残念ながら病院の不妊治療は長く続けても体質は変わらない。

不妊症を病院で治療するのと。漢方で治療するのと。
どんな違いがあるのでしょう?

病院は人工的な薬を使っている。
漢方は自然のお薬を使っている。

そんな単純な違いではありません。

両者には大きな違いがあります。

簡単に言うと、病院は強制的に基礎体温をホルモン剤で修正し、平均的なきれいな基礎体温になるようにします。

お一人、お一人の体質は関係ありません。
年齢、病歴、現在の症状などは関係ありません。

あくまで、決まった効果のあるホルモン剤で強制的に平均的な月経リズムや排卵リズムになるように誘導します。

漢方は、自力で月経リズムがキレイになるようにお手伝いします。
強制的に基礎体温を整えるわけではありません。

漢方では、月経リズムや基礎体温が乱れているのは、体調のバランスが崩れているからと考え、その人の年齢、病歴、現在の症状などに合わせて、漢方治療を決定し整えていきます。

だから、逆にHCGのように強制的に高温期にしたりすることはできませんし、基礎体温も平均の28日周期になるかもわかりません。

漢方は、自然で最もよい健康状態を目指しているので、人によって、月経リズムや基礎体温も変わります。

ある人は、排卵日が月経から13日目から10日目に変わってきて妊娠したり。
ある人は、月経周期が28日周期から30日周期になって妊娠したり。

漢方から見ると病院の治療は擬似的な妊娠しやすい状態をつくっているように見えます。
言い方が乱暴かもしれませんが、要するに自分の身体をホルモン剤で騙して妊娠の陽性を出させるような感じです。

よく、病院で「ちょっと治療を休みましょう」
なんて言ってるのは、強制的に身体に無理をさせているのを分かっているからでしょう。

ホルモン剤は効果が高いので、身体を騙す事はできますが、ここで2つの問題があります。

1つは先ほどのいつもの自分とは違うリズムをつくりだして身体に無理がくる。

もう一つは、妊娠の陽性が出たとしても、結局、その後、流産になる可能性も抱えている。
なぜなら妊娠陽性反応後の9ヶ月は、薬と関係なくなり、自分の身体だけが頼りですから。

僕は西洋医学の否定派ではないので、うちでは、病院の不妊治療と併用であっても、病院の治療とのバランスをとりながら治療するように考えてきました。

ただ、最近は、結局、その場しのぎでホルモン剤で擬似的な良い状態を作りだしても、小手先のテクニックは出産までつながりにくいのではないかと思うことがよくあります。

なので、病院の不妊治療と併用する場合は、まずは体質を整えて様子をみながら、少しずつトライしていったほうが病院の治療も効果的なんじゃないかと思うようになりました。

それと、もう一つ、大事なことがあります。

病院の不妊治療は擬似的な状態を作り出し、妊娠のチャンスを作り出しますが、本質的には、身体の状態は何も治療しません。

冷えてる人なら冷えたまま。
疲れやすかったら疲れやすいまま。

つまり、どれだけ長く続けても、毎回、毎回、ギャンブルのように妊娠チャンスを作り出すだけなので、長く続けたからといって妊娠の可能性が高くなるわけではありません。

毎回、1か0のチャンスがつくりだされるだけ。

ホルモン剤で月経リズムが整っていても結局はホルモン剤をやめた途端に身体は良くない状態に戻るのです。
自分で排卵し、自分で高温期に切り替え、健康な赤ちゃんを自分で育てるためには、自分自身の体質が健康でないといけません。

病院の不妊治療を長く続けて疲れてる方は、一度、体調を整えることから初めてみてはいかがでしょうか?