なぜ2人目不妊になるのか?

うちでは最初の不妊治療の後に出産した後に2人目さんの不妊で悩んで相談に来られる方が結構いらっしゃいます。

そして2人目もうちの不妊治療で授かるなんてこともめずらしくありません。
そんな中、一般論として2人目不妊で誤解された考えによく行き当たります。

それは1人目を授かることができたので「2人目は無条件で授かるだろう」となんとなく無意識で考えていること。

なぜか、1人目で散々苦労している方でも、2人目は何もしなくても授かるだろうという感じで思っておられる方がいらっしゃいます。

ちなみにうちに来られている患者さんで2人目をお考えの方は1人目の妊娠中も安産のために漢方薬を飲んで、その後、産後ケアで漢方薬を飲んで、授乳ケアで漢方薬を飲んで、2人目の準備で漢方薬を飲んで。という方が多いです。

当たり前ですが1人目で苦労して授かっている場合、当然、2人目はよりハードルが高いのです。

原因の1つは、これまた当たり前ですが年齢ですね。
1人目の時よりは時間が経っているので、単純に時間の問題で難しくなるのです。

近年は社会全体的に結婚や出産が遅くなってきていますので「出産に問題かも」と一般の方が思う年齢が昔よりも全体的に上がっています。

僕ら夫婦が不妊症で悩んでいた時は僕は34歳で「もう一生、授からない」という位、悩みましたが今は34歳位だったら、あまり問題ないように捉えられがちです。

ただ、社会全体が問題ないような価値観になっても残念ながら人間の生理は昔から変わりません。
西洋医学の生理学で考えれば「治療など何もしなくても自然に授かることができるだろう」と考えることができるのは、やはり35歳が一つのラインになります。

次に出産後の体質の変化です。

体調が出産前の状態に戻るかはわかりません。
よく出産後は体質が変わるみたいに言われていますが、あれも誤解されている感じです。
なんとなく種類の違う体質に変わるというよりは出産後には大幅に体調が悪くなる。と考えたほうがいよいです。

良いように変わることもありますが年齢が高い場合は、大概、良いようには変わりません。

なぜ、体調が悪くなるのか?

それは、赤ちゃんに自分のもの。血や栄養を持っていかれるからです。
髪の毛が薄くなったり、貧血になったり。
一時的で終わる場合もありますが、一時で治ったとしても体質の深い部分で今後の体質に響く方もいらっしゃいます。

うちの嫁さんは、出産前は病気知らずで、そんなにしょっちゅう漢方薬を飲んでいたわけではないですが、出産後の今は漢方薬がないと日々の普通の生活も辛いらしいです。

「赤ちゃんにいろいろ持っていかれる」というのは、嫁さんが出産後の自分の体質を冷静に分析して言っていました。

大半の方は体質の種類が変わるわけではなく要は悪い方に変わるので、1人目の妊娠が何もしなくても余裕の自然妊娠でなければ、少しでも悪い方に変わると、かなり不利になっちゃうわけです。

元の体質を取り戻せないというタイミングがあります。
僕が10年位、不妊治療をしてきた経験からのものです。

それは、出産直後に血の巡りを整えていなかった場合。

全員が全員、悪くなるわけではありませんが、出産直後に血の巡りを整えておくのと、整えておかないのでは、全く後の体質が変わってくる感じがあります。

漢方は通常、その人の体質を分析して、その体質に合わせた処方を考えますが、この時ばかりは、出産直後から1ヶ月は無条件で血の巡りを整えるものを飲んでいただいています。

とりあえずであっても血の巡りが悪くなる瘀血が定着しないようにフォローしておけば、後は漢方薬を変更していきながらなんとかなるからです。

妊娠、出産というのは非常に幸せなことですが生理学的にみれば、身体に非常に負担をかけるものです。

ケアが漢方薬でなくともよいですが、妊娠も出産も、自然のままのほったらかしでは、2人目不妊になる可能性が高くなるかもしれません。

2人目を希望する場合は1人目の時点で2人目を見越したケアを心がけ2人目不妊にならないようにしましょう。