バラしちゃいます!実は漢方治療ができない先生の条件

漢方が世間的に流行っていますね。

テレビでもよく取り上げられています。

僕が漢方を勉強をしはじめた10年くらい前は病院なんかどこも漢方をやっていなくて、医者は逆に「漢方なんてエビデンス(科学的根拠)が乏しいから治療では使えない」なんてドヤ顔で言ってましたよ。

それが今や、どこの病院も、まるで流行の薬みたいにやってます。

こんなブームで困るのは、「ちゃんと漢方をやってるところとやっていないところの見分けがつかないところ」

特にネットは業者に頼めば、漢方の知識ゼロの先生でも、それなりに専門的に見せる事ができるので厄介です。

昔は漢方相談自体をドコに相談すればいいのかわからない状態だったのですが、今はドコもやりはじめたので、ドコがいいのかわからないという状態です。

なので、うちの相談にもよく「Aという漢方薬局とBという漢方薬局で相談したけれど、どちらも全然、違う説明をされました。どちらが正解ですか?」という質問がきます。

こういう風に迷ってしまうのは、皆さんが漢方も西洋医学と同じように考えてしまっている部分も関係しています。

西洋医学は手術の必要な外科治療やその場で処置が変わる救急治療以外は、治療にガイドラインがあって大体、そのガイドラインに沿って治療をしています。

簡単に言えば、マニュアルを見て薬を出すだけなので、どこの病院に行っても同じ治療が受けられます。

逆を言えば、どこに行っても同じ治療です。

病院の薬には製薬会社が定めた効果や副作用、どんな時に処方するかというルールがあって、基本的にはそのルールに基づいて処方し治療します。

製薬会社が決めた薬の効果を医者が勝手に解釈してルールにはない全く違う病気に処方することはないと思います。

見方を変えれば、診断もある程度、ルールが決まっていて処方するお薬はその診断に基づいたものを処方します。

そのお薬は医者ではなく製薬会社が明らかにした効果のものを使用しますので医者は製薬会社のルール通りに便乗して、単に薬を患者さんに渡しているだけともいえます。

だから、西洋医学の治療は、どの病院に行ってもマニュアルに沿ってやっているので、どこの病院も同じ治療になりがちです。

排卵誘発のクロミッド(セキソビット、クロミフェン)、HCGの注射、ルトラール

皮膚病ならステロイドや抗生物質

風邪の解熱鎮痛、咳止め、去痰薬

若干の薬の効果の強弱によって薬の種類は変わりますが、治療の方向性はどこの病院であろうと対して変わりません。

ところが、漢方薬は薬の効果というものがあらかじめ決まっていません。

ネットに書いてある効果なんてウソっぱちです。

さっき、病院の薬は、製薬会社が効果などを明確にしていると話しましたが、漢方薬はツムラが提供していても、効果はいろいろな漢方の文献によって変わってくるので「この漢方薬はこの効果である」というのはツムラも決めることができないのです。

漢方薬は、「どんな効果」で選ぶのではなく原則、「どんな体質の人にどの漢方薬なら治る方向へと調整することができるか」で選びます。

同じ漢方薬でも体質の違う人によって効果が変わります。

おまけに診断の方法も決まっていません。

大きくは3種類の診断の考え方(古方、日本漢方、中医)がありますが、どれだったら正解とか、どれだったら間違いというものはないです。

ちなみに医者は、どの種類の診断方法もできません。

西洋医学は世界共通のガイドラインがあるので、正解とか間違いという判断ができますが、漢方ではできないのです。

どれもが間違いでどれもが正解。

ある意味、とても自由!

でも、そんな中でも最低限、「これは、守らないとダメ!」というものがあります。

このルールを守っているかどうかをチェックすれば、初回の漢方の説明で最低限の漢方理論もわかっていない先生かどうかがわかります。

その条件は2つ。

① 漢方薬が効くまでに3ヶ月〜6ヶ月かかると言っちゃう先生。

漢方薬が3〜6ヶ月かかるなんてことは漢方のどの文献にも書いていません。

効く期間というのは言うまでもなく体質によって変わります。

② 初回に同じ種類の漢方薬で何ヶ月か様子をみるとか言っちゃう先生。
漢方薬と体質が合っているかどうかは、ある程度の期間を飲んだ後の変化によって確認できます。

場合によっては、初回に選んだもので大ハズレで副作用がジャンジャン出てくる可能性だってあります。

したがって、初回から何ヶ月か同じ種類のものを飲んでもらうかどうかは誰にもわからないのです。

1度の処方で3ヶ月分を出している時点で、その先生はニセモノ!確定です。

どちらのケースも、結果的に同じ種類の漢方薬を何ヶ月か飲むことはあります。

しかしこれは、あくまで「結果的には」ということ。

初めからマニュアル的に決めることではありません。

「1ヶ月ごとに様子をみていたら、たまたま、そうなった」というだけです。

こんな説明で、「この人、なんかマニュアルでやってるな」と思ったらそれは漢方じゃないです!!

漢方治療は「漢方=臨機応変」ですね。

漢方は先生の自由にいろいろな治療戦略を組むことができますが、この2つをやっちゃう先生はニセ漢方医が確定です。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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