西洋医学の治療だったら個人差を考えなくてもよいのか?

病院では漢方薬は不妊症だったらツムラの23番か106番。
ちょっと捻りを加えて24番を処方します。

いずれも東洋医学的な問診はとらずにメーカーからもらったマニュアルもしくはメーカー主催の勉強会で聞きかじった話しを元に自動的に処方です。

こういった処方しかできない先生やそんな病院からしか処方されたことがない人には、
「漢方薬ってそんな感じで素人がネットで調べて処方するみたいな方法でOKなんだ」
って誤解されそうで恐いです。

しかし、東洋医学の法則にそんな方法は一切、ありません。
本来、漢方では体質を判断して、その体質に合わせてお薬を選びます。

ようするに病気(不妊症は病気ではないですが)が一緒だったら体質が一緒とは考えません。

当たり前ですよね。
うちでは不妊症の相談に一番、若い人で23歳。
一番高齢の方で47歳の人がいらっしゃっています。

ここで考えてみましょう。
23歳の女性。47歳の女性。
住んでいるところも違います。
ちなみに47歳の方は関東です。

漢方では症状や環境や今の状況などを聞いて、総合的に体質を判断するのですが、この2人の人は不妊症以外の全身の症状、月経周期、経血の状態などなど、全く一緒だと思います?

こんなの聞くまでもなく違いますよね。
そもそも身体の状態が全く一緒だったら、ロボットですよ。

年齢だけでなく、住んでいる環境、受けるストレス(仕事や家庭環境)、食事、運動、あらゆる要素が重なって、みんな体質が変わってきます。

なによりも持って生まれた体質。
持って生まれた体質と考えると分かりにくいですが、身長や運動能力や体力、視力、精神力、どの要素も違いますね。
これら、身体の要素は当然、病気とも関わってきます。

ところが西洋医学はさっきのような漢方薬の処方方法だけでなく、ホルモン剤でも同じみんなにほぼ同じ治療を施します。

個々の体質の違いだけでなく、ホルモン剤によったら、月経が毎月ある人も、月経が来ない人も同じ治療。

いくら西洋医学が体質にあわせて治療できない治療だとしても、おかしいと思いませんか?

自分は不妊で悩んではいるけど、月経は一応30日位できて、2層っぽくもなってる。
でも、治療は月経が来ない人と同じ薬。

漢方って病名であったり、皮膚科、眼科みたいな身体をバラバラに分けて治療するような考え方がないです。
体質に対して治療をしますので、外科的、急性すぎる病態以外は、全部みます。
だから、うちでは、不妊症の相談をしていますが、後縦靭帯骨化症という10万人に1人の難病の方も相談に来られています。

不妊相談を受けながら、同時にあらゆる病気の相談をしてますが、最近、思うのは西洋医学でも、もっと個人差を考えて治療するべきではないかということ。

もちろん、現実には西洋医学は「個人の体質」ではなく「人間」というジャンルに合わせた治療なので「人間」以上に細かく分けて治療する薬はありませんが、それでも薬の飲み方や個々の生活習慣への取り組み方の指導などで、その辺りの西洋医学の「弱点」は少しはフォローできるのではないかと考えます。

この間も普段は不妊症の相談をさせてもらっている方が元々、喘息持ちで急激にひどくなったので、やむを得ず病院に行きました。

そこで処方されたのが、「抗アレルギー剤」「気管支拡張剤」「ステロイド剤」「気管支拡張吸入剤」「ステロイド性抗炎症急乳剤」
プラス、点滴していきなよ〜。
点滴は断ったそうですが、要するに考えられる治療、全部みたいな感じ。

その時に2人で医者の仕事って楽でいいですよね〜全部出しときゃどれか当たるだろって仕事でいいんだから。
って話してました。
この例に限らず、最近の医者ってどこも数打ちゃあたる的な処方が多いように思います。

で、当たり前ですが、これタダじゃないです。
保険が効いていますが、それでもびっくりする金額。
値段だけの問題だけでなく、飲む事や対処療法の化学物を続ける不安など、いろいろ他の問題もあります。

