最近、大阪市内の新しいめの不妊治療のクリニックでチラージンをやたらというか、そこを受診してる人には皆に処方してんじゃないの?というような話しを聞きます。
その影響を受けてか、堺市内の某不妊症のクリニックでも最近、チラージンの処方をするようになりました。
病院は、縦社会で影響力のある病院の真似っこをする傾向があると思われるので、堺市内の某不妊症クリニックもマネをし出したのかな???
大阪市内の不妊治療クリニックは直接、チラージンを処方するわけではなく、別の病院で検査をさせて処方するらしいです。
実際に処方された数人の患者さんから話しを聞いていると、僕はその不妊治療クリニックとチラージンを処方している病院は裏で組んでるんじゃないかと勝手に考えてしまったりします。
甲状腺ホルモンは確かに代謝を司るホルモンなので、極端に甲状腺ホルモンが低いと妊娠しずらかったり、流産する可能性はあると思います。
しかし、今回の不妊治療のクリニックのチラージンの処方までの様子を聞いていると、どうもこじつけ理論っぽい。
基準があって、その基準から、ややずれていたりしたら「飲んだほうがいい」と処方するらしいですが、大体、不妊症の原因が甲状腺ホルモンの不足が原因とは特定されていない。
西洋医学自体で、何が原因なのか、皆目わかっていないのです。
甲状腺ホルモンが原因の「1つ」かもしれないし、全くそうでないかもしれない。
明確に甲状腺ホルモンが原因とわかっていないのに、数値のわずかなブレで処方するとか、バカなんじゃないかと思います。
その基準値が正しいなら、逆説的に考えれば、不妊症の原因は甲状腺ホルモンである。ということになります。
ところが、うちでは過去に甲状腺機能低下症の疑いがあり、経過観察になっている人が何人も妊娠し出産後の子供の発育も何の問題もないです。
普段の数値もやや悪いですが「薬を飲むほどではない」という感じ。
過去の甲状腺機能低下症の疑いというのは、普通の血液検査でひっかかってしまった人です。
今回の不妊治療のクリニックでチラージンを処方された人は、まだ5人(年齢バラバラ)からしか話しを聞けていないが、過去に普通の血液検査で一度もひっかかったことがないとのこと。1度も。
で、なんで、それが不妊治療になった途端、処方されるのか?
僕は8年間、西洋医学の不妊治療をみてきていますが、だんだん、西洋医学の不妊治療って煮詰まってきているのではないかと思います。
原因究明が、あげ足とりになっちゃってるんじゃないかと思いますよ。
なんせ、不妊症は原因が人それぞれで、多過ぎて西洋医学の理論からいけば特定できない分野です。
だから、医学理論的にひっかかりそうな原因を重箱の隅をつつくように探して、あげ足ととる!今回のチラージンに限らず、AMHの検査とか、後、不妊症じゃないけど、アレルギー検査なんて、特定したところでステロイドや抗ヒスタミンでの治療という、検査しようがしまいが結果が変わらない無駄ぶりですから。
西洋医学の治療って化学的研究って言うけれど不妊症や慢性病に関しては年月が経つ程、意味不明な、あげ足とりになっていくような気がします。
漢方は西洋医学のように皮膚科とか産婦人科とか分けたりしないので、僕は不妊症に限らず、なんでも治療をお受けします(10万人に1人しか発症しない病気の治療も現在、行っています)
なので、甲状腺低下症や甲状腺更新症自体の治療もしています。
そういった病気で悩んでいる人の現状を知っていますが、チラージンなどのホルモン剤は、適当に飲んでいい。ってもんじゃないですよ。
当たり前ですよね。誰でも飲んでもいいものならば、逆に本当に病気の方には効き目が弱過ぎますよね。
だって、異常な状態の人を良くする薬ですよ。
普段の血液検査でちょっと高いとか低いとかの人も同じように良くなるものだったら、常に異常な人には効きませんよね。
甲状腺ホルモンがちょっと数値が悪くて妊娠しずらい人と甲状腺低下症や甲状腺更新症の病気の診断がされている人は一緒なのか?という話しです。
この病院ではなんと「妊娠しても飲んでも問題ない!」と言ってるそうです。
これには驚きました。
妊婦になると確かに妊娠の影響で甲状腺ホルモンが高くなるのですが、それを「妊婦は甲状腺ホルモンが高くないといけない!→だから薬で足せばいい」という単純な発想でしょうか。
これはいつもの日本のバカ医者のやらかし系じゃないのかな?と心配になって久々に師匠に質問してみました。
ちなみに師匠は今は現役を退いておられますが、元細胞顕微外科医で仲の良い友達には東大や慶応などの医師などがいらっしゃいます。
調べようと思ったら、そういったところの高度な医療情報も知る事ができるのです。
師匠に感謝!
