hCG・hMGについて(不妊治療の医学知識)

月経後からクロミッドを飲んで、卵胞を人工的に大きくしてきたら、次はいよいよ、排卵です。

クロミッドは、卵巣を大きくしますが、クロミッドの持っている副作用は排卵自体を邪魔するメカニズムがあります。

そこで、登場するのがHCGという注射。

hCGは直接、排卵を促し、黄体ホルモンを活性化させます。

では、hCG・hMGとは何か?

hCGやhMgは正式名称をヒト絨毛性ゴナドトロピンと言います。

なんか、いかめしい名前ですね。

そして、自然の流れでいえば、hCGは「妊娠中」につくられるホルモンです。

つまり、妊娠前に作られるホルモンではありません。

ここら辺が、西洋医学特有の反自然的な異常な不妊治療といった感じがあります。

その本来なら妊娠中につくられるホルモンを人工的に薬にして、排卵周辺、または排卵させるために使います。

hCGは主にLH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)のそれぞれのパーツで成り立っています。(厳密には全く同じではない)

hCGは妊婦さんの尿やヒト胎盤から抽出し、LH作用を持っています。

hMGは更年期の女性尿から抽出し、FSHを持っています。

性質の違いからhCGは排卵のために。

hMGは卵胞を大きくするために使われることが多いです。

HCGの自然においての本来の目的は、妊娠を維持していくために黄体ホルモンを活性化させること。

人工的な薬としては、それを排卵のきっかけや低温期から高温期へ押し上げるために使います。

HCGはLHに似た作用があります。

この前の記事で書いたようにLHは実際に排卵を起こす為に必要なホルモンですね。

排卵検査薬でみているのは、このLHの分泌量です。

このLH的な作用を利用して排卵を起こすようにしむけます。

ここで僕は疑問を感じます。

【不妊治療】なのに【妊娠した時のホルモン】を薬にして使って妊娠させる。

効果云々よりも単純に、その反自然的な発想が気持ち悪い。

完全に人間の本来持っているリズムを無視です。

自然なら妊娠した後から作られるホルモンを不妊状態で使って、本当に身体に何の問題もないの?

素朴にそう思ってしまいます。

必要であれば、手段を問わない。

そんな感じがしますね。

「子供を授かるためには何をやってもいい」ということでもないと思うのですが。

うちでは、不妊病院の治療との併用もOKです。が体外受精で何度も失敗した人でも、基本理念として、自然妊娠を目的にしています。

実際、体外受精で何でも失敗した人も、うちの漢方薬のみで自然妊娠しています。

不妊治療と言いますが、不妊症は病気ではないし、病気ではないので、治療ではありません。

妊娠できる身体にすることが漢方薬の役目です

そして妊娠に必要なのは、正常な月経リズム

このリズムは途切れることなく続いています。

次の月経が来ちゃったらリセットなんて言ったりしますが、あれは西洋医学の考え方がモロ出ている反自然的な考え方ですね。

月経リズムは生きている限りずっと続いています。

次の月経前に一度、死んでそれから、新たな月経が始まるわけではありません。

だから、今回、プラノバールなどで高温期が人工的に延びたら、次の月経が体温が高いまま遅れてきても自然のズレた流れなのです。

漢方の不妊治療は、西洋医学と同じ考えで治療しません。

月経リズム全体を整えることを目的としています。

医者は、「当帰芍薬散や温経湯がネズミのホルモンを活性化させるという理由」で漢方薬を使いますが、漢方薬の使い方も異常です。

なので、漢方では体質によっては、3ヶ月先をみて処方することもあります。

「今月、排卵してないから無理矢理、排卵させよう」とか、

「高温期が短いから今回、無理矢理、伸ばそう」とか、そんな単純な治療ではないのですね。

だから、このhCGのような自然であれば、妊娠した人がつくられるホルモンを妊娠していない不妊治療に使うのは気持ち悪いです。

絶対に問題ありですよね。

医学知識なくたって、感覚的にやってることがおかしいのがわかると思います。

大体、必要なのであれば、神様はhCGを妊娠した時につくられるホルモンにしないで排卵の時につくられるホルモンにするでしょう?