だから、僕は西洋医学でも体質というか状況をみて、漢方のようにその人に合わせるべきではないかと思います。

この方、急激に喘息がひどくなっていますが、実は病院に行ったときには、それほど酷くなかった。そして、夜以外は喘息が出なくて最大の悩みは「喘息」ではなく「夜になると眠れないこと」更に秋には毎年、喘息になるが短い期間ですぐに治まるのです。
他の人の喘息と症状、状況が全然違ってそうですね。

もちろん、この事は医者に全部、話したそうですが「聞く気がないのか」「マニュアルで決まっているのか」わかりませんが、オールスルーで「数、打ちゃ当たるでしょ!の高額処方!!」

僕から薬の指示はできませんが、一応、生理学、病態生理学、薬理学を理解している僕なら西洋医学の理論で考えたとして「夕ご飯の後に気管支拡張剤」そして、寝る時に横になって、ちょっと咳が出て来たら軽い方の吸入。予備で夜中に咳で目が覚めたら、ステロイド性抗炎症急乳剤を使うかな。という話しをさせてもらいました。

なので、西洋医学でも僕個人としては、個々の体質や状況をよーく、よーく考えて、薬を選ぶべきではないのかなと勝手に思う次第です。

不妊治療でも誰でもクロミッド(セキソビット・セロフェン)、排卵周辺でHCG注射、高温期が短かったらルトラールっていう、マニュアル治療、やめませんか。
西洋医学でも、もっと、細かく話しをお聞きして、一人ずつに治療を考えてあげてほしいなと思います。

ダイエットサプリ、L-カルニチンで不妊治療とか(笑)

最近、不妊専門の病院はサプリメントを使うようになりました。
僕は8年前から不妊症の漢方治療に携わっていますが、病院がサプリ屋に変わってきたのはこの2年くらいでしょうか。

前にDHEAのことをこのブログでも書きましたが、今回はL-カルニチンについてです。
Lーカルニチン、4、5年前だかに薬業界ではダイエットで流行ったサプリメントです。

それも1、2年ですたれてました。
「脂肪を炎症する」と言う、うたい文句のサプリです。

そのダイエットサプリが今、不妊治療で復活!
病院でサプリを売られたと聞いた時「さすがお医者様!感覚が古っ!」と思いましたね。

今さら一昔前のサプリを不妊治療で使うとか・・・
僕はそれは違うんじゃないかと思います。

はっきりいって医療業界はサプリメント分野では遅れてると思います。
なぜ、医者はサプリメントに対して遅れをとっているか?

僕は昔、薬業界でサプリメントなどにも関わっていましたが、その頃、医者はサプリメントをバカにしていました。
なぜなら、当時の医者から言わせればサプリメントには新薬のようなエビデンス(科学的根拠)がないから治療では使えないという理由です。

それは間違っていません。今も法令上はサプリメントはあくまで食品扱いです。
スーパーに売ってる食べ物とサプリメントは一緒のモノということです。

だから、当時も「治療には使えない!」といって、見向きもしませんでした。
実は薬業界の歴史もヒモ解くと昔は医者と同じようなことを言ってました。

しかし、ドラッグなどの乱立で薬局も一般薬で儲ける事ができなくなり、他の道を模索しました。その新しい道が「サプリメントを使って治療をする」というもの。

一部の薬局は相談薬局と名前を変えて、いろいろなサプリメントを使用して病気の相談に対応していました。
それが20年以上前の話し。

ネットが発達した、この3、4年はサプリメントも一般的になりましたが、その前は本当に上質のサプリメントはちょっと特殊な相談薬局にしかなかったのですね。

それが、今はネットの発達でサプリメントはそこらに溢れていて、医療に疎い素人の人でも商売として扱っていたりします。

そんな素人的な分野まで落ち込んだサプリメント。
そんな一般的に広がってから今度は病院が使いだしました。
だから「古い!」と思ったのです。今さらサプリ?

