病院の妊婦さんへの恐ろしい便秘対応

うちでは不妊症の漢方治療をやっていますが妊娠した後も「はい、終わり!」じゃなく、その後のケアもさせてもらっています。

不妊治療をしていると、どうしてもゴールが妊娠のようなイメージになりがちです。
なぜなら西洋医学の不妊専門の病院だと妊娠の陽性反応が出たらゴーーール!!だからです。

その後、即流産しても不妊専門の病院には関係のないこと。

不妊専門の病院は健康な赤ちゃんを生むための安全な出産が目的ではなく「妊娠陽性反応」が目的です。

でも不妊治療の本当の目的は妊娠陽性反応ではなく「出産」なんですね。
漢方の不妊治療は西洋医学のように強制的にホルモンを操作することではありません。

授かりやすい体質をつくりだすのです。

だからうちでは出産まで、お付き合いさせてもらっています。

妊婦になってからもいろいろな困難が待ち受けています。

つわりが初めにあらわれる代表的な症状だと思われがちですが、実はそれよりも早くに現れる症状があります。

それは便秘

身体は赤ちゃんを育てるため血をとどめ溜めていくのです。

この身体の方向性は子宮内だけにとどまりません。

当たり前ですが子宮にとどめる血は全身の血を使っているのです。

西洋医学的な感覚になっていると忘れてしまいがちですが身体は全部つながっているのですね。

この留めていこうとする身体の方向性は身体全体の方向性なので体質によっては便秘につながっていくのですね。

先日、うちで妊娠した妊婦さんから「便秘が強くなってきたので病院に相談したら薬を出されたけど、飲んでいいものですか?」と質問がありました。

うちではよく病院で出された薬を飲んでいいのかどうかの質問があります。

僕は、病院のお薬の指示をすることはできませんが、最近の病院はマニュアル処方が板についていて、あまり相手の状態を考えずにマニュアルをみて机上の理論だけで考えて出している感じなので「僕ならこうします」と参考のお話をさせてもらっています。

そして今回の便秘の薬のことを聞いてみると、どうも生薬系っぽい。

詳しいことが知りたいので内容を送ってくださいとお願いしました。

そしたらやっぱり生薬系。

そしてその内容にビックリ!!

中の生薬はセンナ、ダイオウ、オウレンと酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム。

漢方的にはオウレン以外は妊婦さんに禁忌

つまり妊娠中は使っちゃいけないものです。

ダイオウは時期によって使えますが、それでもかなり慎重に考えて出すかどうかを考えるものだし、できれば使わないに越した事ないものです。

後、センナと酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムは最悪です。

まず3つに共通する働きは子宮の収縮

つまり子宮を縮めて何かを押し出すのです。

硫酸マグネシウムに関しては生薬の名前では芒硝というのですが、これは昔は肢胎の娩出に使われていました。

要するに流産した人で死んだ赤ちゃんがお腹に残ってしまったのを昔は、この薬を使ってかき出していたのですね。

センナは持っている性質が瀉下と大寒。

瀉下とは簡単に言えば押し出すということです。

便などを押し出す。大寒はとてもお腹を冷やす性質をもっているということ。

僕はこの薬を処方した医者と直接話したわけではないので、なんで堕胎的な処方を出したのか理解に苦しみますが、医者は、そもそも、漢方の医学理論は全く知らないので、マニュアルだけみて出しているのでしょう。

そして便秘は「便や腸の問題だけ」と身体とは切り離して考えているのでしょう。

人間の生身の身体を部品単位でしか考えられない西洋医学の典型的な特徴ですね。

この方は過去に流産の経験があります。

通常の妊娠よりもより深く、処方を選んでいかないといけない体質なのです。

「体質なんて、くそっくらえ!マニュアルに書いてあるじゃん」的な狭い考え方が、なんとも西洋医学らしいですね。

ということで中の成分はどんなものかを詳しく説明させていただき「できるだけ自然に便が出るようにできることをまずはやってみた方がいいんじゃないですか」とお話しました。

ただし、どうしても便秘がキツイ場合は、大黄にその瀉下の力を調整する生薬を混ぜた処方にすれば妊婦さんでも安全に使えます。

漢方薬の良いところはココですね。

なにかしらいろいろな体質にあわせてくれるところ。

いつでもそれを調整しながらお渡しできますので。とお話しました。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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