西洋医学のこの無理矢理感が気持ち悪い。

「辻褄が、なんとなくあってれば、それでいいんじゃない!」みたいな、あやふやで中途半端なかんじ。

だから流産率も高いのでしょう。

不妊を克服するのは、見せかけだけホルモン数値や基礎体温を整えることではなく、結果的にホルモン数値や基礎体温が整ってくる健全な体質が必要なのだと思います。

やるべきはホルモン数値や基礎体温ではなく冷えなどのトラブルをどうにかすること。

現状の不妊治療は逆です。

手足の冷えや頭痛、月経状態がおかしな体質でも、具合のよくない体質を放っといてホルモン剤でホルモン数値や基礎体温を整える。

なんか、見せかけだし、根元がズレているような気がしますね。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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クロミッドについて(不妊治療の医学知識)

今回は長いですよ。長いけど「ホルモン剤って本当はどうなの?」と、ちょっとでも不安がよぎった人は最後まで読んでみてください。

今回は、病院のホルモン治療で初めに処方することが多い、クロミッドについてです。

お薬の説明前に前に排卵までの身体のメカニズムについて考えてみましょう。

(1)元々、女性は原始卵胞というものを持っています。

ただ、このままの状態では受精卵としては未熟です。

月経の少し手前から視床下部から卵包刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)が分泌され、卵巣からは卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されます。

【まとめ】
視床下部から → FSHとLHの分泌される。初めはFSHのほうが主役。
卵胞から → E1・E2・E3などのエストロゲンが卵胞から分泌される。
※FSHの働きが主体となって卵胞が大きく育っていく。

(2) 卵胞が大きくなるにつれ卵胞ホルモンの分泌量も増していきます。

【まとめ】
卵胞が大きくなる → 卵胞ホルモンの増加

(3) 卵胞ホルモンは2つの働きをします。
1つは着床の準備のために子宮内膜を厚くします。
もう一つは精子が無事卵子に出会えるように子宮頸管を刺激し頸管粘液の分泌を促します。

【まとめ】
卵胞ホルモンの分泌増加 → ①子宮内膜を厚くする。 ②頸管粘液の分泌を増加させる。

(4) 血液中の卵胞ホルモン濃度がピークに達すると2つの働きが起こります。
1つはLHを刺激してLHを一気に大量放出させます。
もうひとつは頸管粘液の分泌を更に増加させます。それによって、粘液の一部が膣へ流れこみます。精子を迎え入れる準備ですね。

【まとめ】
卵胞ホルモンが → ①LHの大量分泌を促します。 ②頸管粘液の分泌を増加させます。

(5)卵胞が20mmくらいになったら、排卵します。
卵胞ホルモンの刺激によるLHの分泌増加が始まってから約36~38時間後に排卵が起こります。
LHホルモンの増加のピークから計算すると15時間〜24時間以内に排卵が起こります。

【まとめ】
LHホルモンの分泌が高まる → 排卵が起こる。

★この時に西洋医学では平面的に捉えて勘違いすることがあるのですが、FSH、LH、E1などのエストロゲン、3つのホルモンがあればいいということではありません。

初めにFSHの分泌が高まって、次にエストロゲンの分泌が高まって、その後にLHの分泌が高まるのです。この分泌の順番や連携、分泌量が高まる度合いは非常に重要です。絶妙なタイミングとバランスで成り立っています。

