果たして漢方薬で美肌になれるのか!?

不妊症と直接関係あるわけではないですが、女性ホルモンと関係しているので、不妊症にも遠からず関係しているのかもしれません。

●●で美肌になる!みたいなものって、いろいろとありますよね。
その中で「漢方の力で美肌!」みたいに言ってるものもあると思います。

化粧品なんかに「生薬成分をいれてるから美肌にイイ!」なんてのも見かけます。

僕もお店を始めてから「生薬の組み合わせでオリジナルの美肌の漢方薬ってできないものだろうか?」といろいろと考えてきました。

でも、最近、あることに気がつきました。
不妊治療で、うちに通われている方が、2回、3回と通われている間に肌がキレイになっているように感じるのです。
いわゆる白い肌の美肌というような作られた感じじゃなく、血色がいい全体的につやつやしている印象を受けるのですね。

肌がキレイになるのって、サプリや化粧品業界では、COQ10がどうとか、なんかの成分がキレイにするみたいに言われています。
カルシウムなんかも肌を強くしてキレイにする成分なので、昔、カルシウム系の生薬が多く含まれた漢方薬を飲まれていた年配の方に「最近、なんか肌がキレイになってきた感じがするのですが、美肌に関係する漢方薬ですか?」って聞かれたのですが、漢方は治療薬なので「美肌」なんて治療カテゴリーはないのです。

それで、多分、たまたま漢方薬に含まれている天然のカルシウムが徐々に肌をキレイにしていったのだろうなと考えていました。
だったら、その漢方薬って美肌の漢方薬とも言えるんじゃない?
と思って、他の方に美肌のためだけに飲んでもらったら「軟便になっただけ」だったんですね。

美肌になるためって、どんな条件があるのだろう・・・と考えてみたら、女性ホルモンや潤いを保つ水や漢方では血の量や血の巡りそして肌代謝と、いろいろと美肌になるための条件があります。

そう考えると、ある肌にイイとされる成分だけを摂っても意味ないんじゃないかと思いました。
さっきの方の治療でカルシウム系の漢方薬を飲まれた方は副次的に肌がキレイになりましたが、美肌のためだけに体質をみないで同じ漢方薬を飲んだ方は軟便になっただけでした。

結局、全身の状態を整えるというのが必要なんだろうなと思います。
水の巡りが悪い人は水が巡ってそれが肌までいきわたる。
血の足りない人は不足した血を補いそれが皮膚を潤します(漢方では水だけでなく血も皮膚を潤すと考えられています)
カルシウムが足りていなければ、カルシウムが補われて肌が強くなり美肌になっていく。

漢方は「●●成分が●●の部分に効く」みたいな新薬やサプリの理屈とは違います。
人それぞれの体質に対してそれを調整する漢方薬を合わせるのです。

だから、美肌効果の漢方薬なんてないですが体質に合っている漢方薬がゆっくりではあるけれど、身体のいろいろな部分を治して確実に美肌を作っていくのだろうなと思います。

それからいくと漢方での不妊治療の目標ってのは女性ホルモンを整えることです。
だから、体質を整えて自然妊娠を目指す間に肌がキレイになっていくのではないかと思います。
自然妊娠して美肌って一石二鳥ですな。

漢方では内服でシミなども治療できるのですが、もちろん、シミに効く漢方薬の種類が決まっているわけではありません。
これも何種類かが候補であって、後はそれぞれの体質に合わせて選んでいかないといけないのです。

漢方ではアトピーも治療します。
うちでひどいアトピー状態だった方が、すっかり治ったのですが、ほんの少し出るものもなくしたいということで、ずっと漢方薬を飲まれています。

その方なんて、うちに来られた時は全身カサブタで焦げ茶色の肌だったのですが、今やそこらの方よりも色が白い美肌です。

アトピーは肌のバランスをとっていく治療なので、そりゃキレイになっていきますね。
でも、あそこまでキレイになるとは僕も正直、予想外でした。

なので、自然のバランスの法則からみると、肌に良い●●成分をたくさん摂るということは、バランスを崩していることに他ならないのです。

だから、肌に良い成分がたくさん配合されているものは、かえってバランスを崩して美肌から遠ざかるのかもしれませんよ。
ただこういったものも、ちょっとワナがあって、今まで、何も飲んでなかった人が肌に良いとされる成分を急に摂りだすと、やっぱりそれなりに最初はキレイになった感じになるのです。

でも、ある成分だけをとっているというのはバランスを崩していってますから、3ヶ月程するとだんだんと美肌じゃなくなってくると思います。

規則正しいバランンスのよい食事と睡眠、そして、あなたの身体に合った漢方薬が一番、美肌になる近道かもしれませんね。