漢方にたいする以外な誤解「漢方薬は副作用がない」
漢方にまつわる誤解シリーズ3回目です。
「漢方薬には副作用がない」
これ、よく誤解されていますねー。
ヘタすると漢方薬を処方している先生自身が「漢方薬は自然のものだから」なんて間違ってることをドヤ顔でいってたりします。
そもそも、毒キノコとか自然には毒が一杯なのに、化学薬品にしか副作用がないみたいな発想て怖いです。
さて、漢方薬の副作用ですが、結果から言うと「あります!」
でも、いわゆる病院のお薬にあるような副作用とは違います。
病院のお薬の副作用を詳しく考えてみましょう。
病院の薬の副作用は厳密には副作用というよりも未完成の中途半端な薬だから毒があると言ったほうが正しいです。
例えば鎮痛剤。
痛み止めですね。
鎮痛剤を貰うときって胃腸薬と一緒に貰いますよね。
でも、不思議に思いません?
「胃腸が悪いなんて一言も言ってないのに・・・」
これ実はセットにしないといけない理由があるのです。
鎮痛剤は、プロスタグランジンという痛みの元となる物質を抑える効果があるのですね。
しかし、プロスタグランジンを抑えることによって、胃の粘液も同時に抑えてしまいます。
鎮痛剤は痛みを抑える効果と胃を荒らす効果を持っているのですね。
だから、鎮痛剤は胃腸薬とセットで飲むのです。
つまり、鎮痛剤は、まだ未完成の薬ともいえますね。
こんなこと言ったら、新薬はみんな未完成品ですが・・・。
「じゃあ、胃を荒らさないものをつくればいいんじゃないの?」
そう、思いますよね。
ところがこれが無理なんです。
新薬は、1つのターゲット(症状の元)に対して何かの成分で解決するように考えてます。
だから、1つの薬で同時に複数のバランスをとっていくことができないのです。
何かを治したら、何かのバランスが崩れるのです。
だって、人間の身体は結局は様々な臓器やホルモンが連携をとって、途方もないバランスで成り立っているのですから。
西洋医学での副作用は、薬を飲んだ時に出てくる目的とは違う作用のことを副作用といいます。
これは瞬間的な副作用です。
新薬には、もう一つ、副作用があります。
それは、ステロイドでよくある副腎皮質の萎縮です。
副腎皮質が小さくなり機能しなくなるのですね。
アトピーの人のステロイドを断った時のリバウンドはこの萎縮のせいで起こったりします。
これは、飲んだら、出てくるような瞬間的な副作用ではなく、長期的に新薬を使う事によって起こる副作用ですね。
残念ながらこの副作用は、存在していることはわかっているのですが、個人によって変わってくるので、病院側は正式に絶対的に起こる副作用とは認めていません。
ちなみに僕は、不妊治療に使うホルモン剤もステロイドと同じような長期的な副作用を起こしているとみています。
だって、ホルモン剤で2年程、不妊治療やってる人の基礎体温って、徐々に徐々に悪くなっていってますから。
一方、漢方薬の副作用は、この新薬の副作用とは、全くの別物です。
ある漢方薬は良い効果もあるけど、悪い効果も同時存在する。なんてことはありません。
それを防ぐ為に1つの処方には平均8種類くらいの生薬が含まれているのですから。
漢方薬の副作用は、簡単、体質に合っていない漢方薬を飲めば副作用です!
この事をごくごく簡単にして説明すると、漢方薬は体質に合わせます。
体質は人によって、違うので、仮にAさんは女性でめっちゃ冷えてる。Bさんは男性でのぼせたり、ほってたりとにかく身体が暑い!とします。
漢方薬はその人の体質に合わせますから、Aさんには身体を温めることを中心とした処方をします。
そうすると体質と漢方薬がマッチング!
身体が温まり、Aさんは治ってめでたし。めだたし。ですね。
これは副作用のないイイ漢方薬ですね。
それでは、その漢方薬をそのまま、Bさんにも処方しましょう。
イイ漢方薬のはずなので・・・。
Bさんは身体が熱く、身体に熱がこもっているのです。
当然、熱いものを更に温めたら・・・。
吐き気や頭痛です。
夏に暖房かけるようなものです。
完全な毒。
では、Aさんによかった漢方薬にある副作用でしょうか?
違います。Aさんにとっては、イイ漢方薬でしたが、体質が正反対のBさんにとっては、毒だったのです。
ただ単にBさんには、Aさんに選んだ漢方薬と正反対の冷やす効果が中心のものを処方すればよかっただけ。
なにせ、漢方薬は体質に合わせて500種類以上あるのですから。
これが漢方薬の副作用ですね。
だから、漢方の場合は、薬の副作用は薬が悪いのではなく、処方した先生が悪いのです。
要するに腕が悪いと副作用になるということですね。
ただし、漢方薬にも長期的に同じ漢方薬を続けることによって、起こる副作用があります。
それは、さっきの間違っている漢方薬をそのまま続けてしまうこと。
体質が悪い体質に変わってしまいます。
間違った漢方薬を誤治。その誤った治療を続けて体質が変わってしまうことを壊病といいます。
不妊症の人みんなに一律、当帰芍薬散を出している病院は、ラッキーにすがって漢方薬を処方していることになります。
だって東洋医学的に体質を分析せず、合っているかどうかも確かめないで、ずっと続けさせるのですから。
1ヶ月たって「何も変わらない」もしくは「何か症状が1、2つ強くなった。ひどくなった」があれば、先生に誤治ではないかを確認しましょう。
って誤治かどうかも判断できないか!?
2013年7月5日 6:01 PM | カテゴリー:漢方の事あれこれ