いや〜ややこしいですね。
これが排卵までの自然のホルモンの動きです。

ではでは、排卵誘発剤について考えましょう。
クロミッド、セキソビット、セロフェン、どれも排卵誘発剤と呼ばれているものです。

効果の強弱はありますが、どれも作用のメカニズムは同じです。
これらの薬には副作用があります。

それは子宮内膜が厚くならないことと、子宮頸管粘液が少なくなる事。
簡単に言えば、排卵誘発剤を使うと「赤ちゃんを迎え入れる準備はできなくなる」ということですね。

普通の痛み止めなんかの副作用だったら、副作用に吐き気なんか書いてあったってそれほど気にする必要はありません。

ところが、ホルモン剤にある副作用はとっても重要です。副作用で更に不妊になるかもしれませんから。

それを今から説明します。

視床下部はエストロゲンの血液中の濃度をみています。

クロミッドなどは視床下部がモニターしているエストロゲンを感じ取る部分を鈍らせます。

エストロゲンが少なくなったと「勘違いした」視床下部はこんどは逆にエストロゲンを増やそうとFSHを刺激するのです。視床下部、健気ですね。

だまされているとも知らずに。

そして、その結果、卵胞が育つという働きです。

クロミッドのエストロゲンの濃度を少ないと勘違いさせるのは、つまりエストロゲンの働きを邪魔しているのです。

だから、エストロゲンが持ってる赤ちゃんを迎え入れるための効果(子宮内膜を厚くする。精子を迎え入れる頸管粘液を増やす)が悪くなるのです。

なんて皮肉でしょう。

排卵させるために受胎と着床がしずらくなる。

排卵のためなら手段を選びません。例え、受精卵が着床しなくても。

クロミッドでは、本来20mm当たりで排卵するはずなのに30mm近くなっても排卵しないことがめずらしくありません。

また、短期間で極端に卵胞が腫れることもあります。

なぜ、大きくなっているのに排卵しないのか?

はい、そこでさっきの上の「★」の部分の文に書いてあることが重要になってきます。

ホルモンの分泌には順序やバランスがあるのです。

要するにクロミッドなどはその順序や分泌量などのバランスをむちゃくちゃにしています。

○ FSH分泌 → エストロゲン分泌 → LH分泌 っていう順番を

● エストロゲンを少ないように勘違いさせる(実際は少なくないかも) → FSHが勘違いしてがんばる → 卵胞育つ(大きくはなるけど) → エストロゲンの分泌 → LH分泌 → 排卵???

こんな風にホルモンが、うまく連携していかないから排卵しないことがあるのですね。

ここから更にひどくなることがあります。

クロミッドで排卵しなかったらHCGって注射を使って排卵させます。

もちろん、自然リズムではそんな注射は関係ありません。

これで、またむちゃくちゃ。

(なんだろう、初めにウソついたら、後もどんどんウソつかないと辻褄合わないみたいな)

個人的な考えですが、医学的に考えてクロミッドを使う際には、絶対に調べないといけないことがあると思います。

◎1つは本当に排卵していないのか?

最近の病院の傾向をみていますと、ろくに検査もしないで、25歳以下の人でも初回で簡単にクロミッドを処方しています。

(ホルモンバランス崩してやろうと考えているのだろうか・・・こりゃ、調べてないな)

◎2つ目は、エストロゲンのバランスを強制的に変えても本当に問題ないのか?

これも調べてないですね。どうやったら調べられるのかわかりませんが。

検査で調べたって、かなりの極端な数字でない限り、それが本当に悪いのかどうかわかりませんから。

本来の自然のバランスを崩して排卵させる。その結果、受胎と着床の邪魔をする。

「まー排卵はしたからいいんじゃない」みたいな感じだろうか?

これって治療?病院のこっち良くしたらあっち悪くなるっていうのいい加減、やめてほしいです。

(あっでも病院の薬の効果は大体フィードバックを利用するからそれをやめるのは無理ですね)

ちなみに漢方はホルモンを強制的に操作することを考えるのではなく、ざっくりと言うと冷えや疲れなど、健康でない部分をフォローし排卵を促しますよ。

排卵に導くためにする調整は体質ごとに変わりますが。

後、クロミッドなどの排卵誘発剤は、6ヶ月以上は使用しないようにというルールがあります(西洋医学的に)

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【このブログの著者】
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「どれくらい漢方薬を飲めば妊娠しますか?」

