西洋医学と漢方ではどちらが妊娠の確率が高いですか?

この間、相談に来られた患者さんからの質問です。

皆さんは、どっちだと思いますか?

やっぱり最後は西洋医学?

答えは「わかりません」です。

なぜなら西洋医学と漢方は全く性質が違うからです。

お堅い答えですが、何かと何かを比較する時は比較条件を揃えなければいけません。
だから全く違うものは比較できないのです。

例えば、西洋医学の不妊病院で一方の組が西洋医学の治療のみ、
もう一方の組は漢方というより西洋医学の治療は一切なしの当帰芍薬散のみの投与。
これだったら、どちらが妊娠率が高いか出す事ができます。

でもこれだったら「体質にあわせないで当帰芍薬散しか出さない」って時点で漢方ではないですが・・・
(根本的考えが西洋医学同士で比較しているようなものです。使う薬がホルモン剤か当帰芍薬散かってだけで)

それに、それぞれの医学の性質も関わっています。

西洋医学は、性質的に治癒の確率を出せる医学です。
なぜなら、個人の体質など関係なしに「ある病気」や「ある状態」の人をゼロ地点として前提条件を決定してから、それが治るかどうかを見ていく医学です。

ちょっとわかりにくいかも。
例えば高血圧は最高血圧(収縮期血圧)140、最低血圧(拡張期血圧)90以上という条件があります。
これを超えたら高血圧決定で降圧剤というものを処方します。
そして、降圧剤で血圧が下がったら、改善したとするのです。

要するに症状を高血圧だけに絞って、勝手に平均基準つくってそれに見合うお薬を処方するのです。(なんか自作自演っぽい)

高血圧だけでなく、ある人はそれに慢性の下痢、ある人はそれにメニエルだろうが、
高血圧の治療カテゴリーでみるのは高血圧の人の血圧が下がったかどうかをみるだけ。

だから、高血圧の人の血圧が下がる確率が出せます。
この薬は高血圧を40%下げてくれますなど。
だから改善率何%。

ところが、漢方は病気や症状を総合的に判断して1つの体質を判断し、
それにあわせた1つの漢方薬を選ぶのです。

主症状が高血圧であっても、慢性の下痢があれば、それも合わせた体質をみます。
ひとりひとり、体質も選ぶ漢方薬も違うので、こちらで勝手に高血圧カテゴリーで治癒率何%ってことにはできないのです。

だから漢方は、1人ずつが治るか治らないか。

例が高血圧にそれましたが、不妊症でも一緒です。

西洋医学の不妊治療は、ホルモン治療、AIH(人工授精)、IVF(体外受精)の3つで、使う薬も方法も全国どこの病院でも、それほど大きく変わりません。

西洋医学は元々、ガイドラインに沿って進める医学ですから。

どんな体質の人だろうと治療は一緒です。
どんな体質の人にも同じことやっているので妊娠率などの確率を出す事ができます。
ただし例え西洋医学であってもこの確率が現実に正しいかどうかはわかりません。

漢方では先ほどの高血圧のお話と一緒で不妊症でも、ひとりひとりの体質に合わせるので、
その人が妊娠するかどうか?0か1

うちでは、高い年齢で体外受精などで、ン百万使ってきた人が、西洋医学の治療全部をやめて、漢方薬のみで1ヶ月半で自然妊娠した人が、何人かいます。

だからって、漢方自体の妊娠率が高いわけではありません。
もっと若い方でも合わない時はなかなか妊娠しません。

昔、うちも店のやりはじめは妊娠率を出していました。
今も確率的に出せば、高いと思うので妊娠率は客寄せパンダにはなってくれると思います。
統計なんて、どう出すかですから。確率ひくけりゃ高く出せる方法をとればいいだけ。
しかし、すぐに漢方では無意味なことだと気づきました。

うちでは、1ヶ月で妊娠する人(体外受精失敗経験者)、2年かかった人。
長くかかった人でも、妊娠することを経験してから、
漢方だけでなく、僕のアドバイスを実行してくれたら誰でもかならず妊娠するという信念のもとに相談をするようになりました。

漢方の確率はあなた自身が「妊娠するか」「妊娠しないか」です。

西洋医学と東洋医学のどちらが妊娠する確率が高いかどうかをだすのは難しいですが、おそらく、一時の陽性反応と流産の確率は、西洋医学のほうがダントツで高いと思います。