とりあえずでホルモン剤を飲むのは、おかしな治療
うちには若くして不妊症で悩んでいる方も来られます。
20代前半位の若い患者さん達に共通する、ある「奇妙なこと」があります。
それは、病院でホルモン剤を飲んでいたということ。
なんで、奇妙なことかというと、その病院の検査で何の問題もなく、基礎体温も理想とまでは行かないけど、月経周期も低温期、高温期の2層性も、排卵日も安定しているのですね。
なのにホルモン剤。
僕が新ためて状態をお聞きしても「ホルモン剤、いらないでしょって」感じです。
そして、その方々の全員がホルモン剤を飲み出してから見るからに体調が悪くなって怖くなって自然治療のうちに相談に来ていただいたって流れなんです。
なんで自分が「問題ない」と判断した人にホルモン剤を処方するのか?
詳しく聞いていくと西洋医学らしい3つの考えが影響していると思いました。
これは僕の個人的考察ですが、
1つ目は、西洋医学は、全体のバランスを整えるという意識に欠けている。
2つ目は、薬は良い方向の働きしかないと思い込んでいる。副作用は稀で実際には、ないかの如く思い込んでいる。
3つ目は、ホルモン剤が不妊症の治療薬だと勘違いしている。
最もきついのは1つ目、いや、考え的に全部きついですが・・・。
西洋医学の不妊治療は決定的に全体を見通すバランス意識が欠けているようです。
胃腸内科とか皮膚科ってわけてる時点で終わってますよね。
ホルモン剤の必要ない方に処方する時の説明が「特に原因や問題はないけど【念のため】排卵誘発剤飲んどいてください」
なんで、原因がわからず、問題がないと考えてるのにホルモン剤が出るの?
【念のため】って何?
ここがバランス意識の欠如。
漢方では健康は絶妙なバランスで成り立っていると考えます。
多くても少なくてもダメ。弱すぎても、強すぎてもダメ。
丁度、その人の真ん中ですね。
ところが、病院は薬なら飲んでいて損はないと思ってるみたい。
例えば、外では雪が降っているけど、そこそこ温かい部屋があるとします。
外で雪が降っているので部屋が冷えるといけないということで【念のため】エアコンをつけます。
それもガンガンに。
どうなるかっていうと放っといたらベストだった室温がグングン上がっていきます。
初めは上着を脱ぐくらいで済んだけど、それでもドンドン温められて熱くなっていきます。
それが続くとのぼせたり、気持ち悪くなったり、吐いたりするんですね。
これが、必要のない人がホルモン剤を飲んで副作用を起こしている状態。
じゃあ、どうすればいいのか?
エアコンつけずに放っときゃいいのです。
【念のため】なんて必要ありません。
寒くなってきたら熱くなりすぎないように【その時】に適切な温度を探し出して調節すればいいのです。
そして、熱くなりそうになったら、エアコンを切る。
その調節ができるから、専門家でありプロだと思います。
検査や基礎体温でおかしくないのに無理にホルモン剤を飲む事自体、患者さんを病気にしています。
2つ目は、1つ目のバランス感覚がないことともつながるのですが薬は良い働きしかしないと思っているような処方の仕方が多いです。
もちろん「副作用は知ってるよっ」て言うでしょうが現実の処方の仕方は副作用がないかの如くです。
だから、問題のない人にでも【念のため】の処方ができるのでしょうか。
「飲んどいたほうが得ですよ」って感じですね。
3つ目は、ホルモン剤自体が不妊症を克服すると考えている感じがします。
まーこれも「そうじゃないのはわかってる」って言われそうですが、
だから、問題なくても飲んだほうが、得的な感じになるのではないでしょうか。
妊娠するための月経リズムは、複数のホルモンで成り立っています。
そして、個人差があり、お一人、お一人、独自のリズムを持っているのですね。
そう、個人差、体質差があります。
だから、西洋医学であっても本来は漢方みたいに体質別に一人ずつ、ホルモン剤のグラムや種類の組み合わせを変えていかないといけないと思います。
でも、現実にそれをやると0.0何gとか、「毎日来てください」とかやらなくちゃいけないだろうから、病院は大パニックですね。
ホルモン剤は妊娠するお薬ではなく、月経周期の乱れている方の調節を行うものです。
だから、おかしくない人は飲む必要がありません。
でも、ホルモン剤も何も治療がなかったらどうすればいいのか不安ですね。
不妊症は、月経リズムの形やホルモン量の問題ではなく、親になる自分自身が健康かどうかが、根本的な問題なのです。
だから、ホルモン剤で無理に基礎体温やホルモン値をいじる必要はありません。
漢方や養生で体質を整えればいいのです。
(ちなみに自分の体質に合わせた養生はお金がかかりません!)
漢方薬も妊娠させる効果があるわけではありません。
体質を分析しその体質にあった漢方薬で整えることによって健康になり、健康になれば、若い頃のような健やかな安定した基礎体温やホルモン状態になり、その結果、自然妊娠できるのです。
人間の身体とはそういうものです。
外側から強制的にいじったからといって、うまくいくとは限りません。
2013年2月13日 7:49 PM | カテゴリー:病院の不妊治療について