要するに、そこらの町医者に訪ねたわけではないということですね。
そうしたら、予想通りのお答え。
僕は弟子だから考えは一緒なんですが・・・
「数値の少しのブレだけで甲状腺ホルモンなんか使っていいわけない」
「異常だったら、病気なんだから、過去の普通の血液検査でもひっかかるはず」
「現場を知ってる人間から言わせたら、チラージンなどは、手軽に飲んどいて。という薬じゃない。しょっちゅう、検査してコントロールしなかればならない」とおっしゃっておられました。
特に妊娠したら、病気じゃないんだったら絶対飲んじゃいけないとも言っておられました。
このメカニズムは西洋医学の生理学的な理由があるのですが、理由がちょっと込みいって長くなるので今回は割愛します。
「そして最後に治療はそんな単純な足し算じゃないよ」とも言っておられました。
ある医療系サイトに「妊婦になると普通の人も甲状腺ホルモンが高まるので、不足しないように薬を飲み続けても大丈夫」とありましたが、もはや、医者もサプリメントを売る怪しげな営業レベルですね。
でも、どうしても気になってチラージンを飲みたい人は、不妊専門ではなく、甲状腺などの内分泌系の専門のところで検査を受けられてはいかがでしょうか。
何も言わずにブラインドで検査を受けて薬を飲む事になれば、それはそれで必要なのでしょう。
でも、その前に一般の血液検査でひっかかってないから【要検査】がないので再度検査する必要がないですが。
2014年7月24日 6:09 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について
妊婦さんでも病気にはなります。
当たり前ですが。
そんな時に困るのが、病院の薬や検査などはどうすればいいのか?
うちは漢方治療をやっているので、大概の病気は漢方薬で治療するので、例え妊婦さんであっても問題ありませんが、病院の薬となると問題が出てきますね。
うちで実際にあった事例ですが、元々、喘息をもっていた方なんですが、眠れないくらいに喘息の発作が起こったので病院に行きました。
その時にステロイドを使うしかないとなったのですが、婦人科ではステロイドなんか使っちゃダメと言っていたのですが耳鼻咽喉科では、ステロイドと抗菌剤で止めないといけないと意見がわかれました。
簡単にいったら責任のなすり合い。
婦人科は「新薬なんて飲まないに越したことはない」と全面否定しておけば、確かに身体にとって安全ではあります。
でも、これは逆に喘息という治療は放棄しているわけです。
これは病気を治療する病院としての意味がありませんね。
医者得意の「専門ではない」を使っていたらしいですが、次にどの科に行って、どうすべきかは自分の医師としての見解として示すべきではないかと思います。
専門ではないから耳鼻咽喉科なりに行ってくれと責任放棄。
そして、耳鼻咽喉科では、薬が安全かどうかは保証できないとのこと。
「まず、大丈夫じゃない」みたいな近所の人との世間話のレベル。
ちょっと前の風疹のワクチン、今回のようなステロイドと抗菌剤、そして近年増えている心療内科系のお薬。
これらの薬の妊娠中の服用って実際はどうなんでしょう。
どれも医者によって、安全じゃない?と言ったり、飲んじゃダメ!と言ったり、同じ薬や検査でも、まちまちです。
ただ、この場合も飲んじゃダメという医師に代替え案はないようです。
ただの責任放棄ですね。
僕が思うのは真実は「医者にも誰にもわからない」というところではないでしょうか。
なぜなら、妊婦さんを対象にあらゆる薬を徹底的には検証はされていないからです。
例えば、過去によく妊婦さんのうつ状態にパキシルという薬を大量に処方していましたが、販売から6年経って「実はあの薬は催奇形性のリスクがあった」ということがわかり、添付文書も書き換えられました。
つまり書き換えられるまでの6年間は、医者に「この薬って妊婦さんが飲んでも大丈夫ですか?」と聞いても「リスクがあるからダメ!」とは言ってなかったのです。
そういったこれから起こるかもしれない未知の要素も考えれば、どれも人工物の薬にはリスクがあるという答えになります。
でも、どれもが全面的にダメ!
