不妊治療において漢方薬が効いているかどうかを確認する方法
漢方薬は、体質に合わせて選びます。
体質と合っている漢方薬であれば、自分の中にある本来の健康を保つ自然治癒力が働き、結果的にあらわれていた湿疹や頭痛などの症状や病気がなくなるのですね。
不妊治療でも漢方薬を使いますが、不妊症での漢方治療の考え方は、通常の病気の治療とは違ってきます。
アトピー、慢性頭痛、不眠などは、その症状がなくなれば漢方薬が効いたことがわかります。
ところが不妊症の場合、体調がよくなったからといって妊娠するわけではないのです。
だからといって、漢方薬が効いているかどうかを妊娠で確認するわけではありません。
何かの病気や症状をもっている人もいらっしゃるかもしれませんが、頭痛や冷えているのが不妊症の直接的な原因とは言えないのです。
中には、不妊状態でも、普段は、ほとんど不快な症状がない人もいらっしゃいます。
漢方の医学理論を勘違いした病院や薬局では、着床を促す漢方薬とか、黄体ホルモンなどを活性化する漢方薬とか、根本的に勘違いした説明する先生がいます。
仮に、これがウソでなかったら、妊娠すれば漢方薬が効いていたことになりますが、残念ながら、そんな効果は漢方の医学理論の中で聞いたことがありません。
またホルモンを活性化するのであればホルモン剤はすでに新薬であります。
不妊症の人にしかない症状なんてないです。
だから、不妊症は、他の病気とは違う考えで治していかないといけません。
なんとなく続けていれば妊娠するわけではないのですね。
じゃあ、漢方薬での不妊治療がうまくいっているかどうかの確認はどうするのか?
その人の体質によって違ってきますが、細かな症状がなくなってくることが1つの確認になりますね。
症状の中で特に重要なのは、月経の状態や月経に付随する症状、月経前後の状態ですね。これがよくなってこないといけません。
もう一つは、基礎体温が整っていくかどうか。
漢方薬が体質と合っていれば、いろいろな症状がなくなっていき、基礎体温が若い頃のような2層になってくるのですね。
この時に気をつけなければいけないのは、西洋医学でよく見る基準的な基礎体温になるわけではないということ。
うちで妊娠していった人の基礎体温をみていると、その人の現時点での合っている基礎体温というのがあります。
誰でもが28日周期の月経14日目での排卵ではないのですね。
僕の経験では、その個人差は、月経周期25日〜33日の間。
排卵は、11日〜17日の間。
こういった個人差があります。
その周期や期間で2層にわかれている。ということです。
28日周期の14日排卵になっていないからといって、漢方薬が合っていないとか、まだ妊娠しない身体なんだと決めないほうがいいですね。
あくまで、個人ごとの「現時点」での理想の基礎体温を見つけて、それに対して、漢方薬が合っているのか?順調に治療が進んでいるのかを見ていく必要があります。
もう一つ、気をつけないといけないのは、ホルモン剤を飲んでいる場合は、ホルモン剤の身体の影響を考えないといけません。
→ 漢方薬がしようとしているのは、自力でのリズムをつくりだすこと。
→ ホルモン剤は、その人の体質とは関係なく強制的にリズムをつくりだすこと。
漢方薬とホルモン剤を併用している場合は、基礎体温がキレイになってきても、
「それは、ホルモン剤の影響なのか?」
「漢方薬で体質が調整された結果の自力なのか?」
を慎重に判断しないといけません。
そういったことも含めて漢方薬は、どう効いているのかを毎月、考えながら調整していくのですね。
だから「不妊なら漢方薬を飲んでおいたほうがいい」という曖昧で適当な説明で長期間飲まれている人は、一度、先生に今後の漢方薬のことを相談したほうがいいですよ。
漢方薬は、なんとなく飲んで、じょじょに効くものではないからです。
特に不妊症の場合は、病気の治療よりも見えずらいので、常に漢方薬と体質の変化を考えてもらうようにしてください。
2013年5月23日 6:22 PM | カテゴリー:不妊治療と漢方について