病院の流産防止予防薬って何?

うちの患者さんで、以前に流産してしまった人が妊娠しました。

やったー!!うれしいです!!

その方、過去に2回の流産があるので、今度こそ元気に育ってほしいなと思います。

2回の流産があったせいか、病院からいわゆる流産ぐせがあるからと低容量アスピリンの薬を予防として処方された模様。

えっ病院の薬で予防になるの?

医者のこの斬新な発想にびっくりしました。

で、患者さんから聞かれました。

「この薬って、本当に予防で飲んでったほうがいいですか?」

「う〜ん、なんとも言えない。ただ僕の嫁さんがそれ飲めって言われたらお断りですね」

そもそも、西洋医学は原因を突き止めて、その原因を変えていくためのお薬を使います。

原因がわからないものに薬を処方できません。

インフルエンザか風邪かわからないものにインフルエンザ専門のお薬であるタミフルは処方しません。

血圧が高くない人に降圧剤は処方しません。

この前提を踏まえて、次の文を読んでみてください。

西洋医学が考える流産の人の原因や今回の薬のことをまとめてみました。

以下は西洋医学的にいろいろ書いてあるのをまとめてみたものです。

==西洋医学のまとめ==

「流産の原因はいろいろな原因があってよくわからないです。だけど、その中にも免疫的な関係で自分の免疫の原因で起こる“抗リン脂質抗体”というものが考えられます。

なぜ、“抗リン脂質抗体”があると流産が起こるのかについては、それこそ流産って、いろいろな原因が考えられますが、主には自分の免疫によって絨毛間腔(胎盤の母体血液から酸素や栄養のやりとりをする場所)で血を止めたり流れを悪くする血栓が積極的につくられるからだと考えられます。

つまり、赤ちゃんに栄養を送りこむ、こんな大事な場所で血栓ができて血が流れなくなれば、赤ちゃんは生きることができないです」とあります。

==まとめ終わり==

今回、患者さんが流産予防にって渡された薬はアスピリン系のお薬ですが、アスピリン系のお薬は血小板が固まるのを減らしてくれる薬です。

だから、さっきの「お母さんと赤ちゃんが栄養のやり取りする場所の血栓を減らしてくれるので流産しないよ」っていうことですね。

ここでまたまとめ

==西洋医学のまとめ==

「不育症でのアスピリンの効果が科学的に立証されているとはいえません」

==まとめ終わり==

いくらかの病院の説明を調べると書いてありました。

それらの話をまとめると、

==西洋医学のまとめ==

「流産にはいろいろな要因がありすぎて(原因)がよくわかんないし、アスピリンが必要だと考えられている(原因)である抗リン脂質抗体もなぜ起こるのか(原因)がわからない。しかも流産予防に使うアスピリンもその効果が科学的に立証されていないよ」ってありました。

==まとめ終わり==

ここからはアスピリン自体の副作用の話。

==アスピリンの副作用について==

副作用・妊娠中のアスピリン服用について

重要な点をまとめると

① 妊娠初期の催奇形性の問題。

② 予定日12週以内(妊娠28週以降)の服用による問題。

そこから、アスピリンの催奇形性に触れていますが、病院の見解によると「ただし動物実験からの報告ですのでヒトにはそのまま当てはまるわけではありません」とあります。

==アスピリンの副作用について終わり==

薬はみんな妊娠したら怖いって知ってます。

その薬で最も怖いのが催奇形性。

人工物である薬の影響で赤ちゃんの身体や機能がおかしく育ってしまうことですね。

それが流産治療の薬の副作用にあるということ。

そして「その副作用は動物実験からの報告だから人には関係ないよ」って言ってます。

でも人に関係ないんだったら「副作用はないです!関係あるのは動物です。」ってしたらと思うのですが・・・。

少なくともヒトに関しては医者が100%保証してくれるんですよね。

ここでもうひとつ重要なのが、妊婦さん自身がこの薬が必要な「抗リン脂質抗体」であるかどうかということ。

僕が相談で話した感じでは、今までこの薬を処方されて相談を受けた妊婦さんは病院で「抗リン脂質抗体」の人であるとは言われていないように思います。(聞いてないだけかもしれませんが)

流産の原因は何かわかっていないけど、アスピリン系のお薬の処方。

原因はわかっていないけど、アスピリン。

極端に言ったら、お腹にダメージを受けて流産だったかもしれない。

身体全体を急に冷やしちゃって流産かもしれない。

仕事のストレスが強すぎて体調が悪くなったことが流産かもしれない。

「抗リン脂質抗体」なんて1mmも関係ない可能性もあります。

医者自体が言ってましたが、流産の原因はそれこそ、人それぞれ。

いろいろ、イロイロ考えられます。

西洋医学は原因が明確になって、はじめて処置できます。

残念ながら、人工物の新薬に予防の薬なんてないですよね。

ただし、今回の記事は冒頭でも書きましたが別に「この治療って間違ってるだろ」とか言うつもりは全くありません。

自分的になんかスッキリしないんで自分の嫁さんにだったら飲ませないというだけの話。

漢方家としては「明確に抗リン脂質抗体」じゃなかったら飲んじゃダメだと思います。

だって西洋医学のルールは「原因 → 原因に対して処置する」ですから。

なぜ漢方的にはダメなのか?

その理由は長くなりすぎたので今度、書きます。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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