というのは簡単です。飲まなければノーリスクだから。
でも、そもそも、飲む必要があるから聞いているわけですね。
そう、病気をなんとかしたいから。
だから、医者は悪いとも、いいとも言い切れない。
なんとも中途半端な逃げ腰の態度になってしまいます。
うちは「飲まないほうがいいんじゃない」とアドバイスしています。
もしくは「生まれてきた子に何かあった場合、その時に自分が過去の服用薬と一切関係ないと思えるかどうか」を想像して決めればいいのではないかとアドバイスしています。
うちは漢方治療なので、別に新薬の処方という手がなくなっても関係ありません。
急性の喘息でも湿疹でも風邪でも漢方薬で対応します。
また大概の病気や症状にも対応できます。
ただ、漢方薬でもどんなものでも使えるか?というと、もちろん、漢方薬も薬です。
どの種類の漢方薬でも使える。というものではありません。
そこは制約がありますが、制約を踏まえつつ、その中で最大限、考えていけば、大概の治療はできるのですね。
そういえば、最近の病院って、どこもツムラの漢方薬を出せるのになんで最も漢方薬が活かせる、こんな時に使わないんでしょうか?
あっ使えないんだった。すみません。
マニュアルでしか漢方薬を処方してないから、それだと、どの漢方薬もリスクだらけですものね。使わないほうが病院側として安全ですね。
東洋医学の基礎を知らない医者が出せるわけないか。
2014年7月17日 6:51 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について
最近、うちの相談で漢方薬の治療と不妊治療の病院の治療は併用してもよいのかを質問されることが多かったので、それにお答えしようと思います。
西洋医学的思考で「不妊症」の人は漢方薬との併用が○か×ではなく、厳密に考えれば、その人の年齢、体質、状況によります。
その人に合わせてケースバイケースに考えないとダメな問題ですね。
うちは基本的には西洋医学の不妊治療、サプリメントなどは全てやめていただいても、漢方薬と自然の養生だけで成功するようにお手伝いします。
実績的にも大阪市内のウン百万する不妊治療の病院で体外受精を何度も失敗した40代の方でも、うちの漢方薬と生活養生のアドバイスのみで自然妊娠を成功させています。(病院の治療、怪しげなサプリメント等は全てやめました)
こういった例もうちでは一人や二人といっためずらしいことではありません。
僕が最も尊敬する師匠は元細胞顕微外科医というバリバリの外科医の先生です。
その先生から西洋医学を教えてもらっているので、漢方屋にありがちな、西洋医学の薬は人工物で悪!東洋医学は自然で善!だから、自然妊娠がいい!みたいな偏った価値観も持っていません。
慢性病の治療方法に西洋医学が合うとは思っていませんが西洋医学の理論やメカニズムは好きです。
西洋、東洋医学のニュートラルな立場から見ても基本的には病院の不妊治療は必要ないと思います。
不妊症の相談をしていると、そもそもが皆さんが病院の治療を誤解されているかも!?と思う事があります。
不妊治療と呼んでいますが、不妊症は病気ではありません。
「卵管が両方とも完全に閉塞している」とか「ミカン以上の大きさの子宮筋腫がある」などは不妊症の原因になっている可能性が高く、それらは外科的な手術等の「治療」ができます。
しかし、病院が通常に行っているホルモン剤の処方などは、僕は治療ではないと思います。
例えばクロミッドなどはクロミッドをつくった製薬会社の添付文書に
