不妊の鍼治療って本当に効果があるのか?

不妊症の方もなかなか妊娠しないと「病院だけの治療でいいのだろうか?」「漢方薬だけでいいのだろうか?」と不安になってきますよね。

病院の不妊治療は、不妊症の方の体質やホルモン剤の薬理を考えれば、ラッキーで妊娠するか、しないかの世界(多分、その人の体質を把握して治療できない治療なので妊娠するかしないかが医者も誰もわかってない)なので医学、薬理知識があれば、「病院の治療だけ」だと不安しかないと思いますが、漢方治療であっても、治療が長期間になってくるとやはり不安になります。

そこで、他の治療も何かないか?と考えた時に皆さん、鍼治療にいくこともあるようです。

以前からブログで鍼治療は、漢方薬をまともに使える人(業界的には全体の中の5%位の人かも)も大概、少ないけれど、鍼治療はもっと少ないので、まともな先生を探すのがほとんど不可能じゃないかと書いたことがあります。

実際に不妊症の方の鍼とかいって、その治療を受けられた患者さんの実体験をお聞きしていたら、まず、大体が東洋医学的な問診もとらず、舌も脈も見ず、腰やお腹に数本、鍼を打つだけとか、ひどいのになると合掌した後に頭のてっぺんの百会というツボに1本だけ鍼を打つだけとか、どこの宗教だよ。っていうのもお聞きしました。

大体のところが、流れ作業的で、毎回、鍼、灸ともに同じところに打つ、置くを繰り返すだけ。

また、不妊症に対する鍼というのを聞くようになったのも、この数年で、昔は鍼で不妊症の治療をするなんて、聞いたこともなかったので、ここら辺は漢方薬局の業界と同じでブームに、のっかって商売でやってる人が増えたんだなぁ〜と思います。

何よりも不妊治療を本当にやってるの?と思うのが、鍼の先生が患者酸の基礎体温も見ないし、西洋医学のホルモン剤のことや体外受精の手法のことなども何も知らない感じなんです。

そんなので不妊治療って成立するの?と思います。

そこら辺は、漢方薬局業界でもたまに勘違いした先生が「東洋医学は東洋医学だから西洋医学なんて関係ないみたいな」意味不明なことを言ってる人がいますので、それを同じノリ!?
漢方というか東洋医学は、体質を見るので身体に大きな影響を与える新薬やホルモン剤のことを考えると西洋医学の生理学や薬理がわかってなかったら、むしろ漢方治療は無理じゃない?と思うのですが。

そんなわけで鍼で、いい先生はいるかもしれないけど、例えば大阪だけなどに限定すれば、いい先生と出会うのは、ほぼ不可能だろう。なんてブログに書いていました。
その時に「証(東洋医学の体質)をみて治療できる方は、うちから紹介します」と告知しましたが、1人も連絡をもらえませんでした。

そして、先日、僕自身が指を怪我をしました。
最初は病院で治療しようと何箇所も病院に行きましたが、病院に行ってわかったことは、医者から「一生治らない」とお墨付きをもらっただけ。

病院の不妊治療と一緒で、外科的なものさえも、本人自身の自然治癒力でラッキーで治るのにまかせているだけで、医者がしたことは「治らない」と意味不明な証明をしただけ。
ただ、不妊治療の病院よりはマシですね。「治せない」って言ってる分だけ。

そうなると僕も不妊治療で悩んでおられる方と同じ心境になりました。
ほぼ、全否定していた鍼治療ですが、知り合いに鍼の先生がいたので「僕のような状態の人に鍼治療ってどう?」ってお聞きしたら「治りますよ」とのこと。

「本当?」と思いましたが、その時、漢方薬での治療ペースを遅く感じていたので、試しにとお願いしました。

そうしたら、治療を受けるたびに指が治っていきます。
治療根拠もしっかりと考えておられて、ちゃんと東洋医学的に「今回はこう治療し、目標はこう持っていきます」とのこと。
よく漢方薬だ。鍼だと言いながら、西洋医学的な説明をする先生がいますが、ちゃんと東洋医学的な専門的な説明。

鍼にも、こんな先生がいるんだなと感心しました。
病院で医者に「ピアノとギターをやっていますが、これらをしながら治療してもいいですか?」って聞いたら「プロじゃないんだったら、全て、やめて安静にしないと治りません」って言われましたが、あの時の医者に言いたいですね。
「先生、鍼だったら、ピアノもギターもガンガンしながら治りましたよ!」って。
ヤブすぎたので2度と行きませんが。(ちなみに鍼の学校と併設している病院)

結果的には今は、ピアノもギターもかなり高度な曲を弾くのも問題ない位、治りました。
自分自身の経験から鍼の治療に感動したので、実は今はその先生とコンビを組んで、本来の漢方治療をやっています。

なぜ、わざわざ「本来の治療」といったかというと、東洋医学の治療は本来は東洋医学的な体質を分析し、状況に応じて、漢方薬も鍼治療も行うものだからです。

2つが揃えば、本来の漢方治療になるわけですね。

ただ、一緒に治療を始めて問題も起こってきました。
それは、最初は、鍼の治療を探している人がいれば「紹介してあげればいい」と考えてやっていました。腕のいい先生を紹介するのだから、漢方薬も鍼治療もできて、良いことづくめ!と安易に考えていました。

よくある提携ですよね。
ところが、鍼は鍼の治療、漢方薬は漢方薬の治療とバラバラにやっていたのではダメだということに気づきました。

各々が互いに打ち消しあったりする治療の方向性になることもあるのです。
そこで、せっかく、どちらも東洋医学的に体質を見ることができるのだから、患者さんの了解をとって、漢方薬と鍼のどちらの治療も毎回、2人で1人の患者酸の状態を検討するようにしました。

そうしたら、治療の方向性や治療の目標点が一緒になるわけです。
これが、本当の鍼と漢方薬の治療の連携ですね。

悲しいことに、ただ「いい鍼の先生を知ってるから紹介してあげるよ」では、本当にただ単に「業務提携」なんですね。
それは、ただの商売のつながりで、治療にはならないのです。

そして、現在は、1つの共通した東洋医学的体質データを元に2人で検討し、治療が停滞気味だった人の転換点になっていたりします。

やっぱり鍼と漢方薬は相性がよかったのですね。
ただ、どちらも、本質的に東洋医学として扱える人が、ほとんどいないのが難点。
鍼治療に行かれる際は証(東洋医学的な体質)で考えることができて、なおかつ西洋医学的な薬理もちゃんと合わせて考える先生なのか、鍼の先生も漢方の先生もどちらも違いの分野の知識をそれなりに持っている部分を見た方がいいです。
宗教チックなごまかしをしている人が多いようなので。