病院の不妊治療と漢方は併用したほうがいいですか?

「病院の不妊治療と漢方薬は併用しないほうがいいですか?」
これはよくある質問です。

この質問の答えを発表する前に病院の治療と漢方の治療をちょっと考えてみましょう。

病院の不妊治療は、ざっくりとわけるとホルモン治療、AIH(人工授精)、体外受精(IVF)の3パターンに別れます。

AIH(人工授精)、体外受精(IVF)は、外科的、科学的な方法で妊娠を目指します。
どの治療にも共通しているのは、ホルモン治療と同じで、ホルモン剤を飲むということ。

要するに不妊治療の大半はホルモン剤を飲む事ですね。

ホルモン剤は、大きくわけて4種類。
低温期のエストロゲン系を補充するもの。
排卵を促すもの。
高温期の黄体系を補充するもの。
そしてエストロゲン系と黄体が混ざっているもの。

病院でもたまに漢方薬を女性ホルモンを活性化させるとか、着床しやすくする。みたいな西洋医学的な効果があるように説明していますが、これは完全な勘違いor無知で漢方薬を使っています。

漢方は、体質にあわせて身体を健康に導き、その人が持っている本来の健康な状態の月経リズムなどを取り戻します。
その結果、自然妊娠するわけですね。
だから、内膜を厚くするために当帰芍薬散を飲めばいいとかじゃなくて、体質にあった漢方薬を選んでいくということが重要。

ここからが本題の病院との併用か否かですが・・・

40overで体外受精を5回以上、失敗している方などが何人も、うちの漢方薬のみで自然妊娠していった経験から話させてもらうと、病院のホルモン剤は、外部から無理矢理ホルモンを操作するので、ものすごく悪い月経リズムや基礎体温の人は初期は整うのですが、やはり、自然の作用ではないので、しばらく続けていると、だんだんとバランスが崩れてくるのですね。

この崩れるメカニズムはまたの機会に話しますが、皆さんが経験しているようにルトラール飲んだら、高温期延びたけど、月経初日で下がらないとか、クロミッド飲んだら、排卵が早くきて、高温期が短かったとかが起こり始めます。

このホルモン剤、いろいろな人の不妊相談を受けて思ったのですが昔から3ヶ月に1回しか月経が来ないとかの明らかにホルモンが不足していそうな人には長期服用にならなければあっているような感じがします。

ところが、そんなホルモン状態が悪い人と同じホルモン剤を誰でも飲むのですね。
同じような結果になるわけないです。
つまり、大半の人にとってはきつすぎる。
で、更にホルモン剤も体質に合う合わないがあると思うのですが、どんな人に合わなくて、どんな人なら合うのかは、全くわかっていません。

漢方は先ほど、お話したように、ホルモン値を上げるとか、内膜を厚くするとか、部分、部分をよくするものではなく、全体を整えます。

だから、みんなが思っているより、基礎体温や月経リズムは割合早くに整ってくるのですね。うちでは長くても3、4ヶ月もあれば、基礎体温は整ってきます。

つまり病院のホルモン剤でやろうとしている治療は、漢方薬だけでも十分にできるということです。

となると、漢方薬のみでも整うわけですから、ホルモン剤は、余計なことをするものになってきます。

ただし、これは一概には言えません。
3ヶ月に1回しか月経が来ないとか、低温期から一向に上がった事がないという状態が特別な方は、ホルモン剤と漢方薬を併用したほうがよい場合もあります。

当店は、患者さんの意向にあわせて治療します。
病院との併用がご希望であれば、ホルモン剤と調節できるよう漢方薬をあわせていきます。

ただ、僕自身は、さっきのような特別な状態の方でない限りは、ホルモン剤は邪魔者でしかないと思っています。

なので、併用したほうがいいかどうかと言うよりは、まず、漢方薬や養生で、自然で整えてみて、それでもダメだったら病院の治療という正に自然の流れでするとよいのではないかと考えています。
残念ながら、世間は逆の流れになっていますね。

「やっぱり自然妊娠したい!」「そう思ってた!」と思われた方は、病院の治療、自然妊娠について今一度、考えてみましょう。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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