そしてL−カルニチンは薬業界ではとっくにすたれたダイエットサプリ。

卵子の生育によかったデータがあるとか、なんとかサプリお得意のデータ論法でしょうが、はっきり言って飲むだけ無駄。
サプリメントのデータなんて、なんのアテにもなりません。
ちなみに僕は昔、サプリメントの仕事に携わっていたときに商品開発をしたこともありますし、データをとっている大学にも仕事で行きました。

まー今だから言えますが自分でサプリメントを開発したときは必死で、それっぽいデータを集めました。データって大学に頼んだら、ある程度、自分の思うように出してくれるんですよ。
厳密には良いデータじゃなかったら公表せず、自分のほしいデータのとり方でデータをとるのです。

この時は騙すとかそんなのではなく、サプリメント業界の常識がそうだったのです。

僕はいろいろなサプリメントを知った上で漢方の道にとりました。
それはなぜか?
それは家族の病気を通じてサプリメントって気休めにしかならないことを痛感したからです。

だから、僕はあらゆるサプリメントのことを知っていますが、うちではすすめません。
うちで漢方治療する場合は「サプリメントは全部やめていただいてかまいません」と自信を持って言ってます。お金の無駄。

「サプリメントをやめたって、良いも悪いも状況は変わりません!」とお話してます。
実際に全部のサプリメントやめた後に聞くご意見は「先生の言う通り、何も変わらない」です。

それに今の病院のL-カルニチンの値段を聞いていたら単純にボッてますね。
せいぜい、ちょっと良い商品でも月6000円くらいが妥当でしょう。

今は携わってないので、病院の事情がわかりませんが、僕が仕事で携わっていたときに、当時、病院関係でひろめようってことになったことがありました。
その時に、メーカー側としたら、薬局に売るよりも病院の場合は高く売りつけるようにもっていきます。そして、実際に高く売る事ができます。

それはなぜかというと、元々、病院でサプリメントを売るようなところは今回の不妊治療みたいに実費で高額な治療代金をとっていたりします。
それに薬局と違って、医者がすすめたら薬みたいに勘違いされて簡単に売れるのです。

更に病院って実は経営手腕が低い人が多く、一般的な感覚からズレてる人が多いので、商売としての金額の感覚がよくわかっていないのです。
要するにサプリメント業界をよくわかっていない病院はメーカー側からすると「いいカモ」だったわけです。

当然、仕入れが高くなるので、患者さんは高くで買わなくちゃいけないという図式になるのです。

20年以上前、薬業界がサプリメントを始めたキッカケは栄養ドリンクやら一般医薬品で利益を上げることができなくなってきたからです。
それで当時は目新しいサプリメントに目をつけたわけですね。

だから、今、不妊治療の病院がL-カルニチンやらメラトニンやDHEAをすすめるのは、サプリメントの歴史を知っている僕から見たら、ひょっとして本業の治療に行き詰まっているんじゃない?と、ちょっとしたデジャブを感じます。

なぜ、L-カルニチンが無駄かを医学理論的に書こうと思いましたが、長くなったので、それは今度にでも書きます。
ちなみにサプリメントの場合は、効果が弱いからダメとかそんな問題ではありません。
原料や加工、効果の証拠としているデータ、販売経路など、そこには業界の裏を知らないと分からない、いろいろな問題があって、治療としては無意味なのです。

卵子凍結で卵子は死んでいないのだろうか?