「どれくらい漢方薬を飲めば妊娠しますか?」

これはすごく気になるところですね。

「大体、○カ月ですよ」って答えたいところですが、当然、そんな決まった答えはありません。

月並みな答えにはなりますが、人や体質によって変わります。

漢方は西洋医学と違って、一人一人の体質に合わせて、漢方薬を合わせます。

その漢方薬も初めに選んだものを何ヶ月か飲んでいたら妊娠するのではありません。

漢方薬に妊娠させたり、ホルモン剤のような効果はありません。

体質に合わせた漢方薬を飲むことによって、バランスのとれた健康状態にするのです。

健康になれば、当然、正常な月経リズムや排卵などが行われますので、妊娠する確率が格段に上がることになります。

病院の中には漢方を西洋医学とごっちゃにして、女性ホルモンを活性化したり着床を促したり、高温期を伸ばしたり、そんな特定の効果があるかのような説明をする人がいますが、全くのデタラメ。

漢方は体質を調整するのです。

体質は人それぞれ、本当に違います。

うちの問診で細かく効いていくと、いろいろな症状があることがわかります。

自分では問題ないと思っていた症状も不妊に影響していることもあります。

バランスを崩した体質がバランスのとれた健康な体質に戻っていく速度も人、それぞれです。

冷えや頭痛などが瞬く間に治っていく人。

同じ症状でも倍くらい時間がかかる人。

自然治癒力も人それぞれなんですね。

うちでは、下は23歳から上は47歳の方まで来られています。

年齢層は広いです。

年齢だけでなく、状況も様々です。

全くホルモン剤を飲んだことのない人。

体外受精で5回以上、失敗した人。

ホルモン治療を長くしすぎて、月経前の不正出血が当たり前になっている人。

月経が2、3ヶ月に1回しか来ない人。

うちには40歳で1ヶ月、漢方薬を飲んだだけで妊娠した人がいますが、30歳で2年経っても妊娠できない人がいます。

体質や状況を等しく並べることができない限り、どれくらいで妊娠するかなんて、わかりません。

逆にこれはあくまで西洋医ではない僕の持論ですが、病院のホルモン治療は、最長で4ヶ月してもダメだったら、後は同じような治療が繰り返されるか、ただお決まりのコースのように人工授精や体外受精へのステップアップをすすめるだけなので、病院の治療なら、とりあえず4ヶ月当たりやってみてダメだったら、漢方や何か違う手を考えたほうがいいんじゃないかと思います。

ホルモン剤は何かの効果があれば裏の副作用があります。

つまり、続ければ続けるほど、裏の作用で何かは悪くなっているのです。

その悪い状態に身体が耐えきれなくなるのが、3〜4ヶ月くらいじゃないかと、数々の病院の不妊治療の様子を聞いてきて思いました。

漢方薬で妊娠する期間は体質による。

これだけの答えだと月並みすぎておもしろくないですね。

そこで今までのうちの治療経験から考えてみました。

もちろん、年齢や体質や状況がそれぞれ違う人達の漢方薬を飲んだ期間の平均を単純に出したって何の意味もありません。

だって、その平均があなたに当てはまるかわからないでしょ?

でも、全体的なイメージで言える期間ならあります。

数字の単純計算ではなくイメージですよ。

それは6ヶ月くらい。

ただし、夫婦ともに漢方薬を飲むこと以外で取り組まないといけないとがたくさんあります。

それは食事や運動の整備と実行。

後、メンタル部分。

僕たち夫婦が、実際に不妊症で悩んでいたので、漢方薬以外の方法は実体験と東洋医学や西洋医学の知識から考え出したものです。

それを全く、さぼらずに6ヶ月間、続ければこれくらいの期間で妊娠することが多いのではないかと考えています。

しかし、その条件は厳しいです。

僕は、どんなことも決めたら毎日、黙々と続けることに苦痛を感じないタイプですが、それでも、不妊治療中の養生には今、思い出しても「ちょっとしんどかったな」と思いだします。

不妊症は病気の治療ではないので、漢方薬を飲んでいるだけだと、妊娠する期間はわかりません。

言えることは「薬を飲むだけ」とか「病院に行くだけ」とか受動的に受け身でいる人よりも積極的にいろいろ、取り組んだ人のほうが、より早く妊娠しているという事実です。

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基礎体温の高温期について(不妊治療の医学知識)

