不妊症とタバコの害について

不妊症は、何か1つの原因によってなっているわけではありません。

西洋医学は、ウィルス性の病気のように1つの原因に絞ろうとする傾向があるので、西洋医学の不妊治療をされている人は、おそらく無意識に「何が原因で赤ちゃんができないのだろう?」と疑問に思っていることと思いますが、答えは簡単。

「不妊症の原因は人それぞれで細かな原因が無数にある」です。

だから、何か分かりやすそうな大きな原因をみつけても同じです。

仮に大きな筋腫が着床障害となり、不妊症の原因になっているのではないか?と考え、その筋腫をうまく取り除けたとします。しかし世の中の大半の不妊症で悩んでいる人は、わかりやすい原因は何もなく、なぜか不妊症なのです。

筋腫がなくなっても、わかりやすい不妊症の原因があったハンデのある状態から大半の人の原因不明の不妊症に昇格するだけです。

そんなわけで、原因は無数にあると思うので治療としては、見つけられない1つの幻の原因を探すよりも、不妊症に悪い影響として関わっているのではないかと考えられるものをできるだけたくさん潰していく方が結果を出すのは早いと思います。

その無数の原因の中にタバコがあります。

タバコってなぜ、不妊症の原因になるのでしょう?

妊娠するためには、健康な精子と卵子が必要です。当たり前ですが。

2つの小さな細胞が1つの細胞になり、その1つの細胞が1兆個に成長しなくては、健康な赤ちゃんにまでなりません。

受胎すれば不妊克服!みたいなイメージをもっている人が多いですが、本当に大変なのは1つの細胞になってから、本当に大きく育つだけの力があるかどうかです。

昔は出産した後に赤ちゃんが死んでしまうことは、よくありました。

なぜでしょうか?それは、生命として弱いからです。
元々、弱々しいものだから、その中で少しでも強くないと成長しきれないのです。

10ヶ月間、強く育っていくためには、強くて健康な精子と強くて健康な卵子が必要です。根本的な生命の強さがなければどうにもならないのです。

タバコは、精子の遺伝子を傷つけます。受精卵になってからの胚自体にも傷をつけます。

遺伝子に傷のついたものは、異常な働きをして、死に至ります。
つまり、最後まで細胞分裂を正常に繰りかえすことができません。

そうなると流産ですね。
そこから考えると流産は、女性の身体だけの問題ではありませんね。

精子自体がタバコの害によって、すでに遺伝子に傷がつけられていて、劣勢遺伝の精子が受胎している可能性もあるのです。

精子は射精される精子になるまでに遅いと88日かかります。
その間にタバコなどの害があると遺伝子に傷がつく可能性があるのですね。

ということは、最低でも3ヶ月、それに精子はある程度、蓄積されるので、プラス1ヶ月で、4ヶ月前から、タバコの害に気をつけないといけないことになります。

となると、不妊治療を続けているのであれば、少なくとも妊娠するまでは、禁煙するしかないということです。

最近は、全面禁煙のレストランやタバコを吸う人は採用しない企業が増えたりしています。世間の流れが喫煙は、悪というような風潮に向かっています。

そういった、世間の風潮もあってか、喫煙者も換気扇の前で吸ったり、ベランダに出て吸うようですが、家庭の換気扇では、ただ煙を拡散させているだけで、おっつかないようです。

また、タバコの拡散範囲は無風で20mはあるそうですので、ベランダなどに出ても、周囲20m以内に他の人の家があると害をまき散らしているので、外で吸うとしたら、とんでもない田舎の家か、半径20m以上の敷地の家(多分敷地だけで50坪以上)、もしくは半径20m以内に人がいない場所に限られますね。

副流煙のことは、もう有名ですね。
タバコを吸っている本人はフィルターを通しているので、害が抑えられていますが、周囲の人間はフィルターがないので、タバコの害は何倍にもなります。
いわゆる受動喫煙ってやつですね。

男性は気をつけてください。
男性は、どうしても妊娠に関して間接的なイメージを持ちがちですので、奥さんが直接吸ってなければいいだろうと漠然と思う人が多いですが、タバコを吸わない受動喫煙の方が何倍も害が大きいのです。

後、こういった話をすると、かならず出てくるのが、本当に不妊症の原因かどうかわからないという、どうでもいいことを考える人がいますが、タバコが影響しているというデータは世界にたくさんあります。
逆に絶対に不妊に影響しないというデータはありません。

また、冒頭で書いたように、不妊症の克服のコツは、1つの原因を探し出して対処するのではありません。

無数の「悪影響だと考えられるもの」をなくしたものの勝ちです。
「かならずしもタバコが原因じゃないかもっ」て考えても何の得もないということです。