”(1) 投与前少なくとも1ヵ月間及び治療期間中は基礎体温を必ず記録させ、排卵誘発の有無を観察すること。”
と明記されていますが、実際の病院の現場では、排卵しているかどうかを1ヶ月間確認もせず、治療薬とばかりに処方している病院なんてザラです。
それどころか、エコーなどでどう考えても排卵してるっぽいのにマニュアル治療のごとくクロミッドやセロフェン、セキソビットなどの排卵誘発剤を処方することもあります。
本来は、無排卵かどうかを分析して、その結果、無排卵だと判断すれば排卵誘発剤を投与します。
それも、添付文書の他の部分では、
”7. 一般に3クール反復投与しても排卵性月経の全くみられない場合には投与を中止すること。”
と一般的には3ヶ月の連続投与が限度だとされています。
その患者さんは一般的でなかったと言うかもしれませんが、うちで詳しく状況をお聞きしていたら、検査の結果なども含めて考えてもほとんどの人は一般的だと考えられる状態です。
クロミッド錠 50mg
なによりもホルモン剤は元々、妊娠しずらい身体を妊娠しやすく治療するものではありません。
ホルモンを強制的に操作するだけです。
「操作」です。「治療」ではないです。
それはクロミッドに限らず、HCG、HMG、ルトラール、デュファストン、プラノバール、ソフィア・・・全部、同じです。
どれも身体を妊娠しやすく治療するわけではなく、妊娠に関わるホルモンを強制的に操作するものです。
だから、普段から感じている手足の冷えや胃腸の調子の悪さ、抑うつ状態、頭痛などは何一つ良くなりません。
さて、ここで考えてみましょう。
赤ちゃんを育てていかないといけない自分の身体はトラブルだらけだけど、ホルモンのみを強制的に操作して、とにかく受胎させれば、健康な出産に結びつくと思います?
ホルモン剤で確かに受胎の確率は上がると思います。
しかし、赤ちゃん自体がスクスク育っていくこととは全くの別問題です。
不妊治療の病院は出産まで追いかけて成功率を出すべきだと思います
でないと、西洋医学お得意のその場しのぎの出産ではなく受胎治療になります。
妊娠はホルモン剤で誤摩化しても何しても受胎さえすればいい!
というものではないのです。
人間の身体はそんな簡単にできていません。
赤ちゃんは「作る」のではなく「授かる」のです。
「作る」という行為の代償は流産なのです。
だって、受胎の後、結局、育てていくのは自分の身体ですから。
ただ、ホルモン剤のような強制的な操作を必要とする方もいらっしゃいます。
月経が始まった時から2ヶ月に1度しか月経が来ないとか、出血が10日間続くとか、普通じゃないですよね。
普通じゃなければ、普通じゃない治療が必要です。
こういうケースはホルモン剤が必要な場合もあるんじゃないかなと思います。
後、体質やパートナーの状態や生活環境の問題で人工授精や体外受精の選択肢しかない場合もあります。
この場合は、迷わず病院の治療を選んでもいいと思います。
病院で治療するのではなく、病院のホルモン操作をうまく利用するのです。
だから、うちでも基本は自然妊娠ですが、何が何でも自然妊娠ではありません。
その方のベストな方法を考えて、病院の不妊治療が必要だと考えれば、そのことをアドバイスさせてもらいます。
ただ、病院の不妊治療は治療していたら「だんだん治っていって、終いに妊娠するもの」でもないし「飲んでいないと妊娠しなくなるもの」でもありません。
それはさっきの製薬自体の添付文書やその薬の化学的薬理作用を考えれば明白です。
そんな理屈よりも皆さん、実際にうすうす感じいるんじゃないですか?
