漢方治療の第一歩は病院のホルモン剤の影響をリセットすることから

「漢方ってどんな風に治療がすすんでいくんだろう」と思いませんか?

実は漢方は西洋医学のように治療の手順が決まっていません。

病院の不妊治療の手順は次のような感じ。

①年齢が若ければ、卵巣の状態を検査しながらタイミング指導。

②次に各ホルモン剤の処方。まずは排卵誘発剤のクロミッド(クロミフェン・セロフェン・セキソビット)を処方。

それでダメだったらHCG、HMGの注射。マーベロンにすることもある。

高温期が短かったらルトラールやプラノバール。

月経周期が全体的にバランスが悪ければソフィアなどの混合ピル。

③ホルモン剤で何ヶ月か治療してもダメだったら、人工授精。

④人工授精でダメだったら体外受精。

大体、この流れと方法です。

これは全国、どこの病院に行ってもほとんど変わらないと思います。

ところが漢方では「不妊症の人ならこんな風な手順と方法で治療しましょう」という決まったルールはありません。

(病院がやってる不妊症なら当帰芍薬散とか温経湯とかのマニュアル漢方は漢方治療ではないデタラメなものですし、漢方薬局の中には、最初からマニュアルで漢方薬を決めているところもありますが)

基本自由!

自由といっても病院みたいに好き放題してもいいということではないですよ。

原則を守れば、その先生の考えた方次第です。

守らなければいけない漢方治療の原則はその人の体質に合わせること

排卵しやすくなる効果の漢方薬とか、着床しやすい効果の漢方薬とか、そんなのありません。

また冷え症を治せば不妊を克服できるみたなのもデタラメ

漢方の治療原則はその人独自の体質に合わせて漢方薬を選ぶ事。

この原則を守れば、どの処方を使ってもいいし、どんな方針で治療してもいいのです。

うちは病院の不妊治療を経験した人で基礎体温が乱れていれば、まずやっていくことは、ホルモン剤の影響を抜く事を主眼においてみていきます。

ホルモン剤の影響といったってホルモン剤の成分が身体に残っているから、それをデトックスしようみたいな怪しい系の話ではありません。

ホルモン剤ありきの体質の月経リズムから、その人本来の月経リズムになるように考えていきます。

人間の身体は自分の身体は自分で調整し正しい働きに戻せるようになっています。

ホメオスタシスと呼ばれたり、自然治癒力と呼ばれたりしています。

病気になってもケガをしても自然に治るのはこのシステムがあるからです。

これは誰でもあるよ。

病院のお薬などは、この働きを無視した治療です。

その人のリズムやペースなんて知ったこっちゃない!

無理矢理、強制的に身体の働きを変えて、痛みを止めたり、咳を止めたりします。

治すというよりも「身体の働きを誤摩かす」「身体をだます」といったほうがわかりやすいかもしれません。

月経は誰しも自分のリズムをもっています。

その平均が28日周期の低温期14日。高温期14日ですね。

ホルモン剤は元々、その人が持っている固有のリズムなんか関係ありません。

排卵誘発剤なら、場合によったら卵巣を何倍にもして高熱を出させたりします。
(排卵誘発剤による多児をまびく手術が問題になっていますね)

その人のリズムを完全無視!

でも、自分の月経リズムは理想よりは悪いかもしれませんが、ちゃんとリズムがあるのですね。

そこに外からホルモン剤で無理矢理、変えるのです。

こんなことを長い間、続けてたら、自分の身体に元々ある月経リズムは乱れていくのですね。

その人自身の月経リズムはボロボロ

妊娠しにくい自分の月経リズムをホルモン剤が治療してくれていると思われる人もいらっしゃるかもしれませんが、そんなワケないです。

だって月経リズムの乱れはみんな違うのです。

月経周期も月経期間も低温期の期間や高温期の期間。

月経の状態。

体温の高さ。

原因も人それぞれ。

身体の状態はみんな違うのに、ホルモン剤はみんな一緒のもの

それぞれ違う状態の月経リズムの人達に同じ薬で治療になるわけないじゃないですか。

だから、あれは治療じゃなくて強制的にリズムを変えているだけ

中にはクロミッドやHCGの効果と自分の月経リズムやホルモンの乱れ具合が丁度、バランスがとれる状態になる人もいると思いますが、かなーーーりレアだと思います。

だって、ホルモン剤、キツイですから。

ということで、うちではまずホルモン剤がつくりだした「まやかしの月経リズム」をまずなくすように考えていきます。

まずはリセットさせて、本質的な月経リズムを取り戻す。

そして、その月経リズムを今度は理想に近づけて行きます。

ということで、自然治療ではホルモン剤の服用期間が長いほど、元に戻すのに時間がかかりますよ。

ヘタしたら、元に戻らなくなることもあります。

もし、長期間、ホルモン治療を続けていて(それも一緒のものばかり)も結果が出ていないのあれば、少し立ちどまって、不妊治療を考え直してみてはいかがでしょうか。

将来に響くこともありますよ。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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