フェイスブックとアップル、卵子凍結に保険適用

こんな記事があったので、前々から疑問に思っていたことが、再び頭に浮かび上がってきました。

体外受精の時に採卵して卵子を凍結するじゃないですか。
あれって地味に不思議なんですよね。

凍結して解凍するわけですが、解凍しても、卵子ってちゃんと生きてるの?
能力というか生命って凍結前と全く同じ状態なの?って。

例えば、卵子の成長した姿が人間ですが、その人間は現状で生きたまま冷凍できたとしても、解凍した時に生き返りません。
要するに凍結したら死んじゃいます。

で、人間の出発点である卵子。
これも人間と同じ生命ですね。

でも卵子の場合は、採卵した後、凍結して解凍しそれを受胎に使うわけです。
で、成功している人もいるのですね。

話しは突然、飛びますが、食べ物っていわば、生命を食べる事ですね。
魚なんかがわかりやすいと思います。

活き造りやさっき釣れたばかりの魚。
これはすごく新鮮で美味しいわけですよ。

活き造りというのは、言い方を変えれば、生きたまま。
釣れたばかりも死んで間もない状態。

後は時間が経てば経つほどまずくなっていきます。

野菜なんかも摘みたてなんて、すごくおいしいわけですよ。
あのおいしいって感じは生命が強い。生きてる力が強いってことですよね。

それを冷凍したもの。
食べ物の冷凍ものって単純にまずいです。
魚なんかも解凍した後ってなんかクタッとしてまずいんですよね。

これって命がよりなくなっている状態ですよね。
鮮度が落ちるって命がどんどんなくっているってことだと思うのです。
ただ、この食べ物の場合は凍結で死んじゃってるから死んでからの時間経過なのかもしれません。
卵子の凍結の場合は、時間を止めることができるのでしょうか?

そんなこんなで、いろいろと考えていて僕の単純に勉強不足かもしれないのですが、生きたまま冷凍して、解凍したら冷凍前そのまんまの生き物っているのだろうか?と思います。
Googleでググってみたけど、生きたまま冷凍というページはあったのですが、解凍しても冷凍前と同じように生き返るというものはありませんでした。

となると、細胞が単純なほど冷凍しても死なず、解凍してもそのままで活動を再開するのでしょうか?

再び調べてみたら、どうも卵子凍結は家畜の実験の応用のようです。

でも、ここに凍結卵子は死んでないというメカニズムは書いていませんでした。
そして、更にしつこく調べてみました。

そしたら見つかりました!
凍る→超低温でも生きているものとしては、ヒルのヌマエラビルや昆虫のユスリカの一種や、クマムシなど自然界のごくごく一部のものが超低温。つまり凍っているに等しい状態でも生きているようです。

Googleでも分からない。というか、どう調べてもいいかわからないので、困った時の師匠。
西洋医学から物理学まで精通されているので聞いていました。

でも師匠は専門が外科医だったので、専門すぎてわからないとのこと。
「卵子は単細胞だから生き残れるのか?」と聞いたところ生理学上は低温になると細胞1個でも細胞の生命活動を維持する酵素が低温で活動を停止してしまうために細胞は死んでしまうそうです。

ただ、卵子に関しては特殊な冷凍と解凍方法があるはずとのこと。
もしくは細菌や種子は冷凍し解凍しても活動できるのでその辺りが関係しているのか。

う〜ん、ここでわからなくなりました。
すみません。答えが出なくって。

この辺りになってくると体外受精をしている病院に直接聞かないとわからないですね。

もし、今、凍結保存している方がいらっしゃったら、一度先生に聞いてみてもらえませんか?

「なぜ、自然界のものは、ほぼ凍らせたら死んじゃうのに、卵子は死なないのか?またなぜ、解凍した後に冷凍前と同じ能力だと考えられるのか?」

答えがわかったらぜひ、知りたいですね。
卵子凍結ということが、ごく当たり前のような記事が出ていましたが、今日の疑問などもちゃんと自分の中で解明してから、凍結に臨んだほうがいいんじゃないかと思います。

例えば、凍結していない卵子と凍結した卵子の妊娠成功率の差とか。
凍結期間ってどれくらいまでが凍結前と同じ能力を保てているのか?とか。

自然では排卵日というのが月に1回しかなく、その時しか受胎のチャンスがないわけです。
そこからいくと冷凍保存っていうのは、やっぱり病院って、とことん反自然治療なんだな。と新ためて思いました。