前回までは、排卵までのホルモンの働きを説明しました。

今回は排卵がされてからのホルモンの働きです。

排卵した後の卵胞は大きくなって黄体というものになります。

黄体は黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。

黄体は卵胞ホルモンとともに卵管や子宮内膜を刺激して、内膜を厚くしたり、受精卵が着床しやすいように内膜を軟らかくすることや体温を上げたりします。

妊娠しなければ、黄体は14日後に退化してなくなります。

そうなった場合は、今まで妊娠のために準備していた子宮内膜は剥がれていきます。

これが月経です。

妊娠していた場合は、引き続き黄体ホルモンを分泌し続けて妊娠を維持します。
よって、体温は高いままが続きます。

デュファストンやルトラールなどのホルモン剤は、黄体ホルモン剤です。
高温期が短かったりすると高温期を伸ばすためによく使われます。

外部からの人工ホルモンのせいなのかどうかはわかりませんが、うちで治療している患者さんの様子をみているとデュファストンやルトラールなどの人工の黄体ホルモンを使うと高温期は延びますが、高温期が延びてベストな日数になるというよりは、ホルモン剤の力の分、つけ足されただけ。みたいな印象を受けます。

高温期の日数が延びるのですが、その後、妊娠せずに月経が来ても体温が高いままです。

つまり、月経があれば、卵胞刺激ホルモンなどに切り替わって体温がストンと下がらないといけいないのに体温が、おそらくルトラールの影響で下がっていないのですね。

これは、その人の持っている身体のリズムとホルモン剤の影響がズレているのだと思います。

その様子から、なんとなく「見かけだけ高温期を伸ばした」「とにかく高温期が14日延びたんだからそれでいいしょ!」ってホルモン剤が言ってるような気がします。

なぜこんなズレが起こるのでしょうか?

それは、ホルモン剤の働きだけに注目して処方しているからではないかと思います。

卵胞刺激ホルモン(FSH)やエストロゲン(E1・E2・E3)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体ホルモン(プロゲステロン)は妊娠するための月経のリズムに関わっているものです。

そして、これらのホルモンの種類は皆同じホルモンの働きによって月経リズムが起こっています。

人によって、私はエストロゲンは必要ないとか、プロゲステロンは必要ないなんてないです。

問題は「量」や「分泌されるタイミング(服用するタイミング)」

これは、おそらく個人差があって、バラバラなんではないでしょうか?
量にいたっては、肝臓の解毒の問題や消化器の問題があるので、0.0000なんて単位で人によって変わるのではないでしょうか。

だから、ホルモン剤で月経リズムを妊娠しやすいリズムにしようと思ったら、各ホルモンの種類だけを対応させてもダメだと思います。

個人、個人に合わせて分量や服用タイミング(時間単位で)も合わせる必要があると思います。

しかし個人ごとの分量やタイミングなど探し出すことは不可能だと思いますが。

種類だけ合わせて、分量やタイミングは無視しているからホルモン剤の理屈通りにはいかないのでしょう。

結局は漢方と同じで個人の体質に合わせる必要があると思います。

ホルモン剤は基礎体温の見かけだけが良くなるだけ。

いわばハリボテです。

見かけがよくなるホルモン剤を飲んで見かけがよくなって、「基礎体温が整ってきましたね」なんて自作自演ですね。

また、何かのホルモン剤を使うということは、自分の身体にはない働きで一定のリズムを乱すわけです。

ホルモン剤で人工的にリズムを乱しながらリズムを整えようと考えているのであれば、高温期だけルトラールを使うとかは、リズムを乱すだけに使っているように思います。

どうせ、人工で整えるなら全部のホルモン剤を使って人工的に全部を整えないと「一部だけホルモン剤を使って、後は身体が調整してくれる」なんて、そんな都合がいいわけがないです。