どうも不妊治療の病院に通い出しから、月経の状態や体調が悪くなっていると。
病院の不妊治療はホルモンの強制操作。
だったら、まずは漢方薬や養生で自然に自分の底力を高めてみるのが順番的に正しいように僕は思います。
2014年7月10日 7:29 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について
今回は、ちょっと専門的な記事を書こうかなと思っています。
「いつも、マニアックでよくわかんないよ」って言わないでくださいね。
病院が間違った漢方薬の使い方をしていますので漢方治療って誤解されがちですが、漢方薬の治療というのは、体質全体を整えてベストな健康状態にすることによって、目的の症状なども、その全体につられて自然になくなるといった感じです。
初めに「自分の気になっている症状がどうなるか?」ではないのですね。
頭痛の痛みを発している神経のみを遮断するとか、湿疹の炎症をステロイドのみで抑制するとか、そんな直接的な効果の漢方薬は存在しません。
なので、その人の気になっている症状や病気だけを聞いても治療できません。
病院の不妊治療では、ホルモン剤で排卵系ホルモンやら黄体ホルモンやらを狙いうちして、全身ではなく、個別の器官や働きに対して薬を使うので、中には漢方薬も各ホルモンの働きを変えるものだと患者さんだけでなく医者すら誤解していることがあります。
漢方治療とは全身の状態をくまなく調べて、どこがどうおかしくなっていて、それを「全体的」にどう整えればいいのかを考えていくのです。
こういった漢方の基本の医学理念から、病院の病気や症状をあてはめて選んでいる漢方薬の処方がいかに間違っているかが伺いしれます。
病は「木」を見て治すのではなく「森」を見通して治さないといけないのです。
ま、それはおいといて要は漢方治療は、どんな病気であっても、関節の痛みのみをどうしようとか、耳鳴りのみをどうしようと考えないで全身をどう整えていけば、関節の痛みがなくなるのか、耳鳴りがなくなるのかを考えます。
全身の状態をどう整えていくか。
これが基本中の基本!
こういった方法が漢方治療の基本的な考えなのですが、不妊治療においては、かならずしも、この基本の考え方にすれば成功するとは限りません。
基本は、全身を整えることですが健康になれば、妊娠するとは限らないのです。
そもそも、その人のベストな健康状態が、ちょっと妊娠しずらい体質という場合もあります。
なぜなら、不妊症自体が病気ではないからです。
何かが治ったら妊娠するものではありません。
全身の状態を整えるだけでなく、月経リズムが活性化されているという状態も必要な体質もあるのです。
なので、不妊治療においては、時には全身の状態を整えることをメインにしないで月経リズムと排卵を促すこと、着床後の状態を良くすることに集中させる場合もあります。
例えば、アトピーなどの持病があって、不妊症がある場合、漢方の基本理念からいけば全身を整えて、持病を整えることをメインに考えないといけませんが、その持病が不妊症と直接、関係なさそうと判断した場合は月経リズム、漢方では血の道症というのですが、それを中心に考えて治療していきます。
実際、うちでも難病系の不妊症の方なんかは、難病が治るのを待ってたら、妊娠できる期間が終わっちゃうかもしれないので、そんな時は妊娠の方に治療を集中させます。
もちろん、漢方治療の基本は体質にあわせた治療ですから、持病の治療を一時、棚上げしたからといって、西洋医学のように各ホルモンを上げる漢方薬なんてないし、そんな考えで治療はしませんよ。
基本的な体質をベースに考えて、プラス、ホルモン活性的な味付けを加えた治療に微妙なチューニングをするのです。
誰でも「当帰芍薬散、出しときゃホルモン活性する!」というほど漢方治療は甘くありません。
そこは、ちゃんとベースの体質を元に最適な漢方薬をその人に合わせて選んでいきます。
だから、実はこういった治療の方法の方が本来の治療よりも大変なんですね。
ただ素直に体質に合わせて漢方薬を選べばいい!というものではないからです。
チューニングのバランスが難しいです。
でも、そこであなたはこう思いませんでした?
「だったら、他の持病を治すのと月経リズムを活性化させるのと両方で治療すればいい」と。
もちろん、そういった方法をとることもありますが、基本的に漢方薬って種類を増やすほど、1つ1つの漢方薬の専門的な効果ってブレるのです。
薄まるといってもいいかな。
まさに「二兎追う物は一兎も得ず」
漢方治療ではこれが起こりやすいです。
だから、なるべくどんな治療であっても1種類に絞ったほうがいいのです。
他の持病と不妊症を克服する漢方薬が折り合いつかずに、どっちに対して効かないという事態になりかねません。
これでは本末転倒!!
西洋医学やサプリメント的な発想では、種類って増やせば増やすほどパワーアップするイメージがありますが、漢方治療は1つに絞れば絞るほど効果が高いと考えてもらったほうがいいです。
一度にたくさんの種類を処方するほど漢方の腕がないとも言えますね。
そんな訳で、治療の方針自体をどうとっていくか?
