経湯を
「自然のお薬でホルモンを増やしてくれる」といったような全く漢方をわかっていないトンチンカンな説明で処方します。

もちろん、こんなのは、漢方の不妊治療ではありません。
人工ホルモン剤を漢方薬にすり替えているだけで、こういった間違った方法を漢方治療だと思わないようにお願いします。

漢方編に続きます。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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