自分で選んだ漢方薬は危険な場合もありますよ

うちは、非常にありがたいことに患者さんの方から、
友達に先生の店を紹介したいのですが、どう話したらいいですか?
って聞かれます。

まず、漢方っていうのが、よくわからない。
その中でも、うちは世間とは違う方法で漢方をやってるので、
余計に説明しずらいんじゃないかと思います。

ちなみに勝手に吠えているように感じるかもしれませんが、
8割の病院や薬局が間違った漢方の方法でやっていて、
うちは漢方医学的にみれば、伝統にのっとった方法でやってます。
(厳密に8割かどうかはわかりませんが、業界に携わってきた感覚です)

漢方に関しては、8割が医学的に間違った方法がまかり通っているので、
伝統的な正攻法でやっているうちがレアな感じになるのはおかしなことなんですが。

で、紹介しようといろいろと周りにお話した時に最近は、
漢方が雑誌に載っていたり、ネットでもいろいろと情報を調べることができるので、
自分で調べたりして、飲んだりする人も増えてきました。

まー別にどんな方法で飲んでいただいてもかまわないと思いますが、
専門家として言わせてもらうと、
2千年間なくならずに続いてきた医学が雑誌や本をちょろっと見てできるほど甘くはありません。

先ほど、漢方の病院も漢方相談をしている薬局も含めて、
8割が間違った漢方の方法で漢方薬を処方していると話しました。

なので、漢方は医学でありながら、日本では基準が、なんとなくゆがんでいます。
だから、ネットや本、雑誌などに載っている漢方の事は、
その間違った方法を載せているということです。

間違った方法の代表的なのは、病名漢方です。
病名漢方とは、アトピーだったら消風散がいいよとか、
老人の夜尿には八味丸とか、
不妊症なら当帰芍薬散という簡易マニュアルの方法。

東洋医学と西洋医学は全くの別物なので、
西洋医学の病名で漢方薬を選ぶ理論は【漢方の医学の中には存在しません】

この方法は、漢方の医学理論を勉強しなくても出せるように考え出された間違った方法です。
間違った方法なんですが、医療の専門家である医者や薬剤師が、
平気でこの間違った方法で漢方薬を処方するので、
いつのまにか、それが一般では、おかしい方法ではなくなりました。
(漢方家からは病名漢方はナンチャって漢方って呼ばれていますが)

これが大勢を占める方法になっているので、
ネット、本、雑誌の方法も全部これにならっているような感じになっています。

それで、一般の人が漢方の事を自分で調べようと思ったら、
この病名漢方に行き当たるのですね。

で、自分が不妊症だから「当帰芍薬散がいいんだ」みたいな占い的な軽いノリで選びます。
それで「な〜んだ、漢方薬ってちょっと調べればわかるじゃん」
って勘違いする人も出てくるのですね。

一般液な漢方の情報はほぼ間違っているか、簡単にしすぎています。
当たり前ですね。僕が読んでる専門書なんかを一般的な雑誌にしたり、
ネットの情報にしても売れないし、読んでくれないからです。

だって、患者さんに僕の読んでいる漢方の本を見せたら、
「1つの単語も理解できない」「9割意味がわからない」って言います。

漢方は本来、体質に合わせて選びます。
体質を判断するのは病名ではありません。

【病名は参考にはしますが漢方薬を選ぶ要素のごくごく一部にしかなりません】

本来は「六経弁証」「八綱弁証」「気血水弁証」「臓腑経絡弁証」「三焦弁証」「衛気営血弁証」など、
漢方独特の診断方法を用いて体質を判断し、漢方薬を選びます。

つまり、漢方の医学理論を知らない病院や薬局、自分自身で選んだ漢方薬は、
本来のルールを【全て無視してテキトーに選んだ】っていうものなんですね。

だから、うちに来てよッっていうわけではないです。
僕は、みなさんが、ご自身の思うやり方をされるといいと思います。

ただ「漢方とはそんなものですよっ」ていうことですね。

ただし、漢方薬自体はいいものですし、テキトーでも当たる時は当たります。
だから、はじめから当たりはずれでいくのをわかっていれば、
それもアリかなと。

そして、ここからが重要なんですが、
漢方薬って自然のものだから、テキトーに選んでも大丈夫と思っていません?

漢方薬には副作用があります。
それは、体質に合わない漢方薬を飲んだ時。

これを漢方では「誤治」といいます。まんま、誤った治療ですね。
そして「誤治」には続きがあって「誤治」を続けていると「壊病」になります。

この「壊病」がヤバい。
壊病とは病がこわれる。つまり病が更にこじれるということ。
漢方薬で体質を治すはずが、よけいなダメな体質が付け加えられて、こじれるのです。

だったら、合っていないと思ったらやめればいいじゃんって思うでしょ?

ところが、漢方の場合、病院の薬みたいに、わかりやすく、はっきりと出ない場合もあるのです。
ジワジワ、なんとなく体質がこじれて悪くなっていきます。

自分でいろんな漢方薬を飲んできた人を僕たちは
「漢方ジプシー」って呼んでいるのですが、
漢方ジプシーは、漢方薬を飲んだことがない人よりも、やっかいです。

「壊病」は体質によっては、間違った漢方薬を止めるだけでは、
元に戻らないこともあるからです。
その場合は、治療ではなく、「壊病」を治すところからはじめないといけないのですね。
マイナスからのスタートです。

それを防ぐために「体質をみる」必要があるのですね。

どんな方法で漢方を使われても自由だと思いますが、
漢方薬は最終的に選んだ人間が責任を持ちます。
病院だったら病院の先生、薬局だったら薬局の先生、自分だったら自分自身。

「本」に書いてあったからという言い訳は現場では漢方には通用しません。
だってその「本」が本格的な東洋医学理論にのっとったものとは限らないからです。
(そもそも専門家でなければ、本格的な本は読み解けない)

試してみるのはいいですが、「誤治」「壊病」にご注意あれ。