それもやっぱり、その人に合わせて、その時に臨機応変に考えていくしかありません。
「その人、その人に応じて臨機応変」
西洋医学が最も嫌う方法ですね。
2014年7月3日 7:16 PM |
カテゴリー:漢方の事あれこれ
先日、ホリエモンの記事でおもしろいものを見つけました。
記事の主旨は、エンジニアは、もっとより良く世の中のシステムを変えていくべきだというものなのですが、その中でホリエモンが体験した実例から世の中のダメなシステムの中で日本の医療業界は安かろう、悪かろうで「終わってる」と書かれていました。
その実例っていうのがホリエモンは10:30の予約ピッタリに行ったのに、時間通りに診察されず、ホリエモンは仕事に間に合わないので診断を受けずに帰ったというもの。
多分、一般の人がこの記事を読んだら「病院なんて、そんなもんだよ」と思われるかもしれません。
でも、それって悪い方にマヒしていると思うのです。
この記事で僕が気になったのはホリエモンが「10:30の予約ピッタリに行ったのに」って書いてあるところ。
「予約」って頼んだ側だけが守って、頼まれた側は好き勝手にやってもいいというものではないと思うのです。
それが世間ではなんとなく病院はしょうがないって感じに。
なんでも鋭くハッキリとモノを言われるホリエモンですが、今回の事ってごくごく常識的な発言だと思います。
「予約」は「約束」なんですね。
頼まれた側だからって、勝手に破っていい約束ではありません。
現在の病院がやってる「予約」の時間を勝手にズラすことを正当だと言うのであれば、頼んだ方の患者さんは2時間位、遅れていったって即座に診ないとダメなはずです。
それならイーブンですね。
不妊治療の病院も予約制が多いですが、どこもこの予約という「約束」を守っていないようですね。約束を破りまくりッ
患者さんも2、3時間、待つのが当たり前になっています。
これは普通で考えたら非常識極まりないですね。
19:00にイタリアンのお店を事前に予約したのに実際にテーブルの着くのが23:00だったらどうします?
医療だったらいいのでしょうか?
エラいことしてるから「約束守らなくても良い」と思っているのでしょうか?
僕には人の弱みにつけこんだ「傲慢」な行為にしか見えません。
「そんなこと言ったって、たくさんの人がいるからしょうがないじゃない!」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、それだったら、予約制でないと事前に言っておけばいいのです。「いつになるか全くわかりません」と。
そうしたら、病院は今よりもパニックになるでしょう。
でも予約という約束を守れないんだから、こちら側としては、ウソつかれても、しょうがいないですよね。
大体、開業してすぐなら、要領がつかめずに予約時間よりも「若干」遅れてもしょうがいないかもしれませんが、開業してしばらく経ってもその状態だということは確信犯ですよ。
初めから待たせるつもりで客をとっているのです。
この予約の待ち時間の問題。
実は、先のホリエモンが行った総合病院と不妊治療の病院では厳密には事情が変わってきます。
総合病院は保険適応なので法的に外来を断ることができません。
かといって重い病の方も予約なしで診ることにすると、もっと混乱しちゃいます。
ある種、病院側だけでコントロールできない、しょうがない事情もあります。
ところが、不妊治療の病院になると違ってきます。
不妊治療の病院は実費ですよね。
それに専門でやってるんだから、婦人科の外来なんて、ほぼないはずです。
実費ということは「その時間は予約が入っているので」といって断ることができるはずです。
でも、実際は予約といいながら、患者さんを詰めこみまくりです。
現状、2時間も3時間も待たせるということは、実際は今の患者さんを1/3に減らして、やっと予約的なマトモな動きができるのかもしれません。
では、なぜそうしないか?
多分、儲けが減るからでしょう。
それとも実費で特別治療なのに、保険適応の総合病院と同じだと勘違いしているのでしょうか。
「少しでも多くの患者さんを治療したい」みたいな見え透いた営業トークをするかもしれませんが、それだったら度々、来てくれている既存の患者さんを2、3時間待たせること自体が非常識ですね。
病院は「予約」とはどういうことなのか「常識」を身につけたほうがいいんじゃないかと思ったりすることがあります。
ちなみにうちは予約優先制ですが、基本、時間通りに行います。
当たり前か・・・
2014年7月1日 6:21 PM |
カテゴリー:病院の不妊治療について