そんな不妊治療の病院ライクに身体は都合よくできていません。

ようするにホルモン治療は人工的にしても中途半端な感じがします。

やりきってない。

先生が自分勝手に悪いと決めつけているところに横ヤリをいれているだけのように感じます。

もちろん、全部を人工的に整えるといっても、先程の分量とタイミングの問題は解決する必要がりますが。

中には「ラッキー」で妊娠します。

たまたま、自分の不足した部分とホルモン剤がマッチングする。

たまたま・・・

病院の不妊治療が体外受精も含めても【成功率がわずか25%】しかないのはこの当たりの問題が解決されていないからではないでしょうか。

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排卵までのホルモンについて(不妊治療の医学知識)

今回は月経とホルモンのお話をしたいと思います。

月経には大きく4つのホルモンが関わっています。

卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体形成ホルモン(LH)。
それに卵胞ホルモン(エストロゲン群のE1(エストロン)、E2(エストラジオール)、 E3(エストリオール)と黄体ホルモン(プロゲステロン)です。

ややこしいですね。

排卵のために必要な卵胞刺激ホルモン(FSH)は脳下垂体から分泌され卵巣を刺激して原始卵胞を成熟卵胞に変えていくホルモンです。

ただし、このホルモンのみで卵子を育てていくのではなく、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞ホルモン(エストロゲン)が協力して卵胞を育てます。

これ重要。
つまり、卵胞刺激ホルモン(FSH)は排卵のためには主役的な働きをしますが、単独で働いているわけではないということですね。

不妊症は、常に全体のホルモンバランスをみていかないとおかしくなります。

卵胞から分泌される卵胞ホルモン(E1・E2・E3)は排卵の準備を手伝いながら同時に子宮内膜を厚くしていきます。

また、子宮頸管を刺激し頸管粘液の分泌を促します。

卵胞ホルモン(E1・E2・E3)は卵胞が大きくなるにつれ分泌量が増していきます。

卵胞ホルモン(E1・E2・E3)の分泌がピークを迎えると脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)の分泌が大量になります。

このホルモンは排卵の引き金を引く役割。

黄体形成ホルモン(LH)の分泌が大量になれば、それをきっかけに排卵が起こります。

ちなみにクロミッドなどは、ホルモン剤の外部刺激により強制的に卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)を分泌するようにします。

排卵検査薬でみているのは、この黄体形成ホルモン(LH)です。

このホルモンの分泌が多ければ陽性と出るということです。

逆に分泌量が少なければ検査薬は陽性にはなりません。

ここで勘違いしてはいけないのは、排卵検査薬は排卵したかどうかを見ているのではなく、排卵のきっかけを与える黄体形成ホルモン(LH)の分泌量をみているだけということです。

ちょっとした違いですが、卵子の発育と黄体形成ホルモン(LH)が絶対的に結びついているわけではありません。

ここまでが月経から排卵までの期間の流れです。

クロミッドなど薬を飲めば、強制的に排卵させるホルモンを増やすので排卵するはずですよね。

でもそうとは限りません。
なぜか?それは卵子、排卵や妊娠がホルモンという方向からしかみていないからです。

排卵までには医学的には卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体形成ホルモン(LH)卵胞ホルモン(E1・E2・E3)の3つのホルモンが関わっています。

これらのホルモンは当然の話ですが、女性の身体全体の状態とリンクしています。

風邪や腸炎で40℃近い熱が出ていようが強烈な頭痛で悩まされていようがホルモン分泌は何も変わらない。

そんなわけないですね。

無理なダイエットや強烈なストレスで月経が来なくなることなど、めずらしくありません。

つまり、ホルモンだけが体の調子とは別で動いているのではなく、むしろ、体の状態によって決まるということです。

身体の状態がよければ、3つのホルモンはその絶妙な連携を経て、正常な排卵を促すでしょう。

逆に体の状態が悪ければ、3つのうちのどれかはうまくいかないかもしれません。

そうなると3つのホルモンのバランスは崩れます。

要するに「ホルモンさえ分泌されればいい」ということではないのですね。

病院の不妊治療が体外受精を含めても30%しか成功しないという確率の低さは人間が機械のようにホルモンを分泌しているだけと誤解しているところから始まっているのかもしれません。

逆に考えれば、よほど特別な病気でない限りは、体が本当に健康になれば、正常で絶妙なホルモンバランスになるということです。

次回に続きます。

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