漢方薬をどれくらい続ければ妊娠しますか?

「漢方薬をどれくらい続ければ妊娠しますか?」これは、よく聞かれる質問です。
その後に「もちろん、体質によって違うのはわかっているのですが・・・」とよく言われます。

そう、そこで答えは終わってます。
皆さんが思っている通りです。

体質によって違います。

でも、それだったら「あなたに聞くまでもありません!」
って怒られそうなので、なぜ妊娠する目安がわからないかを詳しく考えてみましょう。

不妊治療では、こんな説明をしていないと思いますが、
なぜか、病院では漢方薬が効いてくるのは「3ヶ月〜半年くらい」と説明しています。

この説明。どこから出てきたのかわかりません。
そもそも、漢方のどの本をみても、そんな期間は書いてありません。

おそらく偽物漢方が大好きな病院で扱っている「某漢方薬メーカー」が広めたのでしょう。

さきに言い切っておくと漢方で3ヶ月〜半年位で効いてくるという理屈は存在しません!

では永遠に続けないといけないのかと言うとそうではなく、
教科書的な理屈からいくと、期間ではないですが、1つの目安として、

「その病にかかった年数が長いだけ時間がかかる」と言われています。
つまり、昨日、今日になった風邪なら、漢方薬でも今日、明日で治ります。
病気になってから何十年も経ってたら何十年とは言いませんが、それだけ長くかかります。

でも、これは病気の治療の場合。

不妊治療の場合は、治療って呼んでますが、
そもそも病気ではないです。漢方では、体質をベストにもっていって、
自然妊娠できるように調整します。

そして妊娠は、男女2人が関わっていて、それがまたややこしくするんです。

1えば、うちでは1人目希望の不妊治療の方は一番若い人で23歳、一番上の人で45歳の方が来られています。
体質うんぬん以前に年齢で22年の開きがあります。

また、その中には、不妊クリニックの治療を受けたことがない人、不妊治療の病院でホルモン治療などを何年かした人、不妊治療の病院で人工授精で妊娠しなかった人、不妊治療の病院で体外受精で妊娠しなかった人がいらっしゃって、

更に不妊以外に体に何も問題ない人や不妊以外に子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、卵管閉塞などなどの疾患がある人もいて、

更に更に男性不妊で病院で一緒に治療している人、検査で問題なかった人、検査で問題あった人、全く不妊治療に関知していないご主人など。

本当にいろいろな人がいます。
これに更に更に更に漢方的に見ると、体質の違いが加わります。

一言で不妊症って言っても、これだけの違う方がいらっしゃるのですね。

ついでに「病名で漢方薬を処方マニュアル的に処方する」ことが、
どれだけ愚かな行為かもわかります。

だから「不妊症なら漢方薬で半年くらいで妊娠します」
なんて言えないのです。

むしろこんなこといってる病院や薬局があれば、「私のこと何も知らないくせにテキトーなこと言わないでください!漢方の事、本当に知ってるんですか!」ってキレてもいいくらいです。

うちの経験からいくと、40代で体外受精でマンション買える位、お金を使った人が、病院の治療を全部やめて、1ヶ月で妊娠した人がいます。
(ちなみに漢方薬を飲まれて1ヶ月で妊娠というのはうちではめずらしくないです。)
しかーし、反対に中には3ヶ月位しかホルモン治療を病院でしていなかった人が2年半かかった例もあります。

どれくらい?って聞かれたら、
商売的に考えれば、みんながなんとなく思っている「3ヶ月〜半年位でしょうかね」
なんてシレッと言ったほうがいいのかもしれませんが、

治療という行為で【嘘つき】にはなりたくありません。

だから、正直に1ヶ月〜2年以上とお答えしています。

ただ目安として言えるのは、
年齢がどうかよりも病院の治療をやっていない人ほど早いです。
(ホルモン剤は自然妊娠するための本来のリズムをむちゃくちゃにすることもあり、それが定着することもあるため)

また、漢方はその人の身体のバランスをとるものなので、
養生も手助けになります。
ご夫婦で妊娠のためのいろいろな養生(その方の体質や生活にあわせてアドバイスしています)に取り組むほど早いです。

それと、妊娠するかどうかはわかりませんが、自然妊娠がOKな身体になったかどうかになった目安は初めの1ヶ月を飲み終えた頃に体質の変化をみて推測していくことはできますよ。

なんにしろ「3ヶ月〜半年くらいで妊娠!」なんて言ってる病院や薬局には要注意!