高プロラクチン血症って本当に不妊原因につながるの?

西洋医学の不妊原因の中に高プロラクチン血症というものがあります。
僕は漢方の現場で治療をしてきて、この原因に関しては、本当に不妊に影響しているのかなと昔から疑問です。

ちょっとここで「プロラクチンって何?」って思われる方もいらっしゃると思うので簡単にご説明しますね。

プロラクチンとは、ホルモンの1つです。
主に生殖系に関わるホルモンで、役割としては、

・乳腺の発達 妊娠期には乳腺葉を発達させる。
・乳汁合成 母乳生産の補助。
・乳汁分泌 搾乳刺激があれば乳汁を分泌する。
・黄体刺激 黄体機能を維持し排卵を抑え、また子宮内膜を厚くする。

これらが、プロラクチンの役割です。

このうち、プロラクチンのもってる黄体刺激が排卵を抑えるため、不妊の原因になると考えられています。

だから、プロラクチン値が高ければ、下げないと不妊から脱出できないという図式です。
子宮内膜は厚くするんだから、排卵部分だけで考えて「良くない」と考えるのがいいのかよくわかりませんが。

ここで僕は疑問が湧きます。

うちは3人兄弟なのですが、下の弟が年子です。
そして、僕らの時代は、兄弟のこういった年の差は特にめずらしくないです。

その時のことを冷静にイメージしてみてください。
そう、授乳中に妊娠しているのです。

これは、僕の勝手なイメージですが、不妊治療のない、昔の子だくさんほど、
授乳しながら、子供ができて・・・といった感じがあります。

でも、高プロラクチン血症があると妊娠しないのであれば、授乳が終わるまで妊娠しないってことですよね?

ということは、兄弟、姉妹はかならず2歳以上は離れているということでしょうか?
2歳以上、離れていない兄弟は異常なのでしょうか?

なんかこの辺が不思議です。

そして、もう一つはプロラクチンの検査数値だけをみて、高プロラクチン血症として、お薬(カベルゴリン:カバサール)を処方する病院が多いですが、
高プロラクチンを検査数値が高いというだけで判断してもよいのでしょうか?

基準値よりも高いというののであれば、症状や状態的に乳腺の発達や乳汁の分泌もみられるのではないかと思うのですが、
ただ、単純に「数値が高い」というだけで、
「はい、高プロラクチン血症です。この薬飲んでね。」ってあまりに短絡的で単純な気がします。

例えば、プロラクチン血症の原因には、
・プロラクチンを産生する腫瘍(プロラクチノーマ)がある。
・甲状腺の機能低下。
・下垂体や視床下部の腫瘍。
・ドーパミン阻害剤(ドグマチール、レセルピン、アルドメットなど)を服用している。

などがあります。
でも、高プロラクチン血症だと言われた患者さんの話を聞いても、
上記に書いたようなことを調べるために検査したり、他で飲んでいる薬なんて聞かれたことがないとのこと。

西洋医学はデジタルの医学なので、何かの治療をするために原因を特定する場合、あらゆることを調べた上で結論を出さないといけないと思うのですが、なぜ「プロラクチン値だけをみて判断」と適当なんでしょう?

総合的に判断せずに数値だけで決めてしまっていいのでしょうか?
???が一杯です。

そして、何よりも適当だなと思うのが、大半の病院が「プロラクチン値が高いからカバサールを飲めっ」ていっておいて、その後、プロラクチン値が正常になったかどうかの確認の検査をしないでフェードアウトしている病院が多いのです。

「えっ、自分で不妊の原因だといって処方しておいて、それがどうなったか、気にならないの?」

この態度がより疑わしいと思うのです。

これは決して高プロラクチン血症でも薬を飲まなくてもいいと奨励しているわけではありませんが、カバサールで副作用が起こって飲むのが嫌だといって、カバサールを飲まず、そのまま、うちの漢方治療のみで妊娠した人はたくさん、いらっしゃいます。

そもそも、プロラクチンが高いから排卵していないという因果関係も証明できないはずです。
現在の医学では「ひょっとしたらそうかも?程度でしょ?先生」

なんにしても、不妊症というのは病気ではないので、西洋医学でも結局、本当の原因はわかっていないんだろうなぁ〜って思います。

だから、体外受精を含めても、あんなに妊娠確率が低いのですね。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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