病院の薬の説明はウソだらけ!?(クロミッドなど)

うちの漢方相談は漢方薬を選んでお渡しするだけでなく、その病気に関するあらゆる事の相談にのっています。

その病気の病院での治療の事やサプリメントの事、ネットで書いてあったことが本当なのかどうか?などにお答えさせてもらっています。

相談の中で特に多いのが「病院で●●と言ってたのはどういう意味ですか?」とか「病院でこんな薬使ってますが、これっていいんですか?」など。

病院関係の質問が圧倒的に多いです。
皆さんのご意見をお聞きしていると病院でベルトコンベアーみたいに治療されているので、質問してもいいような時間や雰囲気がないということと、病院の治療は受けているけど実は信用はしていないという感じのようです。

そういった質問に対して、僕のわかる範囲でお調べしてお答えさせてもらっています。
もちろん、僕は西洋医ではないので、あくまでアドバイスの範囲。

ただ、適当に調べて答えるというわけではありません。
僕はネットジャンキーレベルのネットが好きな人間ですが、医療系はネットよりも医学書院などの医療系に強い出版社が発行している書籍で調べるようにしています。ネットはデマも多いため。

ネットで調べる場合は、出所が明確な論文や製薬会社自体の資料を参照します。
また、元外科医が僕の師匠なので、西洋医学の情報で裏がとれそうにない場合は、その師匠に聞いたり、師匠が専門外でわからない場合は、師匠のお友達の東大の付属病院やいろいろな病院のその専門の先生に問い合わせてもらったりしています。
(師匠、いつもありがとうございます)

前置きが長くなりましたが、そんな相談の中で最近、病院の薬の説明って「ちょっと正確じゃないよね」と思うような質問が多かったので、記事にしようと思いました。

おかしく思ったのは、クロミッドやhcgが卵胞に栄養を与えるとか、hcgは着床しやすくしてくれるとか、なんか「飲んだり打ったりしたほうがいい!」みたいに思わせるような表現が目立つようなことです。

これはホルモン剤に限りません。他の薬でも「良くなる」とか「症状がなくなる」みたいな良いことずくめっぽい説明です。
しかし病院のほとんどのお薬は、対症療法といってその場をしのぐお薬です。
根本的な原因に対応するわけでもないし、飲み続ければ悪い体質が変わるものでもありません。

あくまで飲んでいる間は、変わるというもの。
表現の違いと言われればそれまでですが、もう少し詳しく説明する必要があるんじゃないかと思います。

例えば、まさに西洋医学の薬と言える抗菌剤などは、その原因である菌を殺したりしますので、原因に対応しています。
(これも近年は耐性菌ができたり、良い菌も含めた全部の菌をまるごと殺しちゃいけないとか、いろいろと問題も出てきていますが)

しかし、そういったわかりやすい病気に対する治療以外は、全部、本質的な原因には対応していません。
本質的な原因があって、それによって起こった症状などの起こった結果に対して一時的に対応しているだけです。
だから、その場しのぎの対症療法なんですね。

不妊症のホルモン治療なども原因に対して治療しているわけではありません。
強制的にホルモンを動かして妊娠できそうな状態にもっていこうとしているだけ。

先の「クロミッドが卵胞に栄養を与える」と言ったような説明だと、一般の方は飲んだほうが得なような気がしてしまいますが、そもそも、そんな効果ではありません。
また、根本的に不妊治療はホルモン剤でドンドン、ホルモンを活性化させれば妊娠するもではありません。

ホルモンが活性しすぎた状態が子宮筋腫や子宮ガンにも関わっているのです。
ホルモンは活性化ではなく「その人にあった丁度良い状態に”調整する”こと」です。

だから、誰にでも同じ効果のクロミッドを処方している時点で終わっているのです。
ちなみにクロミッドをわかりやすく説明するなら、卵胞に栄養を与えるのではなく、
「受胎のために精子が通過しやすくする頚管粘液や着床のために子宮内膜を厚くする身体の働きを”邪魔”して卵胞を大きくし排卵を促す作用」です。

頚管粘液の減少や子宮内膜が薄くなるのは、めったに起こらない副作用ではなく作用機序から、これも立派な作用です。
(悪い作用ですが作用は作用です)

また卵胞はある程度、大きく育てばLHホルモンによって、排卵しますが、病院の先生の中には「クロミッドはあくまで卵胞を大きくするだけの時があり実質の排卵につながるかは疑問だ」と言われている方もいらっしゃいます。

病院の薬はどれも何かの効果を得るために何かは犠牲にしていると考えたほうがいいです。
(鎮痛剤が胃腸薬と一緒に処方されることなど)
病院側の説明だと、まるでエセサプリメント会社の万能薬のような説明です。

一般の方は医療の素人だから簡単に説明しているのかもしれませんが、なんでも調べることのネット時代なんですから「卵胞を大きくして子宮内膜は薄くなる薬ですよ」と説明してもいいんじゃないかと思います。

結局、患者さんはどこかで調べてますので。