月経リズムと排卵の関係

さて、前回の続きですが卵包刺激ホルモン(FSH)で卵巣が育ってきたら、月経の12日目位から、今度は黄体形成ホルモン(LH)の分泌が活発になります。

このホルモンが大量に放出されている状態をLHサージとよびます。
LHサージが続く時間は約15時間です。

LHサージにより卵包が急速に発育し排卵に向かいます。

個人差がありますが超音波検査で卵包の大きさが約20mm位になると排卵する感じです。
その排卵の日が大体、月経が始まった時から数えて14日目ですね。

前回の記事に書きましたが、クロミッドなどで卵包が大きく育っていても、
肝心の中の卵子は育っていないこともあります。
卵包の大きさが、かならずしも「卵子の成長も順調」だとは考えないほうがいいですね。

排卵はLHサージが始まってから32時間〜38時間後に起こります。

排卵を知るための排卵検査薬は、尿中のLHホルモンの量を計ります。

LHの分泌が高まると排卵しますので、排卵検査薬で排卵の状態が推測できるのです。

ただ、この時に気をつけないといけないのは、排卵検査薬を朝に使ったら陽性だったから、良いタイミングとは限りません。
LHサージは15時間続きます。
更に排卵はLHサージが始まってから32時間〜38時間後にあります。

自分が排卵検査をした時間がLHサージのピークとは限りません。
ひょっとすると始まったところ、ないし終わりかけなど、いろいろな位置があると思います。

その事は頭においておいたほうがよいと思います。

排卵された後の卵子の「健康に受胎できる寿命」は8時間くらいです。

8時間をすぎると急速に老化し受胎能力が、どんどん低下していきます。

自然妊娠をするために重要なのは、体質を整えて、元気な卵子をつくることも大事ですが、
精子とのタイミングを最もよい時期に合わせるのも重要ですね。

排卵は、月経が始まったときから数えて14日目に起こるといわれています。
ただし、かならず月経から数えて14日目に起こるとは限りません。
これはあくまで「標準的には」ということですね。

うちで実際に妊娠された人達の統計からいくと、
月経から数えて11日目から17日目の間は妊娠する範囲でした。

ただし、排卵が早い方は月経周期も短いです。
逆に排卵が遅い人は月経周期も長いです。

月経11日目に排卵する人は月経周期が24〜27日といった感じです。
最長の17日目に排卵する人は月経周期が30日〜32日といった感じです。

排卵が11日目にしている感じで月経周期が32日とか、
排卵が17日目にしている感じで月経周期が24日という逆になっている状態はダメです。
体質を整えて範囲内に入るように調整しなければいけません。

早い周期の人は「早い排卵時期」
遅い周期の人は「遅い排卵時気」
これだったらバランスがとれています。

漢方では、無理に14日にする必要はありません。
かえって14日にこだわることが体質を乱すことになることもあります。

結局、排卵も、その人の体質にとって最もよい日があるので、
漢方では体質を見極めて、その人独自の月経周期と排卵日をいち早く見つけることが自然妊娠の近道です。

健康で「自然のまま」「ありのまま」がいいですね。