誤解があるといけないので一応、書いておきますが、うちは西洋学否定派でも反対派でも、ありません。
人工授精や体外受精はケースバイケースなので、お一人ずつ体質をみながら、病院との併用をすべきか、全くの自然治療でいくべきか、又、病院のどの治療を選択すべきかを個人に合わせて相談させていただいています。

ソフィアで卵巣を休ませるとか、意味不明

不妊治療の病院の体外受精の治療の過程でなんだかよくわからない治療を耳にすることがあります。

「次回の体外受精に向かって、今回は卵巣を休ませましょう。なのでソフィアAを出しときますね」みたいな処方。

卵巣を休ませるためにソフィアA?

東洋医学と西洋医学の考え方の違いもあるのかもしれませんが、ピルを飲んで卵巣を休ませるという意味がわかりません。

ピルは昔は経口避妊薬としてよく使われていました。
ピルを飲めば妊娠しなくできるのですね。

ソフィアはそのピルの中の中容量ピルにあたります。
他にもプラノバールやノアルテンなども同じ様な作用の仲間です。

ソフィアは卵胞ホルモンと黄体にホルモンの2つのホルモンに似たお薬です。
ソフィアはの効果は排卵系ホルモンを抑制します。
子宮頸管粘液を抑制します。
飲まれてからの変化として高温層が続きます。

不妊症では月経が予定通り来なかったりしたら、これを飲んで月経を来させます。

で「卵巣を休ませるために」という意味がわからないのは、ソフィアで排卵を抑えるから、その分、休むことができるということでしょうか?
それとも、余分にホルモンに似たものが体内に入ってくるから、自前のホルモンを使わなくて済むから卵巣を休ませることができるのでしょうか?

そもそも、卵巣って1周期休んだら、次の周期って、「あ〜今回休んだから、ガンガン働くぞーッ!」ってなるの?

それだったら、月経が2ヶ月か3ヶ月に1回しか来ない人は、月経周期が飛んだ後は、ものすごい妊娠しやすい状態なんでhそうか?
今まで治療をしてきて、たくさんの不妊症の方の状態をみてきましたが、約1ヶ月で定期的に月経が来ているひとよりも1、2ヶ月、月経周期が飛んでいる人のほうが調子良さそうですぐに妊娠しそうと思ったことはありません。

むしろ、月経が一定期間で来ない人は、より妊娠が難しそうです。
現に、不妊症の相談ではなく月経が時々、飛ぶ月経不順の場合は、今度は治療しなくちゃ行けない状態だと診断して、治療薬として処方するわけですよね。

だったら、ソフィアって卵巣を休ませる薬じゃないように思います。

僕は西洋医学が嫌いなわけではないですが、治療範囲に対して過大解釈しすぎではないかと思います。

西洋医学の治療は慢性病や不妊症のような原因が1つだと明確に特定できないような状態の治療には向いていないと思います。
向いていないどころか、かなり困難でしょう。

こういった向いていない治療をする時に西洋医学は2つの大きな間違いから始まっていると思います。

1つは、人間を機械の部品と同じように捉えていること。
この考え方は部分的なケガなどの治療には有効です。
腕の骨折をわざわざ、全身のバランスから総合的に考える必要はありません。
腕の骨折は腕だけの部分で治せばいいのです。
しかし、1つのセットになっている月経リズムは切り分けて治療するのは、おかしいです。

2つ目は治療する時の考えの中にバランスをとるという感覚が欠如していること。
このソフィアで卵巣を休ませるという発想がそうですね。
余分な治療はバランスを崩します。

月経不順の診察だったら月経を一定で来させるためにソフィアAを処方し、不妊症での体外受精だったら、身体を休ませるためにソフィアAを処方する。

さっきも説明しましたが、休ませて体外受精の成功率が上がるのなら、月経不順なんて治す必要なくないですか。

不妊治療は排卵とか着床とか高温期とか、その時にその時が良ければ妊娠するわけじゃないと思います。

妊娠はしやすかったとしても、それって健康に出産するという前提がありません。
月経期間を切り分けて考えて治療しているということは、毎月の一定間隔の月経リズムは無視しているわけです。

