サプリなどいろいろ、いいモノを飲めば妊娠しやすくなりますか?
不妊症は病気の治療ではないので、決定的な原因がないため、いいと思われることは、なんでもやったほうがよいと思われがちです。
病院のお薬やサプリメントは、効果的な成分は多いほど身体に良いと思ってしまいます。
実際、一般医薬品と医者が処方している医薬品の違いは、その薬の成分の濃度が多いというだけで、病院側はそれをウリにしています。
また、濃度だけでなく、いろいろな効果のあるものをとれば、よりいいのではないかとも思われがちです。
しかし、こういったものは急性病や一時的な症状などをその場だけ治す対症療法なら効果的だと思いますが、慢性病では通用しません。
特に不妊症となると、そもそもどこかの臓器が悪くて薬を飲んで治す訳ではないので、こういった考え方で薬やサプリメントを飲んでも、不妊症には通用しません。
妊娠はその人の持っている月経リズムが正常になれば、後はタイミングが合えば成功します。
病院では、クロミッドなどのホルモン剤で排卵を人工的に強化したり、低温期から高温期への移行をhCG注射で強化したり、高温期をルトラールなどで伸ばしたりします。
漢方では、その人の本来持っている月経リズムを健康的な正常な状態に戻し、その人の持っている弱点を補います。
病院の治療だろうが、漢方の治療だろうが、妊娠のために必要なのは、正常な月経リズムです。
そして、この月経リズムは大きく4つのホルモンでバランスをとっています。
ちょっと想像してほしいのですが、1本の棒の上に正方形の板を皿まわしのように載せて、その板の四隅にボールをおいて4つのボールで板の平行性を保つ感じもの。
4つのボールは月経リズムに関係するホルモン。
エストロゲンと黄体ホルモン。
LHホルモンと卵胞刺激ホルモン。
これら4つはそれぞれバランスをとっています。
どのホルモンの作用が強くても弱くてもダメ。
例えば、エストロゲンなんかは、黄体ホルモンと真逆な働きの部分があるので、黄体ホルモンなどが強くなり過ぎるとエストロゲンは弱くなってしまいます。
どれもがベストな状態というのがあるのです。
病院のホルモン剤は、このバランスを崩します。
クロミッドはLHホルモンを強めて、エストロゲンを弱めます。
さっきの板でいったら、載ってるボールが重くなって、片側2つが大きく傾いてしまいます。
そうなるとボールと板は全部、落っこちて終了。
この板はそれぞれのボールがバランスをとって平行と保たないといけないのです。
でないと、妊娠につながりません。
なので、不妊治療とは、ボールのおもりを慎重に慎重に調節して、4つのホルモンのバランスを整え続ける作業をすることが重要なんですね。
不妊治療をしていると、なかなか先がみえないので、いろいろなサプリメントも飲んだほうがいいんじゃないか?
漢方薬もできるだけ多く飲んだほうがいいんじゃないか?
と質問されることがあります。
でも、これは危険。
不妊治療はバランスを調整する作業なのです。
大は小を兼ねません。
結局、その人の体質に合っているもの以外はバランスを崩すものなのです。
だから、サプリメントも必要な体質の人もいるし、飲む事によって余計にバランスを崩して悪くなる人もいます。
漢方薬に関しては、何種類も飲む必要がありません。
元々、漢方薬は全身の症状や状態を分析して、原則は1つの漢方薬を選ぶのです。
中には漢方の理論を知らない先生は、1つの症状に1つの漢方薬をあてはめていって、複数の漢方薬を処方しますが、漢方はそんな方法はとりません。
合病、兼病といって2つの体質が重なっていることもありますが、その場合は、合方といって、2つで1つの処方をつくりだすので、やはり複数の漢方薬を飲むのは非効率どころか、かえって害になることもあります。
だからうちでは、全身の症状を総合的に分析して漢方薬は体質にあった最適のものを1種類に絞って選びます。
サプリメント的なものは、サプリメントとあなたの体質が合うと判断すれば、おすすめしますが、必要でなければ、邪魔になるだけなので、おすすめしません。
漢方のような自然治療では、大は小を兼ねませんから。
あくまでピッタリの薬や量を探さないといけないのですね
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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
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2013年10月9日 6:42 PM | カテゴリー:不妊治療と漢方について