本物の「不妊治療専門店」の見つけ方
うちにはよく、「不妊専門の漢方薬局で処方してもらっていたけど、毎回、同じ漢方薬を処方し、その上で他にもサプリなどいろいろと勧められて、だんだん飲むものが増えていくので治療としての疑問を持っていました」
というような意見がよくあります。
僕はかれこれ、15年程、この業界にいますが、ほんの4,5年前まで不妊専門の漢方薬局なんて、ほとんどありませんでした。
実は、この数年で急に、
「不妊専門」の漢方薬局
が増えたのです。
後、鍼灸もそれを感じます。この2,3年で急に不妊専門の鍼灸が増えたような・・・
以前から店内の内情もある程度知っているお店なんかも最近は急に「私たちも不妊で悩んでいました」みたいな宣伝文句をあげています。
「えー本当にそうなの?」
「前におつき合いがあった時は不妊のふの字もなかったじゃないですか?」って久々に会って聞いてみたいです。
こういう、いいかげんな「不妊専門」の店の事をちょっと考えてみましょう。
なぜ、急に「不妊専門」が増えたのか?
それは考えるまでもなく不妊症で悩まれている方が増え、社会的にも問題として取り上げられるようになったからです。
要するに
「流行にのってやってやろう!」って、それだけです。
では「不妊専門」とは何でしょうか?
不妊症を専門的に研究し治療経験がたくさんあり、治療実績を積んでいることですね。
僕も不妊を専門にしていますが、実際に不妊治療の経験や実績があると、妊娠しやすい人の体質とか、妊娠しずらい体質などがみえてくるのです。
それは、漢方薬やサプリだけの治療の手法の事だけではありません。
不妊症にまつわる精神的な悩みや仕事環境の悩み、ご主人との関係、姑さんとの関係上の悩みなどなど、
トータルでで考えることができ、そこから、いろいろな事が見えてきます。
また、自分自身も実際に不妊症を経験しましたので、治療以外の事も実体験、実感として理解できます。
一方、怪しい「不妊専門店」は、
誰にでも一緒の処方をしていたり(当帰芍薬散か温経湯くらいしか出さない)
誰にでもタンポポ茶とBZ、補腎系の漢方薬を出したりしてます。
漢方の場合、ひとりひとりの体質にあわせますから、そのお店に来ている人には「みんな同じものを出す」こと自体おかしいですね。
「えーッ、でも他の人と同じものを飲んでるのかわかりませんよ」
そうですね。
でもわかるんです。
なぜなら、そういうお店は、「不妊症に効果のあるもの」として、
店にデカデカと宣伝してますから。
説明も「あなたの体質なら〜」ではなく、「不妊症にこんな効果があって」
と言ったようなあなたの体質そっちのけの説明です。
「何人の人が妊娠しました」とか人数押しをしてくるのもこういった怪しいお店の特徴です。
不妊症はあくまでざっくりとした呼び方で、実際のその人の体質は人それぞれ違います。
だから「不妊症に効果がある」と言ってる事自体おかしいのですね。
「不妊症」という体質はありません。
ぜひ、聞いてみてください「どんな体質のどんな状態の方なら、どんな効果があるのですか?」
また、これは、とっても重要な質問があります。
「どんな体質の人には効果がないですか?」
答えは結局、「不妊症なら誰にでも効果がありますよ」
って、とっても曖昧な答えが返ってくると思います。
また「漢方で不妊治療します」と言いながら、説明が西洋医学的な事が多いですよ。
「女性ホルモンを補充する効果が〜」とか、「子宮内膜を厚くする効果が〜」
と病院とよく似た説明をします。
漢方は東洋医学ですから西洋医学の説明は直接は関係ありません。
「不妊症専門」
8割の漢方薬局は、専門でもないのに突然、言い出したといっても過言ではありません。
本物と怪しい店を見極めるのは難しいですが、
「本当に不妊治療の専門家なの?」と疑いながら相談して丁度くらいですよ。
不妊に関する素朴な疑問、高度な疑問、バンバン質問してください。
専門家ならスラスラ答えることができるはず。
もちろん、うちに来られた場合も
「本当に不妊治療の専門家なの?」と疑って、いろんな質問をしてください。
なんでもお答えしますので。
●不妊症、二人目不妊症など、漢方相談ご希望の方は、こちらのまごころ漢方の「無料漢方相談」から送信してください。
●お問い合わせなどは、こちらから送信してください。
【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉
FaceBook:まごころ漢方薬店
Twitter:henjaku
2012年8月9日 6:37 PM | カテゴリー:不妊治療と漢方について