でも、妊娠って受胎だけではないです。
受胎した後、何週間かだけルトラールとか注射で高温層を保たせたら10ヶ月後に誰でも健康に出産するわけじゃないのです。

なぜ、14歳頃から28日周期で月経は続いているのか?
このリズムとバランスが大切なのです。

毎月のリズムが整っているほど、妊娠した後の流産の心配もなくなるのです。
その月だけなんとか妊娠陽性反応をとることが目的ではありません。
その後、10ヶ月の間、流産せずに無事に乗り切るために一定のリズムが必要なのですね。

だから、月経不順でもないのに卵巣を休ませるとか意味不明な目的で月経不順でない人にソフィアAを処方する意味がわかりません。

ソフィアAは高温層になるような効果があります。
それの何が休ませてるのか意味不明です。

月経リズムは休みません。
あなたの月経も14歳頃から休んでいませんよね。
休んでいるのが月経不順。
休ませるよりも、より一定でリズムが乱れないようにすることが、妊娠成功への近道だと思うのですが間違ってるかな。

不妊治療 漢方と西洋医学の決定的な違い!

不妊治療のことでうちの店でよく聞く意見ですが「次回の体外受精までに自分の体質をちゃんとしておきたいので漢方治療しようと思って・・・」とか「どれくらい漢方治療したら病院の治療を始めたらいいですか?」という質問があります。

この意見や質問から、おそらく皆さん、漢方薬で体調を整えて病院で妊娠しやすく?なる治療を再開する。みたいなイメージを持っているのではないでしょうか?
漢方薬で体調を整えて、病院の治療の掛け算で妊娠率倍増!みたいな。

商売的に考えれば、僕は皆さんが思っているイメージ通りに「そうですよ。漢方で体調を整えて、後はがんばって病院で治療しましょう!」の方がいいし、なによりも楽です。

だって、妊娠しなかったのは病院のせいにできますから。
「僕は体調を整える方、担当なので。それじゃ!」ってな感じです。
なんとか、妊娠するまで。なんて気負う必要がありません。

なにがしかの問題というのは、病気でも借金系などの何かのトラブルでも考え方は同じです。
現状の問題を全て出し切って、それらを冷静に観察し、それらを分析した上で必要な行動を遂行していく。

これは不妊症でもアトピーの治療でも同じです。
現状はどうなのか?
その解決手法になっている病院という方法はどうなのか?

患者さんはしょうがないですが、僕らは漠然と漢方も病院もイイ治療じゃない!みたいな感覚ではいけないのです。

そこで良いとか悪いとか、正しいとか正しくないとかは関係なく、冷静に西洋医学と東洋医学の役割と治療をお話します。

あえて皆さんの妊娠成功率を高めるために言っちゃいますが、漢方薬の治療と病院の不妊治療で効果は倍増はしません。

わかりやすく言えば、漢方は自然治療です。
本来の自然の健康状態を取り戻してもらって、妊娠しやすい身体づくりをします。

西洋医学のホルモン剤などの不妊治療は、わかりやすく言えば、反自然治療です。
(これ、悪い意味で言ってるのではないですよ。あくまで冷静な分析で話してます)
その人の本来あるリズムなどは無視して外部から考えたルールで排卵させようとしたり、高温期を延ばそうとしたりします。

どちらにも共通しているのは漢方も西洋医学のホルモン剤も妊娠する薬ではない!ということです。(ただし高度治療は妊娠しやすく手助けする技術です)

妊娠する薬なんて存在しません。
どちらも妊娠のプロセスに関わる月経リズムや基礎体温を変化させることが治療目的です。

漢方治療の場合は、より自然にその人本来の月経リズムになるように手助けします。
もちろん、その過程で冷えやら頭痛やら便秘やらも治ります。
その過程で治るというよりも、漢方は全身をベストな状態に調整することが目的なので、症状がなくなるから正常な本来の月経リズムに戻るとも言えます。

