基礎体温の様子だけで漢方薬をあわせる方法

一般的には、漢方は、症状などを1つずつあてはめていって、この漢方薬だったら、私のいろんな症状があてはまるから合ってるんじゃないかと考え、実際にそうやって選ぶんもんだと思われています。

この方法は、初期のマニュアルから選ぶ病名漢方から次のステージに進んだ先生なんかがする方法です。
いわゆる症状を占いみたいに、あてはめていってそれに合う漢方薬を探すというやつ。

そして、その漢方薬を飲んでたらジワジワと効いてきて、3ヶ月くらいから、だんだんよくります。みたいな。

これは思いっきり誤解されている間違った方法です。

この症状と漢方薬をあてはめていく方法。
実は急性病には有効です。

急性病だと症状だけであてはめていくと結構、はまるのですね。
またそれが効く。
もちろん、3ヶ月も飲まなくても合っていれば3日以内に効きます。

しかし、慢性病には症状をあてはめる方法は通用しません。
なぜなら、そもそも。どの症状に絞り込めばいいのか、はっきりしない場合もあるし、また漢方薬を飲んでも1つの症状は良くなり、他の症状が悪くなるとか非常に複雑な状態になるからです。

特に不妊症やアトピーの場合、治療でも長期戦になることがしばしば。

不妊症は、病気ではないし、症状を治すことが直接的な目的ではありません。
冷えがなどがなくなることによって妊娠しやすい身体になりますが、冷えが治ったからといってすぐに妊娠するわけではないのです。

また、病院や他のお店では「変化が現れるのに3ヶ月かかる」とか言ってますが、
体質と漢方薬が合えば、1ヶ月後でも結構、症状はよくなっていきます。

3ヶ月かかるところは、先生も患者さんも3ヶ月かけてのんびりと変化を待つので、だんだん妊娠に近づいていると感じがしますが、うちのように初めの1ヶ月目で症状なんかが、ほとんどなくなったけど妊娠していないとなると・・・

「じゃあ、どうするの?」

ってなっちゃいます。

そんな時は基礎体温の微妙な変化から、身体の中の状態を想像し、漢方薬を選んでいきます。
そして、日々の健康な状態に変なリズムができないように、基礎体温がよい状態からブレないように治療するのです。

ただなんとなく症状をあてはめて漢方薬を選んでいたら、こんなことはできません。

病名や症状から漢方薬を選ぶのではなく、病名、症状、過去の病歴、食事、ストレス、仕事、生活リズムなどから 「漢方的病理」 を考えるのです。

そして、その「漢方的病的状態」を調節する漢方薬を選びます。

これはアトピーの治療でも言えることで、
目立った症状がなくなったけど、「湿疹は変わらずある」となった場合、

漢方の本に載っているような症状をあてはめて漢方薬は合わせられないので「漢方的病理」を考えて湿疹をなくしていくように漢方薬を調節するのです。

これは、1つずつの症状をあてはめて漢方薬を選ぶことしかできない先生には難しい技です。
なぜなら漢方的病理である「証」を分析できないからです。

漢方は、ただ症状から合っているものを探せばいいというものではないということですね。
緻密な治療戦略が必要なんです。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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