月経リズムと高温期の関係
今まで月経期と排卵期の説明をしてきました。
月経期と排卵期の2つを合わせて低温期とよびます。
それに対して排卵期の後から次の月経期までを高温期とよびます。
今回は今までの説明の残りの高温期です。
卵包の内部の細胞は、排卵の後、大きくなって黄体というものに変わります。
黄体からは黄体ホルモンが分泌されます。
黄体ホルモンは卵包ホルモンとともに受精卵を養い、着床の準備を整えて体温が上げます。
妊娠がなかった場合、黄体がなくなっていき、月経が起こります。
不妊治療の病院では高温期が短かったりするとルトラールというお薬やプラノバールというお薬を処方します。
ルトラールは偽黄体ホルモン作用で、プラノバールは卵包ホルモンと黄体ホルモンが混ざった合成ホルモン薬です。
このお薬も今までの女性ホルモンの治療と同じ考え方で、
「高温期が続かないのは、黄体ホルモンが足りないからだろう → だから人工的に黄体ホルモン足せばOK!」みたいな感じ。
ホルモン剤を飲めば高温期が延びますが自然治療している僕から見ると高温期を延ばす作用のあるホルモンを強制的に体内に入れるのだから高温期が延びて当たり前!
「短かった高温期が延びた!やったー!」とはなりません。
付け足すように延びた高温期は自分の本来のリズムとは違いますから、ある影響があります。
そのある影響とは、次の月経。
高温期が高いままでいつもより延びたら今度は次の月経で月経がはじまったのに体温が高いままという状態になったりする人もいます。
人間の身体って正直ですね。
高温を延ばす人工的お薬で高温期間が延びる → 自分のもってる月経リズムは自然のホルモンの運行で行われていて月経が始まる → 人工ホルモン剤で高温期的な状態継続中 → 体温高いけど月経は始まってる
なんてことになります。
ようするにホルモン剤で高温期間を付け足してるだけなんですね。
どうしてこんな治療になるのか僕なりに考えてみました。
そして、わかったのが、西洋医学では、月経リズムにリセットって言葉を使います。
これって次回の月経はまたゼロから始まるみたいなイメージがあるのだと思います。
今周期はいろいろあったけど、月経からはまたゼロからリセット!
みたいな感覚でしょうか。
ところが、実際は高温期の最後の日に一度死んで、次の月経の日に生き返るといった風になりません。
それだったら、リセットされそうですが・・・。
実際は、体内はリセットされずに円を回るようにつながっているのです。
だから、前の月経の高温期の影響は次の低温期に影響します。
前周期の排卵誘発や高温期の付け足しは次の月経期にしっかりと影響するのですね。
だから、ホルモン剤の多い人は、どんどん自分本来がもっている月経リズムとズレが生じてきます。
ホルモンの働きが弱い人や物量が足りない人は、人工的なホルモンを外部から加えることによって、働きが補われて、うまくいくと思うのですが、不妊症の全員の人の原因がそうではありません。
そもそも、ホルモン剤を使う前に「刺激が足りていなくて排卵しないのかとか」「物量が足りないから高温が保てないのか」とかを調べることすらしていません。
検査をして少ないとか多いとかだけです。
それの数値だってよほど極端な数値でない限り、ほんとに悪いのか分かりません。
だって、数値の基準はあくまで平均ですし、その人の健康な時の基準が平均と近いのかもわかっていませんから。
ほんとにその人、個人の身体の事、わかってやってんのかな?って思います。
漢方では、黄体ホルモンを活性化させるとか、排卵させるためにホルモン分泌を促すとかそういった治療ではありません。
漢方のよくわかってない病院や薬局では、そんな説明する勘違いした人がいますが、
体調を整えながら本来のリズムを探していくのですね。
そして、そのリズムに逆らわずにより妊娠しやすいリズムに導きます。
そのためには大事なのは、体質が整っていて健康であることです。
ホルモン剤飲んで月経リズムがすごくよくなった!
でも足は冷えるし頭痛もある。月経痛も結構ひどい。
そんなので「自分の中の月経リズム」が整っているわけありませんよね。
以上、月経から排卵、高温期までを書いてみました。
2013年1月31日 7:08 PM | カテゴリー:病院の不妊治療について