あっ!ちなみにここで話している「漢方治療」は、不妊症の人っていうだけで東洋医学の問診もとらずに当帰芍薬散や温経湯をマニュアル的に処方したり、ちょこちょこと話しを聞いただけで婦宝当帰膠やタンポポ茶を出したりする漢方モドキの事ではありません。
ここでの漢方治療とは「東洋医学的な体質」を判断し、その人のためだけの治療方針を構築して漢方薬を選択できる治療のことです。まともに漢方ができない医者や先生が多いので、ちゃんと治療できる先生ということが「漢方治療」の前提です。

続きです。
西洋医学の不妊治療は、その人、本来の月経リズムは関係ありません。
お手本だとされている28日周期の14日ずつの低温層、高温層に近づけることを目的としています。また検査の標準からずれている部分を人工の強いホルモン剤を使って操作します。
どちらにしても、その人個人の状態ではなく、標準と比べてズレているかどうか。
そうやって人工的かつ強制的に排卵させたり、高温期を無理矢理、引き延ばそうとしたりします。

漢方治療も西洋医学の不妊治療も実は目的はよく似ています。
ただ、西洋医学はその人の持っている本来の月経リズムは関係ありません。
ホルモン剤はマニュアル的に決まっているので、排卵させて注射で高温期に上げて、またホルモン剤で高温期を延ばすのです。
体調は関係ありません。
手足が冷えていようが頭痛が慢性的にあろうが、それは「科」が違います。
とにかく「ホルモンの部分だけ」をいじって、妊娠しそうな状況をつくります。

漢方は月経リズムは、その人の身体全体の状態と関わっていると考えるので、手足の冷えや頭痛も漢方では月経リズムと無関係とは考えません。
全身の症状を治療しながら、正常な月経リズムを目指します。

ここまでで、お気づきになりましたでしょうか?
漢方の治療はあなた本来の健康な体調やあなた本来の健康な月経リズムを目指します。
西洋医学の不妊治療は、あなた本来の健康な体調は関係ありません。
月経リズムも基本的には理想のモデルに合わせようとします。

つまり、漢方治療で体調がよくなり、なんかイイ感じの月経リズムになったって、病院でやることは、それを無理矢理、操作することです。
だって、自然に排卵がありそうなのにクロミッドを飲んだらどうでしょう?
自然に高温期に上がっているのにHCGを打ったらどうなのでしょう?

身体はホルモン剤の効果の影響を受けて、逆にバランスが乱れるのです。
バランスがとれた状態というのはゼロの状態です。
そのゼロの状態に強いプラスのホルモン剤を加えればプラスの方向にバランスは崩れます。
無月経や本当に排卵が困難な人にクロミッドなどを処方するのですよ、普通の状態の人に処方して何も影響がないわけがありません。

逆に悪影響がないのであれば、本当に困っている人にも効かないということになります。

理想的で平均的かつ人工的な月経周期に近づけても妊娠するとは限らないのです。
漢方では本来の月経リズムになるほど妊娠しやすくなります。だから28日周期とは限りません。

そんなわけで、漢方治療で整ってから病院の不妊治療をプラスしようとしても、プラスにならないのです。かえってバランスを崩してマイナスになるかもしれません。
漢方治療は自然治療。西洋医学の不妊治療は反自然の人工治療。
これらは残念ながら相容れないのです。

ただし、高度治療だったり高齢な方や身体の状態によっては今回の話しがそのまま、あてはまりません。
病院の治療が悪いわけではないので、どう使うか?を考えていかなければいけません。
実際にうちでも病院の不妊治療と漢方薬を併用されている方もいらっしゃいます。

ただ、無条件に漢方薬で体質を整えて、病院の不妊治療をしたら、より妊娠率が上がるというわけではないのですね。
病院の人工治療のみで、なかなか結果が出ない人は漢方の自然治療に切り替えてみるのも1つかもしれません。